『Nereus: Abyssal Blue』Kickstarterのプロジェクトを通して見えたこと
※一部文言を修正
『Nereus: Abyssal Blue』のKickstarterを開始してから、しばらく経ちました。
まず最初に、支援・応援してくださった皆さま、本当にありがとうございます。特にゲムマ前で、他にも魅力的なゲームやイベントがたくさんある中、このプロジェクトへ予算を割いていただいたことには感謝しかありません。
当初の目論見とゲームに対する反応
現状からプロジェクトの達成はかなり厳しい状況となりました。
当初は、国内だけではなく海外からの一定規模の流入も成立条件として想定していました。
しかし実際の流入を見ると、
過去プロジェクトをご支援頂いた方
プレローンチページをお気に入り登録した方
Xフォロワーの方々
といった、既存接点からの流入が中心でした。
海外経由での流入はほぼ発生しておらず、このまま自然に100%へ届く可能性は低いと判断しています。
ただ、その一方で、
試遊での反応
Kickstarter内の検索やリコメンド表示からの流入
XのポストやNote記事からの流入
何より実際に支援してくださった方々の存在
などから、「ゲームそのものが全く届かなかった」という感覚でもありません。むしろ今回成立しなかったのは、「プロジェクトとしての条件設計」の部分だったと思っています。
今回成立しなかった要因
1. 露出不足
ゲムマ2025でのサンプル展示後からアップデートを続けておりましたが、Kickstarter公開バージョンに至るまでの作業に時間を取られ、ローンチ前の認知形成に十分な工数を割けませんでした。
特に今回は海外比率を期待していたにも関わらず、海外向け露出や接点作りは一部の旧知の方へのアプローチに留まり、対応としてかなり弱かったと思います。
2. 物流・送料
今回は海外発送も含むプロジェクトとして、個人での発送対応による遅延や事故を避けるため、国内の倉庫・配送を担う企業様にお願いする形で準備を進めていました。
ただし、海外工場から一度日本へ輸送し、そこから各地域へ発送する設計にしていたこと、また昨今の国際配送事情により、欧州・米国向けでは比較的安価な配送手段を選びにくい状況がありました。
結果として、想定より高価な配送方式に頼らざるを得ず、さらに箱サイズの大型化も重なって、送料面のハードルを大きく上げてしまいました。
これは配送をお願いした企業様の問題ではなく、プロジェクト全体の設計として、送料・箱サイズ・配送経路を十分に抑えきれなかった自分の見積もりの甘さだったと考えています。
3. 商品単価
コンポーネントや演出にこだわった結果、価格もかなり高くなりました。
もちろん、その方向性自体が悪いとは思っていません。
ただ、無名個人クリエイターのKickstarterプロジェクトとしては、かなり重い構成だったと思います。
4. タイミング
本プロジェクトは、本来は3〜4月でのローンチを想定していました。
しかし開発遅延により1か月後ろ倒しとなり、結果としてゲームマーケット時期と重なってしまいました。
「今すぐ遊べるゲーム」が大量にあるタイミングで、「後日届くKickstarter」を選んでもらうのは、かなり難しい条件だったと思います。
自分が見失っていたもの
今回振り返っていて大きかったのは、自分が最初に惹かれていた方向性を、少し見失っていたと気づいたことです。
私は元々、
「小さい箱なのに、ちゃんと悩める」
「コンパクトなのに戦略性がある」
そういうゲームに強く惹かれていました。
ですが開発を進めるうちに、
あれも入れたい
これも表現したい
世界観をもっと見せたい
成長感をもっと強くしたい
と積み重ね、結果としてゲームはより大型・複雑化へ傾いていきました。
もちろん、それ自体が悪いわけではないと考えています。
本来自分が大切にしたかった部分から少しずつ離れていっていたことに、
途中で立ち止まれなかったのだと思います。
目指したい方向性と今後にむけて
『Nereus: Abyssal Blue』については、
今回の形でひとつの完成として区切りをつけたいと考えています。
一方で、Nereusという世界観そのものは、今後も大切にしていきたいと思っています。そのため、今後もNereusの名を冠するゲームを作ります。
今回の設定や核となる要素を引き継ぎながら、
よりコンパクトで遊びやすい形へ再構築していきたいです。
具体的には、
箱サイズの縮小や、生産規模の適正化
コンポーネントの圧縮
プレイ時間の短縮
を意識した設計に見直します。
あくまで“豪華な大型戦略ゲーム”ではなく、
“小さい箱でもしっかり悩める、中量級の深海開発ゲーム”。
その方向を、次のNereusで目指したいと思っています。
最後に
今回のKickstarterプロジェクトは、
結果として中止することを選択しました。
ですが、「何も残らなかった失敗」ではなく、
「何が成立し、何が成立しなかったか」
をかなり具体的に得られた経験だったと思っています。
そして何より、
“小さい箱なのに、ちゃんと悩める”
そんな『Nereus』を、改めて目指したいと思います。
支援・応援してくださった皆さま、本当にありがとうございました。
