空とぶ喫茶店アナザースカイ【3つのお題に空想のひらめきを】
🎈お題①:「深夜0時の観覧車」
🐾お題②:「空とぶ喫茶店」
⏳お題③:「虹色の切符」
お題ファンタジーに挑戦しました!
1,700字ほどあります。
よろしくお願いします🙇
空飛ぶ喫茶店「アナザースカイ」は、今日も閑古鳥が鳴いている。
店主のレイラは頭を抱えていた。
来る客と言えば、おかわり自由のコーヒーを注文したカラスとスズメが、何やら書き物をしてだらだらと長居するぐらいだ。
「こら、なんとかせな、店潰れてまうで…。
仕入れ先のコーヒー豆、ちょっと値上がりしてきてるし…今月、カツカツやで…。
継母に『お店は任せた!あんたなら切り盛りできる!』って言われてその気になったけど…。
そもそも空飛んでる時点で、地上の人がフラッと来られへんしな…。
う~ん…。」
するとカラスが言いました。
「客に来てもらいたいんなら、営業活動やろ。
空飛んでるんやし、空からビラ巻いてみたらどうや。」
「ビラ巻き、やった、やった!
そしたら、ゴミまくなってめっちゃ怒られた!!
あーん、もう、地道に手配りするしかないやん…。」
すると次はスズメが言いました。
「今週末にある舞踏会行って、みんなに配ったらええんとちゃう?
なんか、国の王子様の花嫁選びで、町中の年頃の娘たちが招待されとるみたいやで。
ってか、レイラは行けへんの??」
「はぁ~??
何そのイベント!?
私、知らへんよ!
…あっ!継母が忘れてるんかも。
私宛の郵便物、こっちに回してって言うてんのに…。」
案の定、継母は招待状をレイラに渡し忘れていた。
『ごめんね!これで許して♡』
というメッセージと共に、「魔法使い使用券」を1枚くれた。
「よっしゃ、これで、きれいなドレスと、営業用のチラシ作ってもらおっと!」
レイラは早速魔法使いを呼び出して、そこそこのドレスと、光にかざすと七色に揺れて、角度によって色が変わる不思議な切符『虹色の切符(喫茶店アナザースカイ割引券)』を1000枚刷ってもらった。
喜ぶレイラに、魔法使いが忠告します。
「虹色の切符は消えへんけど、ドレスは深夜0時過ぎると元の服に戻るから、気ぃ付けてや」
「任せて!!」と親指を立てて、意気揚々とレイラは舞踏会に参加。
レイラはSNS映えする写真を必死に撮影している女性たちに、虹色の切符を渡して積極的に営業活動をしました。
キラキラの虹色の切符に、参加している女性たちは大いに盛り上がって、
#喫茶店アナザースカイ
#虹色の切符
#空飛ぶ喫茶店
とハッシュタグをつけてSNSで拡散してくれました。
そんな中、たくさんの女性を紹介されて、お疲れ気味の王子が、虹色の切符を配り歩いているレイラに目を付けました。
「あの子、オレのこと1ミリも見てへん…。
……たわいもない話できそうやな。」
王子はレイラを観覧車に誘いました。
観覧車に乗り込むと、レイラは王子様に虹色の切符を渡して、空飛ぶ喫茶店アナザースカイがいかに落ち着く場所か、コーヒーに定評があるか、などなど熱く語りました。
王子はあまりの売り込みっぷりに大笑い。
楽しい時間を過ごしていると、観覧車が頂上にくるあたりで、深夜0時の鐘の音が鳴り始めました。
レイラはハッとなり、王子に向かって
「あかん、0時や!
ドレスが消えたらエプロン姿で営業活動することになってまう!」
と言うと観覧車のドアを開けて、大きな声で叫びました。
「スズメ~カラス~店持ってきて!!」
驚く王子だったが、ゴゴゴという音ともにスズメとカラスが操縦して持ってきた、喫茶店アナザースカイが観覧車の横にやってきました。
レイラはピョンと飛び移り、見事にお店に着地。
店先から王子に向かって
「続きは店舗で!
虹色切符は今月末まで有効なんで、お待ちしてま〜す!」
と手を振っていました。
王子は虹色の切符を握りしめて大笑いしながら手を振り返しました。
その後、王子はレイラもお店も大変気に入って、後日、早速行ってみると、大行列の大賑わい!!
王子がウロウロしていると、
「今、10時の便が出発したから、次は12時の便やで。
そこの名簿に名前書いときや。」
と親切な村人が教えてくれました。
王子は手の中の虹色の切符を見つめて、苦笑いします。
「……続きは店舗で、やもんな。」
そう呟きながら名簿に名前を書いて、
(……いつか貸切予約したろ…。)
と、少し笑いながら思うのでした。
おしまい。
