桃太郎?【3つのお題に空想のひらめきを】
日本むかし話に挑戦しました。
またまた、2,000字越えです!!
お暇な時にお読み頂けると嬉しいです☺️
よろしくお願いします🙇
🎈お題①:「桜を咲かせる猫」
🐾お題②:「月夜のもちつき」
⏳お題③:「泣き虫おに」
むかしむかし、あるところに、桃から生まれた桃太郎という少年がいました。
桃太郎は、拾ってくれたおじいさんとおばあさんに大事に育てられて、とても逞しく、元気な男の子に成長していました。
ある日のことです。
おばあさんが
「桃太郎や。
なんや隣の村で鬼が出たと騒ぎが起こっておってな。
うちの村に来たら怖いし、きびだんご、ようさん作るから、退治してくれへん?」
と言いました。
桃太郎は
「ばあちゃん、任せて!
オレの手にかかれば、鬼なんて一ひねりやで!!」
と言って、おばあさんの作ったきびだんごを持って、鬼退治に行きました。
鬼退治に向かっていると、一匹のねこと、二羽のうさぎが近づいてきて言いました。
「桃太郎さん。
お腰につけたきびだんごを一つくれへん?」
「ええけど、今から鬼退治に行くから、ついてくるんやったら、あげるで。」
「行く、行く!」
ねことうさぎが、きびだんごを美味しそうに食べています。
それを見ながら、ふと桃太郎は尋ねます。
「で、自分ら、どんなことできるん?
鬼退治に行くんやで?」
ねこは胸を張って言います。
「自分、桜咲かせられます!!
どんなところにでも、桜満開にする自信あります!!」
うさぎたちも誇らしげに言います。
「二羽でめちゃくちゃうまいお餅、つけます!
高速餅つきすると、めっちゃ盛り上がります!!」
桃太郎は目を丸くしました。
「えっ!!
すっげぇ〜!!
ねこは桜を満開にできるん!?
ほんで、うさぎらは高速餅つき!?
あれ、息ピッタリでないとできひんで!!」
桃太郎は、鬼退治の役に立つのかわからなかったけれど、ねことうさぎのやる気をかって、一緒に鬼ヶ島に行くことにしました。
鬼ヶ島に着き、桃太郎は早速、鬼たちに聞きます。
「人間の村に来て暴れたやつは誰やねん!!
正直に出てこいっっ!!」
鬼たちはきょとんとしています。
「なんかの間違いちゃう?
誰も、そんなことしてへんで?
去年、花でも観に行こうか…って人間の村に行った時に、めっちゃ豆投げられてよ。
あれ、あたりどころ悪いと痛いねん!
あと、くっさいイワシのにおいかがされてよ。
散々な目にあったから、あれから行ってないで?」
「ええ??
でも、最近、隣村に鬼が出たって聞いてんけどな…。
…なんか隠してるんちゃうか……?」
すると、後ろの方から、小柄でかわいらしい赤鬼の女の子が、おずおずとでてきました。
目に涙をたくさん浮かべて言います。
「ごめんなさい…。
私が…私が…行きました…。
うえーん」
あまりにも泣くので、みんなで慰めて、落ち着かせます。
桃太郎も赤鬼の女の子にきびだんごを一つ渡しながら言いました。
「大きな声出して、ごめんやで。
これ食べて、落ち着いて?
…で、なんで人間の村に行ったんか、教えてくれるか?」
赤鬼の女の子はしゃっくりをあげて、泣きながら、きびだんごをもちもちと食べました。
すると少し落ち着いたのか、ゆっくりと話を始めます。
「……去年、豆、投げられたけど……道中のお花とか、お山とか、きれかったから、もう一度見に行きたかってん……。
こっそり見に行ったつもりやってんけど、人間に見つかってもうて、大騒ぎになって……。
あーん、ごめんなさいー」
またまた泣き出したので、桃太郎は慌ててもう一つきびだんごを渡します。
そして、桃太郎は少し考えて、鬼たちに言いました。
「今度の満月の日、オレの住んでる村に招待したるわ。
ええもん見せたるから、楽しみにしとけよ!」
--満月の日。
鬼たちは、桃太郎に言われたとおり、桃太郎の住む村に行きました。
桃太郎は小高い丘に鬼たちを連れて行き、ねこに言います。
「ねこ!
この大木に桜の花を咲かせるんや!」
「お任せあれ!!
枯れ木に花を咲かせまっせぇ〜!!」
ねこが自分の毛をひとつまみして、フゥ〜と息を吹きかけると、大木があっという間に淡いピンク色の桜で満開になりました。
満月の光に照らされて、夜桜が美しく浮かび上がります。
鬼たちはびっくり仰天です。
赤鬼の女の子もびっくりして、
「す、すごい…。
きれい……。」
と言いながら、きらきらと舞い散る桜吹雪を見つめて、ポロポロと泣き出します。
すると、次はうさぎたちが言います。
「ほな、お次は、高速餅つきをご覧あれ〜!!」
ものすごい速さで、ペッタン、ペッタンとお餅をつき、鬼たちは拍手大喝采です。
赤鬼の女の子は、それを見ても「速いぃ〜!!」と言って泣いています。
できたてのお餅も「美味しいぃ〜!!」と言って泣いています。
「ずっと泣いてるやんけ!
泣き虫やの〜。」
と、桃太郎が呆れて言うと、赤鬼の女の子は、鼻をスンスン鳴らしながら、泣き笑いして言います。
「悲しくても、嬉しくても、涙出てまうねん。
えへへ。」
その姿を見て、桃太郎は思わず赤鬼の女の子の頭を優しく撫でました。
赤鬼の女の子は少し照れたように笑います。
すると、また目尻から大きな涙が一つ溢れ、満月の光でキラキラと輝きました。
その後、満月の夜になると、満開の桜の下で、うさぎのお餅を食べながら、人も鬼も仲良くお花見するようになったとさ。
おしまい。
