ねぎ多めで【せりふ三題噺】
■セリフ
「ねぎ多めで」
■三題
・牛丼
・金髪
・デッキ
こちらのお題に参加させて頂きました。
よろしくお願いします🙇
ペガサスビールの二代目社長の綾野は、町内会メンバーを自宅に呼んで、『お食事会』をすることにした。
最近入ったシェフの腕がよく、何かとお世話になっている町内会メンバーにも味わってもらいたかったからだ。
シェフの名前はルカといい、日本人とフランス人のハーフで、きれいな金髪と優しいブルーの目をした美しい青年だ。
町内会メンバーがゾロゾロと綾野邸に行くと、ルカが丁寧に挨拶をして、ウッドデッキへと案内しただけなのに
「ここは異国か?」
と思わせるほど、ルカは独特な雰囲気を纏っていた。
『お食事会』が始まると、食材自体は食べたことあるけど、それらが大きなお皿に美しく飾られて出され、味つけも仕組みがさっぱりわからないが、とびきり美味しかった。
いつも飲むペガサスビールが故郷の味のように思えるほどだ。
「こちら、日本の牛丼にインスピレーションを受けて作りました一品です」
ルカが持ってきたお皿には、ご飯と牛肉、玉ねぎ、ねぎがそれは上品に盛り付けられていた。
「これは、厳選された和牛のコンフィに、赤ワインで煮詰めたソテー・ド・オニオン、そしてエシャロットのデクリネゾンを添えて……」
ルカの輝くような笑顔で説明をした後に、メンバーはそれを二口で完食した。
美味しかった……美味しかったのだが…。
『お食事会』が終わり、綾野とルカにお礼を言って、家路につくメンバーだったが、酒屋のケンちゃんがポツリと
「なぁ、牛丼食って帰らへん?」
と言った一言で、みんな足早に昔馴染みのあけぼの食堂に直行。
「女将さん!
牛丼頼むわ!!」
「ねぎ多めで!!」
「汁だくで!!」
「紅生姜もつけて!」
とそれぞれが注文をして、牛丼を堪能した。
次の日のこと。
ルカがケンちゃんの酒屋に日本酒を買いに来た。
「昨日のお料理は、皆さんのお口に合いましたか?」
キラキラとした笑顔で聞いてきたので、ケンちゃんは一瞬、言葉に詰まるが「もちろん!合いまくりよ!」と苦笑い。
「次はよ〜、きつねうどんとか、たぬきそばとかにもチャレンジしてくれや。
どないなんのか楽しみやわ!」
と言うと、ルカはひどく驚いた顔をして
「きつね!?
たぬき!!?
ジビエですか!?
どちらも食べたことないですね…。
日本人の食材の幅には驚かされます…。」
と言うもんだから、慌てて訂正するも、この男ならきつねもたぬきも、オシャレに化けさせられるのでは……?とほんの少し期待をしてしまうのだった。
おしまい。
