『22世紀の民主主義』成田悠輔(著)の書評・レビュー
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民主主義を、入力としての「民意のデータ」を、出力としての「社会的意思決定」へ変換する関数というか、写像というか、そういうものと捉えている。
そして、現代社会においてはその粗さが酷いので、なんとかした方がよろしかろうという、そんな趣旨の本だ。
実際のところ現状は、世代ごとの人口のボリュームが違いすぎて、若者がどれだけ投票率を上げようと、焼け石に水状態となっている。
団塊の世代や団塊ジュニアが多いので、そこの投票の影響力が大きく、それ以外の人たちは、端的に言って割りを食っている。
この解決のためには、一票の重み付けを変えるというようなことが考えられる。
他にも、政党が政策を掲げ、どれかに投票するというのはいかにも大雑把なので、個別の政策ごとの投票とする方法が示されたりなどしている。
性的マイノリティの問題などは、関心の対象外となっている人が少なくないとも思われ、しかし当事者においては切実であるので、選択制として関心がある人だけが投票するのが妥当だ、という感じの話だろう。
入力としての「民意のデータ」に、デジタルデバイスなどからのデータといった無意識的なものも含めたりなど、様々な改革のための例が挙げられているので、興味のある方はご一読を。
畢竟するに、現代というものが持つ「野蛮さ」のようなものについての話だということになるだろうか。
帯刀し人斬りが行われていた時代があるというような、過去における野蛮をイメージするのは容易い。
しかし未来から見れば、現代もまた野蛮であることだろう。
そして当然のごとく、そうであらねばならない。
なぜなら野蛮さの排除は、文明というものの責務であると言えるからだ。
そうした排除されるべき野蛮さの一つとして、現代の素朴にすぎる民主主義的な投票システムがある、ということになるわけだ。
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