子どもは、親が昼間どんな顔で働いているかを知らない
子どもは、親が昼間どんな顔で働いているかをほとんど知りません。
子どもは、親のことをよく見ています。
家で休んでいる顔。
ごはんを作っている顔。
宿題を見ている顔。
少し怒っている顔。
眠そうな顔。
スマホを見ている顔。
休日にソファで横になっている顔。
でも、子どもが見ているのは、親の全部ではありません。
たとえば、昼間のパパ。
たとえば、昼間のママ。
仕事場でどんな顔をしているのか。
誰と話しているのか。
誰のために働いているのか。
どんなことに気を配っているのか。
どんな小さな失敗を防いでいるのか。
どんな「ありがとう」を受け取っているのか。
子どもは、そこをほとんど知りません。
それは当然のことだと思います。
多くの仕事場は、子どもが簡単に見に行ける場所ではありません。
大人の仕事は、子どもに説明するには少し難しい。
親自身も、自分の仕事を子ども向けに話す機会はあまりありません。
でも私は、ここに少しもったいなさを感じています。
親の仕事は、子どもにとって一番身近な「社会」だからです。
父は水族館の飼育員でした
私の父は、水族館の飼育員でした。
土日は休みではありません。
父の休みは月曜日。
だから、子どものころに父とたくさん遊んだ記憶は、正直あまり多くありません。
父と遊ぶのは、夏休みくらいだったと思います。
それでも、不思議と「父がいなくて寂しかった」という記憶は、そこまで強くありません。
なぜだろうと考えると、たぶん私は、父がどこで何をしている人なのかを、早い時期に知っていたからだと思います。
水族館のバックヤードに連れて行ってもらったことがありました。
子どもの私にとって、そこは普段見ることのできない世界でした。
お客さんとして見る水族館とは違う場所。
生きものを世話する人たちがいて、表からは見えない仕事があって、水族館を支えている場所。
そこで私は、父がただ「家にいない人」ではなく、
生きものの世話をしている人なのだと知りました。
大人になってから、母がふと、
「あまりお父さんと遊ばせられなかった」
というようなことを言ったことがあります。
その言葉が、妙に記憶に残っています。
たしかに、父と遊ぶ時間は多くなかったのだと思います。
でも私の中で、父はただ不在の人ではありませんでした。
水族館で働いている人。
生きものを世話している人。
普段は見えない場所で、大事なことをしている人。
そういう理解が、子どもの自分の中にありました。
今思うと、それはとても大きかったのかもしれません。
家にいる親だけが、親の全部ではない
今は、昔よりも親子で過ごす時間が増えている家庭も多いと思います。
父親が育児に関わることも、以前より自然になりました。
在宅勤務で、親が家にいる時間が増えた家庭もあります。
働き方も少しずつ変わっています。
でも、親と一緒にいる時間が増えたからといって、子どもが親の努力や仕事の意義を知っているとは限りません。
子どもが見ているのは、家にいる親です。
疲れて帰ってきて、休んでいる親。
休日に少し長く寝ている親。
宿題を見ながら怒る親。
片づけなさいと言う親。
早く寝なさいと言う親。
子どもから見れば、
「パパはいつも寝てる」
「ママはいつも怒ってる」
そんなふうに見えてしまうこともあるかもしれません。
でも、それは親の一部です。
外では、誰かのために準備しているかもしれない。
失敗しないように確認しているかもしれない。
困っている人を助けているかもしれない。
チームの中で役割を果たしているかもしれない。
家族の生活を支えるために、毎日ふんばっているかもしれない。
その姿は、子どもには見えにくい。
だから私は、親の仕事を子どもに伝える方法を作りたいと思いました。
説明ではなく、物語にしたい
とはいえ、子どもに仕事を説明するのは簡単ではありません。
「パパは営業をしているんだよ」
「ママは事務の仕事をしているんだよ」
「お客さんとやり取りしているんだよ」
「システムを作っているんだよ」
大人には分かる言葉でも、年長さんや小学1、2年生くらいの子どもには、まだ少し遠いことがあります。
それに、親が自分で、
「パパはがんばっているんだよ」
「ママは大変なんだよ」
と言うのも、少し照れくさい。
ときには、押しつけのように聞こえてしまうかもしれません。
