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サイテーなセックスライフ

はじめては中学三年生のときだったと記憶している。
顔も名前も覚えていない人。

あたしの地元は田舎ということもあってか、周りが性に目覚めるのが早かった。友だちに恋人ができていくなか、あたしには恋愛感情というものがまるでわからなかった。かっこいいと思う友だちはいたし、仲が良い男友だちもいた。けれど、『好き』という感情、恋情に直結はしなかった。
ただ、セックスという行為がどういうものなのか興味津々だったし、次々に童貞、処女を卒業していく同級生たちのなかで焦りに似たものを感じていた。
ほんの興味本位とお金欲しさに、SNSで知り合った大人に処女を売った。
はじめて入ったラブホテルはまさかのSMルーム(今だからわかる)。
初対面の男の人を前にして、中坊のあたしは怖かった。
けれど、もうここまで来ては引き返せない、勝手に帰るのも怖い、という諦めを抱えてシャワールームへ入った。
この頃、親への反骨精神と自殺願望が強くて、自分の身がどうなろうと知ったこっちゃない、という気持ちもあった。
女友だちから「痛い」「血が出る」と聞いていて、どんなに怖い行為なんだろうと身構えていたが、思っていたほどの痛みも出血もなかった。
ホテルを出て最寄りのコンビニまで送ってもらい、お金を貰って帰ろうというとき、五千円という額を提示された。相場はよく知らなかったけれど、流石に安いということだけはわかった。
次に会うことを約束して、二万円を受け取った。
それきり、彼とは会っていない。

しばらくして、ずっとあたしに猛アタックしていた好きでもない同級生と付き合った。
彼は童貞だったから、あたしも処女のフリをした。
それがどういうきっかけだったかは思い出せないが、自分が処女ではないことはあっさりバレた。あたしのことだから、たぶん自ら暴露したんだと思う。
毎週、彼の親が家を空けている早朝にこっそり部屋に上がっていた。
好きでもない男と付き合うめんどくささ、付き合ってあげているあたしが会いに行く苛立ち、彼とは無関係の日々の鬱憤をぶつけるように身体を交わしていた。
気持ち良さなんて一ミリも感じられないし、セックスの原動力は性欲ではなくストレスだった。
ドMの彼は、あたしが何を言っても、足で踏みつけても、何をしても受け入れた。
辱めているのに、受け入れるどころか嬉しそうな様子の彼に、あたしは更にイライラしたりした。
彼とは違う高校に進学して、自然とお別れすることになった。

高校生になると、同級生たちの恋愛が”リアル”になった。
小中学生の頃とは違う、ホンモノの恋情を多く感じていた。
九割以上を女子が占める学科で友だちと過ごす時間が楽しくて、恋愛にはあまり興味を持てなかった。
でも、彼と別れたことであたしのストレスの発散先は無くなった。
筋トレや有酸素運動をしたり、河川敷でギターを弾いて歌ったりしたけれど、どこか物足りなかった。
高校一年生の秋に、二個上の他学科の先輩を好きになり、猛アタックしたが、実らないまま、彼は卒業して東京の大学へ進学した。
高校二年生になった頃、SNSで知り合った大学生の家に遊びに行くようになった。
家に帰りたくなかったあたしには、ちょうどいい逃避先だった。
筋肉質な彼に抱かれるのは心地よかったし、同級生はしていないことをしている、親には言えないえとをしている罪悪感と優越感までも心地よかった。
当時大学四年生だった彼とは、就職などの理由から、自然と疎遠になった。
高校三年生になり、オープンキャンパスと部屋の内見のため、二度、一人で東京に泊まった。
はじめて東京を訪れたとき、新宿のホテルに泊まった。
土地勘のないあたしは効率悪くオープンキャンパスへ行ったり観光したりした。
夕方、高一の秋に好きになった彼が住む亀戸まで電車に揺られた。
駅で待ち合わせて、久しぶりに見た彼の髪は青く染まり、ワックスでセットされていた。あたしが好きだった、ボサボサ頭の無造作な彼はいなかった。
拍子抜けしながら、とぼとぼ彼について行き部屋を訪れると、流れるようにセックスをした。
また、そこに恋愛感情はなかった。小さな期待は泡のように消え、なんだ、こんなもんか、と呆気なかった。
一緒にご飯を食べたりもせず、ホテルへ帰った。
そんなふうにして、あっという間に高校生活は終わった。

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