荒ぶるDX四天王
今年度をふりかえっていると、DXを表現するいくつかの語彙にたどり着いた。いずれもDXのプロジェクトで遭遇するアンチパターンだ。揶揄するような表現だが、実際にあることだから仕方ない。
4つ整理がついたので、アジャイルサムライの荒ぶる四天王にあやかり、荒ぶるDX四天王とまとめておこう。

1つ目は「屏風のトラDX」。荒ぶるDXでは最初に見出したパターン。プランだけが過密に描かれているものの、肝心の実行体制や方法が無い状態。プランは百枚を超える分厚さでプレゼンテーションツールで描かれていることが多い。
DXとはよくわからないものだから、とにかく戦略をしっかり描こう、自組織では描けないものだから外部に投げよう、というスタンスから生み出される。もちろん、実行性が乏しいため、実際に遂行しようとする炎上する。
2つ目は「裸の王様DX」。経営やマネジメントなど上層部はDXへの取り組みが進んでいるものとして一定の満足をしているが、実態は成果に乏しい状態。屏風のトラがワンチャン進んだ場合に出現しやすい。
イケてるDXを自認しているが、そう思い込んでいるのは当事者だけでそのことに気づけていないという悲しいパターン。評価をしているだけに、実態と合わない無茶な進行が採択され、次の荒ぶるDXを招き寄せやすい。
3つ目は「大本営発表DX」。ほぼ裸の王様DXと同時に出現するアンチパターン。社内外にDXの成果を発信しているが、現場は疲弊し、いつ頓挫してもおかしくない状態。
今の日本組織においてリソースが潤沢にあり、何をやるにも人で苦労することはない…なんていう所は無い。どこも圧倒的な人手不足に陥っている。屏風のトラDXをはじめて、無謀なプロジェクトを気持ちだけで乗り越えようとしたところで、援軍が無ければ持たない。
自分たちが大本営発表をやっていると気づいたとき、心は砕け、取り返しがつかなくなる。
4つ目は「眉間に皺寄せてやるDX」。最初は希望があったDXも、屏風のトラ、裸の王様、大本営発表が進むことで、あるいは重なることで、まもなくこの状態に至る。
DXで取り組む仕事、そこで必要となる方法、技術はその組織にとってはじめてとなることが多い。もとより屏風のトラのプランのため、リソースマネジメント(過度な稼働を回避する)という観点もない。その結果経験したことない仕事が山程ありすぎて、終わりなき疲弊が続くことになる。
組織を変える、北極星に向けて希望のある仕事だったはずのDXが、気がつけばびくともしない重たい仕事として背負っている。
いくつかあてはまるだろうか。4つ揃うとなかなかの状況になる。そうなる前に、猛獣を飼いならすすべを身に着けよう。
