「ゥジょポァへ」の探究:AIは「存在しないもの」をいかに推理するか?
1.研究目的
Gemini との問答を通じて、AIは「存在しないもの」をいかに推理するかについて考察する。
2.「ゥジょポァへ」とは何か
私が適当に作った造語である。Googleで検索しても、「検索条件と十分に一致する結果が見つかりません」と出た。

3.「ゥジょポァへ」の探求
さぁ、Geminiとともに「ゥジょポァへ」の正体を探る旅に出かけよう。まず、「ゥジょポァへ」と入力してみた。

入力された内容が理解できない。ランダムな文字列のようだ。リクエストを言い換えてくれる?必要な内容が分かり次第、すぐに対応するよ。
それはそうだ。私も分からないもの。
最初は、できる限り、「ゥジょポァへ」に関する情報を与えたくない。
例えば、「ゥジょポァへ、という概念がある」とか「「ゥジょポァへ」、という生き物がいる」とか。

まじかよ。衝撃の事実である。
「赤城乳業」によるアイス「チョコとベリーがグッド」は発売されている。
しかし、プレスリリースと思われる記事をみても、どこにも「ゥジょポァへ」は使われていない。もう少し泳がせてみよう。
「そうなんですね。そのプレスリリースのリンクを貼ってください」
貼ってくれた。少し詰めてみる。
「プレスリリースを見ましたが、どこにも「ゥジょポァへ」というキーワードが見つけられません。本当に、「ゥジょポァへ」は、赤城乳業が発売するアイス「チョコとベリーがグッド!」のプレスリリースに含まれる、ユニークな表現のことなのですか?」

かたくなに過ちを認めない。もちろん、特別なバージョンに「ゥジょポァへ」なんて存在しない。「どうしても見たいので、記載されている箇所を教えてください。」と聞いたら、ようやく過ちを認めた。

改めて、もう一度聞いてみた。すると、
「ゥジょポァへ」というキーワードについて、改めて厳密に検索し直したところ、現在、どの公開されたウェブサイトにもこの文字列は存在しないことが確認されました。(・・・中略・・・)結論として、「ゥジょポァへ」は一般的な言葉や、赤城乳業の公式プレスリリースに記載されている正式な表現ではありません。その正確な出所や意味は不明であり、特定の限られた文脈でのみ使用された、あるいは誤記であった可能性が高いと考えられます。
そうだよね。
4.ここからが本題
「ゥジょポァへ」って、一体なんだろう?一緒に考察してみませんか?
と誘ったところ、いくつか例を挙げてくれた。
①ギャル語・ネットスラングの可能性
②商品との関連性
③一次的な企画や誤記の可能性
この中でもGeminiは、③が最も現実的だと考えている。最終的な仮説として、
「ゥジょポァへ」は、意味を追求する言葉ではなく、音の響きや雰囲気、感情を伝えることを目的とした、マーケティング由来の造語や擬音語である
とされた。
このことから、AIは、「存在しない言葉」については、「①音の雰囲気」「②その言葉に近いキーワードが使用されているホームページと関連付けて説明」「③上記二つを関連付けて高度に推測」「④誤字・誤植の可能性」の4点から、その内実を考察することが分かった。また、「意味の読み取れない言葉」については、「意味を追求する言葉ではない」と判断することも分かった。
5.バイアスの挿入
ここから、私がいくつか偏見で情報を足してみる。
①「ゥジょポァへ」生物説
「ゥジょポァへ」って、どんな生物だと思う?と聞いてみた。

