「ブゴニア」

ヨルゴスランティモス監督最新作「ブゴニア」公開初日行ってきました!
久しぶりの映画館!久しぶりの公開初日!を叶えられて有意義な時間を過ごせた( ᵒ̴̶̷̤ ᵒ̴̶̷̤ )
私にとっては「哀れなるものたち」ぶりのヨルゴスランティモス作品
間に「憐れみの3章」を挟んでいるがこちらは見に行けなかった..
哀れなるものたちほどの尖った映像は少なかったけど、その分ストーリー構成は理解しやすかったように思う
ただ相変わらず画はキツいのであまり大きな声でおすすめはできない
映像の色味やフォントデザイン、途中に挟まれるモンタージュ的映像などの美学に魅了されているところがあるので、見てみたいと得体の知れない世界に飛び込んでみたくなるのがヨルゴスランティモス作品の一つの手法でもあるのだろう
{{主な登場人物}}
・ミシェル〉エマ・ストーン
・テディ〉ジェシー・プレモンス
・ドン〉エイダン・デルビス
※ テディとドンは従兄弟で若干の主従関係にある
{{あらすじ}} ※ 公式サイト抜粋
人気絶頂のカリスマ経営者として脚光を浴びるミシェル(エマ・ストーン)が誘拐された。犯人は、陰謀論に心酔するテディ(ジェシー・プレモンス)とドン(エイダン・デルビス)の2人組。ミシェルが地球を侵略しにきた宇宙人だと信じてやまない彼らの要求はただ一つ。「地球から手を引け」彼らの馬鹿げた要望を一蹴するミシェルだが、事態は思わぬ方向へと加速していき——。
bugonia : 牛の屍から発生した蜂が世界を再生するというような意味のギリシャ、ローマの言い伝え
※ 以下ネタバレを含みます
テディとドンは自宅で養蜂をしており、2人が蜂社会の構造について話しているところから始まる
女王蜂がいて働き蜂がいて、みんながみんな自分の役割を理解しておりその秩序が乱れることはない
女性社長であるミシェルが陰謀論を強く信じているテディに誘拐されるところから物語が動き始める
2人の関係は簡単に言うと同じ製薬会社で働いているトップと下っ端
テディはミシェルが蜂を殺すための農薬を製造していると疑っている
この地位構造が蜂社会のメタファーになっている
ミシェルは劇中でテディやドンからエイリアンと呼ばれているが、その存在は時として神に近い存在として描かれている
例としてノアの方舟の話が出てきたりする
徐々に主導者が入れ替わっていくおもしろさと、人間の弱みや愚かさにつけ込んだヨルゴスランティモス視点での社会への問題提起が描かれている
銃一つ、注射一つ、指先一つで、人類を、世界を破滅させることができる
私たち人間は働き蜂なのだ
その働くサイクルの中で、動かしている人間がパタリと倒れ突如生産ラインが機能しなくなったときに資源や燃料はどうなるのだろう
資源や燃料は無駄に消費され垂れ流されたまま、ますます地球滅亡の一途を辿るばかりだ
むしろ働けない状況が続くことの方が怖い
知らないうちに滑車に乗せられている
人間が機能しなくなった倉庫でベルトコンベアだけが動いている映像が「ラストマイル」にも繋がっていると思った
真実の境界線が騙し合いによって徐々に濁されていく
まさに心理戦
アウシュビッツ強制収容所で「これからシャワーを浴びる」と言われガス室に通されるようなものだ
お馴染みエマストーンとジェシープレモンスの繊細で緊張感の走るぶつかり合いの演技がすばらしかった
めちゃくちゃおもしろかった
