自分次第

定点観測記録522日目
0423

【全部自分に】
口数の多くないあの子を見て気付くことがあった。
どうやったら授業やいろいろな活動であの子は自分自身を出せるようになるだろう。
どうやったらあの子と縦糸が繋がったと感じるだろう。
どうやったらあの子は横糸のつながりを実感できるだろう。
どうやったら縦糸と横糸の両方であの子は自分自身を解放することが出来るだろう。
どうやったらあの子に伝わるか。
もしかしたらすでに伝わっているのか。
伝わっていないとしたら,何が出来ていて何が余計で何が足りなかったのか。
伝わっているのだとしたら,逆に伝えすぎた部分や圧力を強めすぎた部分はないか。
圧力を強くしすぎて本当に伝えたいことが消えてしまっていないか。
圧力を強めることで伝えたいことの表面ばかりを押し付けていないか。

あの子が身近な対話の中でもし苦しんでいるのだとしたら,それはなぜか。
こちらの渡し方がよくなかったのはあるだろう。
あの子に伝えた言葉や「このくらいできたらいいね」という基準の言葉が,あの子に対してはプレッシャーとして働いてしまったのか。
全体にそう伝えたつもりの言葉があの子に対して違う意図で伝わってしまっているんだとしたら,もしかしたら他の子にも違う伝わり方をしていたんじゃないか。
それとも渡し方を間違えたわけではなく,その後の熱の伝え方やあこがれをもたせることに対してがもっといい方法があったんじゃないか。
もしくは順番が違ったか。
熱が高まっている姿を実際に見せて,あの子がそうしてみたいと思えるような場や価値付けが足りなかったのではないか。

あの子がそこに対してプレッシャーを感じているのだとしたら,それは誰よりも自分事として考えているということではないか。
自分事として考えているのに行動化することが難しいということもある。
そうなんだとしたら今の時点で十分伝わっているということではないか。
伝わっていて自分事にもなっているのに,行動化することに対してもし後ろ向きになってしまうことがあるのだとしたら,行動化するためのスキルの細分化やその行動の意義を伝えきれていなかったのではないか。

自分の提案や言葉掛けが意図に近い形で伝わるように整地はしたか。
その言葉にどれだけ気を遣って渡したとしても,地面に落ちた時に地面に石だらけだったらそのボールは割れてしまうかも知れない。
もしくは意志で思わぬ方向にバウンドしてしまうかも知れない。
地面が整地されていれば,ボールは跳ね返って手元に戻ってくる。

そういう想像力が足りなかったような気がしている。
結局のところあの子にどんな形で伝わっているかはわからない,
確認したとして,その言語化も難しいかも知れないし,単純に言いづらくて言えないかも知れない。
あの子が言える・伝えられる関係性になるように努力したか。
「始まって二週間だし・・・。」は言い訳にならない。
始まって何日だろうが関係性を築く人はいるだろうし,始まって何日経っても関係性をつくれない人もいるはず。
それは単純な時間の蓄積量の差ではなく,一緒に過ごした時間の中でどのくらい安心感の兆しを与えられたかの差だと捉えることも出来る。

そうなんだとしたら,戻ってくるのは自分の見取りと価値付けが足りなかったということ。
一つ一つもっと丁寧に見取って価値付けていたなら,もっと最初の一歩が踏み出しやすくなるかも知れない。

丁寧に価値付けて見取っていくためには,まずターゲットを決めることが必要。
今の自分は学級の全員をターゲットに全員を丁寧に見取っていくことは出来ない。
その現在地をしっかりと認識する。
だから最初のターゲットを決める眼力や観察力が必要。
全員をターゲットとしてぼんやり見ていくと,結果全員に対しての見取りが薄れる。
薄めずに濃度はそのままで原液の量を増やすことは今すぐには出来ない。
だからターゲットを決める。
個に対して見取りの深度と強度を高める。
その子を中心に関係性を観察していくことで,自然とその見取りはその子が持つ周囲との関係性にも派生していく。
結果として一人を深く見ることは全体を深く見ることにもつながる。

全員をターゲットにしておくと,ついつい表面的に目立つ子の方に目が向きがちになる。
その結果,静かに地道に頑張っている子に対しては見取りが極端に浅く少なくなってしまう。
もっと個のことを立体的に見ようとするなら,
そしてそれを全体への見取りにつなげていきたいと考えるなら。

まずは一人一人に対してこれでもかというくらいエッジを効かせて見取って,これでもかというくらい深堀りしてその心の中を想像しながら時間的な流れの中でその子の変化や変わらないことを見取っていく必要がある。

自分が足りなさや悔しさを感じたりする部分には,自分の成長のためのヒントが隠されている。

本当に目の前の子達を幸せにしていきたいという覚悟があるのなら,自分の感情や無意識の反応を通して自分自身の奥にある願いを知り,全部自分に矢印を向け直して出来ることを積み重ねる以外の道はない。
少なくとも僕はそれしか知らない。

もらった感情も事実も全部がプレゼント。
それを活かすも殺すも自分次第。

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