だから、説明ではなく、物語にしたいと思いました。
子どもが読める絵本として。
親の仕事を、子どもの目線に近い形で。
家では見えないパパやママの姿を、やさしく伝えるものとして。
それが、いま私が作っている
「パパの絵本、ママの絵本」
です。
「パパの絵本、ママの絵本」について
「パパの絵本、ママの絵本」は、親の仕事を子ども向けの物語にするパーソナライズ絵本です。
対象として考えているのは、主に年長〜小学2年生くらいの子どもです。
いくつかの質問に答えてもらい、写真や仕事の情報をもとに、
その家庭だけの「パパの絵本」または「ママの絵本」を作ります。
ただ仕事を紹介するだけではありません。
顔も、服装も、仕事の内容も、子どもへの伝え方も、できるだけその人らしくしたい。
「パパっぽい人」ではなく、パパ。
「ママっぽい人」ではなく、ママ。
その子にとっての、その親の一冊を目指しています。
ストーリーの型も、いくつか考えています。
一日の仕事を追いかける話。
職場の仲間やチームを描く話。
誰かをそっと助けている姿を描く話。
難しい仕事の説明ではなく、
「パパやママは、昼間こんなふうに誰かの役に立っているんだ」
と、子どもが自然に感じられる絵本にしたいと思っています。
まだ作っている途中です
正直に言うと、このサービスはまだ完成品ではありません。
デモ品はあります。
注文の流れも、ある程度は形になってきました。
ただ、まだ磨きたいところが残っています。
特に、絵の構成をどう作るか。
生成される文章や絵を、どうすればその人らしく、子どもに伝わる形にできるか。
毎回の仕上がりを、どう安定して良くしていくか。
このあたりは、まだ試行錯誤しています。
AIを使えば、たしかに早く作ることはできます。
でも、早ければいいわけではありません。
子どもに渡す絵本です。
親の仕事を、家族の物語として残すものです。
だから、ただ「AIで生成して終わり」にはしたくありません。
ちゃんと読めるものにしたい。
ちゃんとその人らしいものにしたい。
ちゃんと子どもに伝わるものにしたい。
そのために、実際に作りながら、少しずつ改善していく必要があると思っています。
最初の家庭と一緒に作りたい
まずは、ウェイトリストを作ることにしました。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSftiz1Qpj16P_XATqjZpw3CpMbRGDgDWsE36FnxFrNg_z7aNw/viewform?usp=publish-editor
準備が整ったら、ウェイトリストに登録してくださった方から、少しずつ制作の案内をお送りします。
最初から大きく売るのではなく、まずは少数の方に協力してもらいながら作っていきたいと考えています。
実際に作る。
読んでもらう。
子どもの反応を聞く。
分かりにくかったところを直す。
もっと良くできるところを改善する。
そうやって、最初の家庭と一緒に育てる商品にしたいです。
販売価格や仕様についても、ある程度の考えはあります。
ただ、まだ確定ではありません。
品質、制作にかかる手間、届け方、続けられる形。
そのあたりを見ながら、きちんと決めていきます。
そのため、最初の案内は「完成品の販売」というより、
開発に協力してくださる方への先行案内に近いものになる予定です。
子どもが親を見る目が、少し変わる一冊に
この絵本で、子どもが急に仕事のすべてを理解するわけではないと思います。
でも、
「パパは家で寝ているだけの人じゃないんだ」
「ママは怒っているだけの人じゃないんだ」
「昼間は誰かのためにがんばっているんだ」
そんなふうに、親を見る目が少し変わるかもしれない。
それだけでも、私は意味があると思っています。
親の仕事を、子どもに伝わる物語にする。
家では見えない、パパやママのがんばる姿を絵本にする。
このnoteでは、その開発の過程を記録していきます。
完成したきれいな話だけではなく、迷っていること、失敗したこと、直したことも書いていくつもりです。
興味を持ってくださった方は、ウェイトリストに登録していただけるとうれしいです。
最初の一冊を、一緒に作ってくれる家庭を探しています。
ウェイトリストの登録はこちらから
これから長いおつきあいよろしくお願いいたします。
