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落ちたお月さん【3つのお題に空想のひらめきを】

日本むかし話に挑戦しました。
2,000字ほどありますので、お時間ある時に、お読みいただけると嬉しいです☺️
よろしくお願いします🙇

🎈お題①:「月を拾った子ども」
🐾お題②:「虹のかかる峠」
⏳お題③:「雨を呼ぶ小鳥」

🍊第57回 3つのお題(日本むかし話)

むかしむかし、あるところに、太郎という元気な男の子がいました。

ある日の満月の夜、太郎は窓から月を眺めていると、月がゆっくりと下に移動し、ついにボチャンと池に落ちてしまいました。

太郎が慌てて池に向かうと、月はぷかぷかと浮いたまま、照れたように言います。

「池に写った自分見てたら、見惚れてもうて、落ちてもうたわ!」

太郎は、呆れ顔で月に言いました。

「落ちてまうまで下に降りてくるなんて、うっかりなお月さんやなぁ!
まぁ、確かに、今日のお月さん、ええ色してるもんなぁ〜」

すると月は嬉しそうに少し興奮して言います。

「そやねん!
 あんた、話がわかるやないの~。
 誰でも見惚れるっちゅうねん!」

「……まぁ、池落ちるほどちゃうけどな」

「言えてる〜!」

2人はひとしきり笑い合い、落ち着いた頃に太郎が言います。

「……ほな、おいら、そろそろ帰るわ!
お月さんも、はよ、空に帰りや〜」

太郎は月に手を振り帰ろうとすると、月は慌てて言います。

「ちょお、待って!!
 こんなところに置いて行かれても、うち1人では帰られへんのよ!!
……ちょっとあんた、空にほってくれへん?」

「ええー!!
 帰られへんのに落ちてきたん!?」

太郎が、渋々月を持ち上げます。

「まぁまぁ、重いなぁ…」

ブツブツ言いつつ、ポーンと月を空にほおり投げますが、しばらくすると落ちてきました。

「……あかん、高さが足りひん……。
 もっと高いところでほおり投げてもらわへんと、空に帰られへんわ……」

しょんぼりする月をみて、太郎はしばらく考えてから言います。

「そうや!!
 明日、ここから少し歩いたところに峠があるから、峠のてっぺんからほってみようか!」

「ええの!?
 助かるわぁ〜。
 ほな、明日、頼むな!!」

ニコッと笑う月は、ピカリと明るく光りました。

次の日。

太郎は月を持って峠に行きました。

そして、思いっきり空に投げてみましたが、やはり落ちてしまいます。

「あとちょっとやねんけどなぁ……。
 ここより高い峠はないんやろか?」

太郎は腕を組んで考えますが、今いる峠が一番高いので、困ってしまいました。

すると近くの木で一部始終を見ていた小鳥が声をかけてきました。

「お困りのようやな。
 オレが手伝ったろうか?」

太郎は、小鳥の近くに寄って言います。

「ほんまか!?
 鳥ならお月さん掴んで飛べるやろうし、ちょっと頼むわ!
 まぁまぁ重いけど、いける?」

小鳥は月を掴んで持ち上げようとしますが、全く持ち上がりません。

「重っ!!
 こりゃ無理や、無理!!
 こんな重いもん、掴んで飛べるかいな!!」

小鳥が根をあげていると、月が少しむくれた様子で言います。

「なんやの、さっきから二人して重い、重いて……
 今はな、ちょうど満月やから、ふっくらしてるだけやで?」

「ほな、半月まで待つか」

「えー!!
 あかん、あかん!
 月うさぎとお団子作る約束してんねん〜。
 なんとかならへん?」

「団子食うから、重なんねん!!」

万策尽きた……という雰囲気が漂い始めた時に、はたと、小鳥が言います。

「……ここより、高い場所に行って、空にほおり投げたら、お月さん戻れるんやな?」

月と太郎はコクコクと頷きます。

小鳥はふんぞり返ってさらに続けます。

「聞いて驚け。
 なんとオレ様には……雨を呼ぶ力があんねん!!
 すごいやろ、オレ!!
 今日はええ天気やから、ちょっと雨を降らせたら、ここの峠と向かいの峠にきれ~な虹がかかるわ。
 その虹の一番高いところから、お月さんほったらええねん!」

「何その能力!!
 すっげ〜!!」

「なんやの〜!
 出し惜しみしてたん〜?」

太郎と月は喜んで、小鳥に雨を呼んでもらうことにしました。

小鳥は木の上に登り、小鳥らしからぬ声量で歌を歌い始めました。

しばらくすると雨雲がやってきて、雷鳴と共に桶をひっくり返したような雨が降り始めました。

「豪雨やないか!!」

太郎と月は慌てて木陰に避難します。

「このくらいの〜🎵
 雨やないと〜🎵
 しっかりした虹にならへんのや〜🎵」

小鳥は空気を震わせながら歌い続けました。

徐々に雨足が弱まり、雨が止むころに、太陽の光で虹が浮き出て、向かいの峠に虹がかかりました。

七色に光る虹は固い橋のようで、太郎は月を抱えて、虹の上をのぼります。

一番高いところまで行くと、太郎はしっかりと足を踏ん張って、月を思いきり空高く投げました。

すると月が

「あ、いける!!
 戻れそうやわ!!
 おおきにな~!!」

と言い、無事に空へと戻ることができました。

太郎は虹の橋を降りると、小鳥にお礼を言い、また遊びに行くわ!!といってお別れしました。

その日の夜のことです。

太郎が窓から月を眺めていると、月に呼ばれている気がします。

なんとなく外に出ると、空から白いお団子が落ちてきたので、太郎は慌てて受け取りました。

「空に戻してくれたお礼やで~。
 出来立てやからうまいで~」

「すっげー!!
 お月さんのお団子やん!!
 ありがとうなぁ〜!」

そういって、太郎はさっそく一つ食べました。

もちもちとしてとても美味しいお団子だったので、明日、小鳥にも持って行こうと思うのでした。

おしまい。


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