星くず市場と青い鍵【3つのお題に空想のひらめきを】
3つのお題(ファンタジー)に挑戦しました。
よろしくお願いします🙇
🎈お題①:「星くず市場」
🐾お題②:「青い鍵」
⏳お題③:「小さなドラゴン」
空とぶ喫茶店「アナザースカイ」の店主・レイラは、公務の合間にふらりとやってきたこの国の王子に声をかけました。
「なぁ、王子。
明日の星くず市場、一緒に行かへん?」
王子はコーヒーをゆっくりと飲みながら答えます。
「星くず市場?
まぁ、別にええけど…。
あ!!
君のことだから、オレに重いもの持たせようとか考えてるんやろ!」
レイラはケラケラと笑いながら言います。
「まさか!!
流石に一国の王子を荷物持ちにするために誘ったりなんかせえへんよ!!
あんな、明日は星くずたまごがめっちゃ安売りしてんねん。
でも1人1パックまでやから……。」
「荷物持ちと大して変わらへんやんけ!!」
「カラスとスズメも行くから、4パック手に入んねん!
一緒に来てくれたら、王子の星くずオムライス、たまご一個多めに使うから〜。
お願い!!」
王子はいろいろ言いたい気分だったが、レイラの期待を込めた視線に負けてしぶしぶ承諾しました。
ーー次の日。
星くず市場は活気にあふれて、大賑わいです。
レイラたちは、お目当ての星くずたまごを4パック手に入れると、ほかのお店も見て回りました。
星くずクッキーや星くずキャンディのようなお菓子もあれば、星くずアクセサリーなどの装飾品も売られていました。
そのうちの1つに星くず鍵屋があり、そのお店には小さなドラゴンがねじり鉢巻をして叫んでいました。
「星くず鍵屋の鍵は、丈夫やでぇ〜。
簡単にはスペアキー作れんようにしてるから、防犯対策もバッチリやでぇ〜。」
それを聞いたレイラは、小さなドラゴンに声をかけました。
「防犯対策バッチリってほんま!?
最近、うちの喫茶店、泥棒に入られたばっかりやねん!
新しい鍵作りたかったから、作ってくれへん?」
それを聞いた王子はギョッと驚いてレイラに
「泥棒が入った!?
そんな話、聞いてないで!?
被害は!?
なんかされたりしてないんやろな!?」
と詰め寄ります。
レイラはその勢いに驚きつつも、
「だ、大丈夫…。
お金は自室の金庫に置いてるし…。
食材はとられてもうたけど…。」
とオロオロしながら答えます。
王子は、小さなドラゴンに向かって言います。
「簡単に開けられないような、丈夫な鍵を作ってくれ。
お金はいくらかかってもええから、とにかく防犯性の高い鍵を頼む。」
小さなドラゴンはその勢いに驚きつつも、早速鍵作りに取りかかりました。
ゴォと口から炎を出して、青い星くずを溶かし、複雑な鋳型に流し込みます。
「この青い星くずは、なかなか手に入らないやつやねん。
ほんでな、鍵の形が一緒でも、青い星くずで作った鍵やないと開かへんようになってんねん。」
小さなドラゴンの職人技を見て、レイラは感心しながら言いました。
「まだ小さいのに、手慣れてるし、筋がええんやなぁ…。」
すると、小さなドラゴンはフンと鼻で笑いながら
「おいおい、小さいからといって、子ども扱いすんなよ!
体が大きかったら、市場で店、出されへんから、小さくなってんねん!
……ほい、完成。
どや、なかなかの出来やろ。」
小さなドラゴンは、満足そうな顔をして王子に青い鍵を渡しました。
完成した青い鍵を、王子は丁寧に触って確認し、レイラに渡しました。
「ええ出来の鍵や。
……これで、簡単に泥棒に入られたりせえへんよ。
……もし、同じようなことあったら、今度はオレにちゃんと話せ。
わかったな。」
王子の真剣な眼差しに、レイラは少し戸惑いながら、小さくコクリと頷きます。
王子はちょっと笑いながら言います。
「ほな、帰ろうか。
……オムライス、たまご一個多めの作ってくれるんやろ?」
「……うん。
お礼に二個多めにするわ……。」
「それ、めちゃ贅沢やな!」
と言って満面の笑みを見せました。
すると小さなドラゴンが
「よっしゃ!!
今日は店じまいや!
ええ買いもんしてくれたお礼に、家まで送ってやるわ!」
と言って、テキパキと片付けたかと思うと、ムクムクと大きくなりました。
「で、でっか…!!」
ちょっと怯むレイラに対して、王子は目を輝かせます。
「ドラゴンに乗れるなんて夢みたいや!!
レイラ、乗るで!!
こんな機会、滅多にないで!」
王子はドラゴンの背中に乗り、上からレイラの方に手を差し出して、引っ張り上げます。
「しっかり捕まっとけよ〜!!」
ドラゴンはブワッと空に飛び立ちました。
ドラゴンの背中越しに見える景色は、夕暮れに差し掛かり、街の明かりが星のように1つ1つと増えていきます。
「うわぁ……きれいやなぁ……。」
と、レイラが呟くと、王子が嬉しそうに笑いました。
レイラは自分でも驚くほどの心臓の鼓動の速さに、思わず青い鍵をギュッと握りしめるのでした。
おしまい。
