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『謝罪会見』



或る都会の片隅に、一つの舞台が設けられた。
そこには照明が落ち、マイクが据えられ、報道陣のカメラが林立していた。
舞台中央に立つのは、一人の候補者である。彼は国の舵を取るべき人間であった。

彼の背後には、うつむいた数名の議員が並んでいた。彼らは彼の命を受けて、匿名の海に誹謗と中傷の舟を流した者たちであった。だが、その舟は逆流し、彼ら自身の足元を濡らした。

候補者は深く頭を垂れた。――いや、垂れたように見せただけである。
「すべては部下の不心得であり、私は知らなかった」
その言葉は、彼の口から湧き出た。しかし、湧き出たものは水ではなく、煤けた煙であった。

報道陣は静かに筆を走らせた。
彼らは真実を知っていた。だが、筆先は濁った水に浸されていた。
「小さく報じよ」と、見えざる手が囁いたからである。

群衆はどうであったか。
通りを歩く人々は、誰一人として足を止めなかった。
「またか」と呟き、煙を吸い込みながら歩みを続けた。
誰も咳き込みはしなかった。ただ、肺の奥に煤をためこみながら。

かくして会見は終わった。
候補者は再び笑顔を浮かべ、部下は沈黙を守り、報道は小さな記事を紙面の隅に載せた。
だが、その紙はやがて腐り、墨は剥がれ落ちる。
残るのは煤けた匂いだけである。

――その匂いを嗅いでなお、私たちは息をしている。
これを腐敗と言わずして、何と言うべきであろうか。







『独白』

――私は悪くない。

いや、正確に言えば、私は「悪く見えてはならない」のだ。
あの若い議員どもが、私の視線を忖度し、勝手に動いたに過ぎぬ。
私はただ、勝利を望んだ。それが罪だと言うのか?

民は愚かだ。
彼らは理想を口にしながら、現実には勝者にしか靡かぬ。
清廉潔白を謳う者ほど、選挙の夜には勝者の宴に群がるではないか。
ならば、私は勝たねばならぬ。手段など問題ではない。

謝罪会見?
笑止なことだ。
あれは舞台装置にすぎぬ。頭を下げさえすれば、国民は忘れる。
報道は弱く書き、部下は沈黙する。
私は数日の耐え難きを耐えれば、再び表舞台に立てる。

私が退けば、誰が舵を取るのだ?
対立候補か。あの無能に?
民は結局、私を選ぶほかない。
なぜなら、民は真実を望まず、ただ強き者を求めるからだ。

――私は悪くない。
いや、正確に言えば、私は「悪くてもよい」のだ。



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