7月FOMCは「タカ派的な据え置き」――利下げではなく、次の利上げを警戒する局面へ
7月28~29日に開催されたFOMCでは、政策金利を3.50~3.75%に据え置くことが決まりました。
一見すると金融政策に変化はありません。しかし、今回の内容は単なる据え置きではなく、インフレへの強い警戒を残した「タカ派的な据え置き」だったと考えます。
政策金利は据え置き
FOMCは、米国経済が不確実性の高い環境でも堅調に拡大している一方、インフレ率は依然として2%目標を上回っていると判断しました。
そのため、すぐに利上げするのではなく、現在の金利水準を維持しながら、今後の物価や雇用のデータを確認する方針です。
注目されたのは、採決が9対3だったことです。
反対した3人の委員は、据え置きではなく0.25%の利上げを主張しました。FOMC内部で利上げを求める声が一定数存在していることが明らかになりました。
利下げ局面に戻ったわけではない
今回の結果を「利上げがなかったので安心」と受け止めるのは、やや早いと思います。
ウォーシュFRB議長は、2%のインフレ目標を改めて重視する姿勢を示しました。一方で、次回会合の政策について明確な予告を避け、今後の経済指標によっては追加引き締めもあり得るという余地を残しています。
つまり、FRBは利下げへ方向転換したのではありません。
インフレが再び強まれば、9月以降に利上げする可能性もある。その前段階として、今回はいったん金利を据え置いたと見るべきでしょう。
長期金利の上昇に注意
市場が特に警戒したのは、米国の長期金利です。
FOMC後には米30年国債利回りが一時5.2%を上回り、2007年以来の高水準となりました。政策金利が据え置かれても、国債市場が将来のインフレや財政リスクを警戒すれば、長期金利は上昇します。
これは、TLTやEDVなどの超長期債には逆風です。
長期債は金利が上昇すると価格が大きく下がります。利回りが高くなったからといって、一度に買うのではなく、金利上昇が続く可能性を考えながら段階的に投資する必要があります。
AI・半導体株にも金利上昇は重い
長期金利の上昇は、高い成長期待を織り込んでいるAI・半導体株にとっても注意材料です。
将来利益の現在価値が低下するため、業績が良い企業でも、バリュエーションの調整によって株価が下落することがあります。
一方、短期債やMMFは、高い金利を比較的低い価格変動で受け取れる環境が続きます。
無理に長期債や高PER株へ資金を移すより、短期債で利息を受け取りながら、長期金利やインフレの方向を確認する方法も有効だと思います。
私の考え
現在の米国市場では、政策金利そのものよりも、長期金利がどこまで上昇するかが重要になっています。
米10年債や30年債の利回りがさらに上昇すれば、株式、長期債、不動産など幅広い資産に影響が広がります。
今は利回りの高さだけを見て急いで投資する場面ではありません。
短期債や現金を一定程度確保しながら、インフレ、原油価格、雇用統計、米長期金利を確認し、投資機会を待つ局面だと考えています。

