イタリア古建築をつくる【第1話】 『サン・ピエトロが立つかぎり』があるかぎり
【サン・ピエトロ大聖堂のペーパークラフトをつくってみた】
約1年前に「イタリア・ルネサンスの旅」と称する大遠征を行った。作戦目標は、6日間でヴェネツィアとフィレンツェのルネサンス美術を制圧すること。
まぁ、ムリだよね。
筆者は学生時代に美術史を専攻したのだが、ルネサンス美術にはあまり興味がなく、知識もほとんどなかったものだから、現地ではただただ圧倒されただけで終わってしまった。
それでも、せっかくフィレンツェとヴェネツィアに行くということで「これだけはぜったいに見る!」という作品を1枚だけ決めておいた。ヴェネツィアのアカデミア美術館に展示されているパオロ・ヴェロネーゼの《レパントの海戦の寓意》だ。そのあたりの経緯と成果については、「ローマのガレー船をつくる」に連載したとおりだ。まぁ、ガレー船づくりは中断しているんだが…。

それから、約一年。
本作戦の総司令官である妻は、「ルネサンス美術」方面からの再攻略は難しいと考えたのたのか、あるいは既に十分な成果が得られたと判断したのか、今度は「バロック美術」方面からの攻略を決断したようだ。
目指すはローマとフィレンツェだ。
敵将は、ベルニーニ、カラヴァッジョ、ボッロミーニと名だたる猛者ぞろい。加えて、ミケランジェロやラファエロ、ボッティチェッリという昨年来の仇敵も控えている。
どう考えても、去年以上に厳しい戦いになりそうだ。
とはいえ、怯むわけにはいかない。一兵卒にすぎない筆者だが、個人的なテーマは持ちたい。
何にしようか。
ローマとフィレンツェとなると、さすがに「ガレー船」をテーマに掲げるのは難しいだろう(レパントの海戦当時、教皇領やフィレンツェ共和国も少ないながらガレー船はもっていたようだが…)。
そこで選んだのが、イタリアの古建築だ。
ローマなら、サン・ピエトロ大聖堂、フィレンツェならサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオーモ)が、まずは思い浮かぶ。
じつは、去年、ウフィツィ美術館のミュージアムショップでドゥオーモの組立模型を見つけていた。ただ、値段がそれなりだったし、他に欲しいものもいろいろとあったので購入を見送ってしまって、案の定、帰国してから後悔しまくった。
今年こそは、買って帰るつもりだ。
じゃあ、サン・ピエトロはどうしよう。
というか、ローマ行きに備えて『サン・ピエトロが立つかぎり』*1 を読んでいるのだが(飛行機の中でも再読するつもり)、その影響化にあるものだから、いまはドゥオーモよりサン・ピエトロをとてもつくりたい気分だ。
模型があるかどうかネットで調べてみると、やはりキットは見つからなかったのだが、キヤノンプリンターのサイトに「Creative Park」というペーパークラフトのコーナーがあり、そこで宝の山を見つけてしまった。
サン・ピエトロやドゥオーモだけじゃなく、コロッセオやピサの斜塔、シエナ大聖堂、ミラノ大聖堂、さらには世界の古建築がいろいろと掲載されている。
これは、つくらねばなるまい。
さっそく「バチカン サン・ピエトロ大聖堂 ミニ」と「イタリア サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂 ミニ」をダウンロードした。

「ミニ」となっているのは、A4用紙1枚に印刷できる小さなペーパークラフトで、より本格的なものも提供されているからだ。
つくってみた。

これはいい。
この展開図を薄いプラバンに印刷して、より立体的な模型をつくっていくのはどうだろう。
『サン・ピエトロがあるかぎり』には多くのイタリア古建築が紹介されているから、その三面図さえ見つかれば、イタリア古建築をシリーズ化することもできそうだ。
ローマやフィレンツェで見学した建物を統一スケールでつくり、静岡模型教材協同組合の「ウォーターラインシリーズ」の観艦式みたいに並べてみても面白そうだ。
さて、どうしようか。
*1 石鍋真澄『サン・ピエトロが立つかぎり 私のローマ案内』吉川弘文館、1991年
【第2話】統一スケールで大聖堂や教会を につづく
