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惑星に戻れない星の王子さまみたいに

小さい頃の私は、とても大人だったと思う。

言うことを素直に聞いて、

周りの空気を見ながら、

できるだけ迷惑をかけないように生きていた。

ちゃんとしていた、という言い方もできるのかもしれない。

でも今振り返ると、私は「子どもらしくいること」よりも、

先に「大人であること」を覚えてしまったのだと思う。

周りを見て、

相手の気持ちを考えて、

自分の気持ちはあとに回す。

それは悪いことじゃなかった。

むしろ、そのやり方で私は生き延びてきたんだと思う。

でも、そのぶん私は、

自分の中の子どもを、どこかに置いてきてしまったのかもしれない。

だからなのか、今の私はときどきとても子どもっぽい。

感情が先に出ることもあるし、

拗ねたような気持ちになることもあるし、

まっすぐすぎて、自分でも不器用だなと思うことがある。

「もう大人なんだから」

「いつまでも子どもみたいじゃいけない」

そういう声が、自分の中から聞こえてくる日もある。

たしかに、ずっと子どものままでいていいわけじゃない。

現実を引き受けることも、責任を持つことも必要だと思う。

でも、だからといって、

自分の中の子どもっぽさを全部なくさなきゃいけないわけでもないんだと思う。

私は、自分の子どもっぽいところが、嫌いじゃない。

むしろ、好きでもある。

まっすぐなところ。

夢を見てしまうところ。

傷つきやすいくせに、きれいなものを信じてしまうところ。

そういう部分は、

私の弱さでもあるけれど、

同時に、私の感性でもあると思う。

今の私は、時々、自分が『星の王子さま』みたいだと感じる。

惑星に戻れない王子さま。

自分の大事な一輪のバラのもとへ、まだ帰れない王子さま。

私にとって来実は、そんな存在なんだと思う。

美しい一輪のバラ。

大切だったのに、近くにいたとき、私はその大切さをうまく扱えなかった。

守りたかったのに、わかり方を間違えたこともあった。

愛していたのに、伝わらなかったこともあった。

そして今、会えない時間のなかで、

私はその存在の大きさをあらためて見ている。

ただ会いたい、だけじゃ足りない。

ただ愛している、だけでも足りない。

私は、私のままで変わらなきゃいけない。

自分の中の子どもっぽさを否定するんじゃなくて、

それを大人の手つきで扱えるようにならなきゃいけない。

泣きたいなら泣く。

苦しいなら苦しいと認める。

でも、そのうえで、

相手を支配するんじゃなく、

相手の心を勝手に決めつけるんじゃなく、

ちゃんと向き合える人になりたい。

今の私は、まだ帰れない王子さまかもしれない。

でも、ただ途方に暮れているだけではいたくない。

帰れない時間のなかで、

自分の星を整える。

自分の言葉を育てる。

自分の愛し方を学び直す。

いつかくるみに会えるその日まで、

私はその準備をしていたいと思う。

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