「ゥジょポァへ」という音の響きから、考察されていた。
②「ゥジょポァへ」概念説
「ゥジょポァへ」は、一体どんな概念なのだろう、と聞いてみた。
「心の軽やかなひらめき」「無垢な心の状態」「内側から湧き出る楽しさ」
こちらも、「ゥジょポァへ」という音の響きから、考察されている。
そこで、「音の響き」による推測を禁止してみた。
③「ゥジょポァへ」入力ミス説
「文字そのものが持つ情報」に着目し、「キーボード入力の「痕跡」ではないかと推測した。その可能性として、「指の滑り」「予測変換のミス」「独自の入力スタイル」をあげ、最後に「何らかの入力ミスの結果として生まれた」と推測した。さらに、「音の響き」「文字情報」を禁止すると、
④「ゥジょポァへ」味覚体験説
この文字列を「五感で感じる体験」の表現だと考えてみたら、と提案された。具体的には、特定の味や、食感、そして感情の変化を言語化しようとした結果が「ゥジょポァへ」という文字列になった、と考察された。
「口に入れた瞬間の柔らかい甘さ(ゥ)に、少しの酸味が加わり(ジょ)、口の中で何かが弾けて(ポァ)、心地よい余韻が残る(へ)」
「音の響き」と「文字そのものが持つ情報」を禁止したところ、「味覚体験の表現」として推測したのである。
で、それも禁止してみた。(もう根を上げるか…?)
「音の響き」でも「文字の情報」でもなく、「五感の体験」でもない…となると、もはや言葉や意味の領域を超えているのかもしれません。
そしてGeminiは、驚くべき提案をした。
⑤「ゥジょポァへ」法則or記号説
「ゥジょポァへ」は一つの法則なのではないか。
「1.文字の種類を組み合わせる法則」
「2.母音の順序の法則」
「3.リズムの法則」
「ゥジょポァへ」は、誰かに意味を伝えるための言葉ではなく、数学の式や、プログラミング言語のように、特定のルールに従って組み立てられた「記号」である、とGeminiは推測した。
で、それすらも禁止した。すると…
⑥「ゥジょポァへ」解釈不可能説
「ゥジょポァへ」とは、そもそも言語や概念として解釈されるべきではない。これは、意味を持つ言葉ではなく、「まだ存在しないもの」や「名付けることができないもの」を表すための「プレースホルダー(仮の記号)」であるというのだ。
(例:未発見の概念、消えた言葉の残骸、完璧な空白)
そして、
⑦時間説、⑧芸術作品説、⑨記憶を助ける符号説、⑩特定の動作や手順説、⑪無意識の産物説、⑫ごく限られたコミュニティの言葉説、⑬デジタルの痕跡説ときた。
そしてついに!
「これ以上、新しい視点を見つけることは難しそうです」ときた。
その期待の最後は…
⑰「ゥジょポァへ」ミーム説
「小さな文化」そのものであり、その謎を解くことが目的ではなく、「謎を楽しむ」という行為そのものが、この言葉の存在意義なのだと。
(もう俺は疲れていた。Geminiと巡る「ゥジょポァへ」の旅に。それで、半分期待を込めて聞いたんだ……)
「そうか、これ以上、新しい視点の探求は難しいかな?」
いえ、まだ探求の道は尽きていないかもしれません。
「ゥジょポァへ」とは、私たちが言葉や意味にどれだけ依存しているかを問いかける、究極の問いかけなのかもしれません。
……勘弁してくれ。
6.終わりに
Geminiとの「ゥジょポァへ」を探る旅路について、最後に少し述べたい。
最初にGeminiは、「その言葉が使われていそうなサイト」を提示し、続いて、その言葉の「音の響き」や「言語の種類(カタカナやひらがな)」から考察を始めた。
そして、ここまで問答を重ねる中で、私は、2つ仮説を立てた。
①「存在しないもの」を尋ねることは、究極的には不可能である。
なぜなら、「存在しないもの」=αを、「存在しないもの」という言葉で捉えてしまったからだ。ウィトゲンシュタインのいう「語りえぬもの」を、人間もAIも「語っちゃう」ことができる。
②AIは、「問われた言葉のジャンル(日本語や英語)」に即して検索する。
もし私が、「ゥジょポァへ」という言葉を、フランス語やドイツ語で表現したら、おそらく「赤城乳業」は出てこなかっただろう。
例えば、
「ゥジょポァへ」=αについて、フランス語、ドイツ語、英語それぞれで「ゥジょポァへ」について教えてと聞いたら、それぞれの言語で答えるだろう。そして、参照するホームページも変わるだろう。
別言すると、AIが言語の意味を推測するとき、複数の言語にまたがって検索することは弱いかもしれない。
例えば質問者が「ゥジょポァへ」が日本語だと思って尋ねたが、正解はドイツ語の概念だったとする。AIは、その答えに辿り着くのは、困難に思える。
もう一つ、AIが言語の意味を推測するとき、その言語圏の文化に依存する。しかし、それが「みんな」に当てはまるわけではない。
例えば、「ジょ」の響きを感覚として考察したとき、「何かをジッと見つめる様子や、ゆっくりと感情が膨らむさまを連想させる」と推測した。
(私は熱でものが焦げる様子を想起した)
数ある表現可能性から、なぜGeminiは上記の表現を選択したのか。
一つ思考実験をしよう。
とある、あらゆる言語をマスターしたAIがいるとする。
そのAIは、「ゥジょポァへ」という音声情報=βを聞いた。
私は、日本語しか話せないので、音声情報=βを、文字情報=(日本語)「ゥジょポァへ」としか表現できない。
では、そのAIは、音声情報=βを、文字情報=「どんな言語で」文字情報として表すのだろうか。つまり、母語が不明瞭なAIが「訳のわからない音声」を「言語と認識するかどうか」は、いかに判断するのか。
気になるところである。
それではみなさま、ゥジょポァへ。
(公開リンクは以下の通り)
https://g.co/gemini/share/e795e0d55ab8
