ポストメリトクラシー:DX時代の人材エンゲージメントを高める能力開発
こんにちは、岡山トヨタシステムサービスです。
「バズワード」とは、特定の分野やトピックにおいて一時的に流行して、頻繁に使われるようになった言葉やフレーズのことです。
これらの言葉は、人々の関心を引くために使われることが多いですが、必ずしもその意味や実際の内容が明確でない場合もあります。ここ数年で耳にした「バズワード」に紐づけて当社取り組みを紹介していきたいと思います。
最後まで読んでいただけたら嬉しいです…!
▼ポストメリトクラシー(能力主義後)とは
能力主義(メリトクラシー)自体は比較的古くからある概念で、ここ数年で「能力主義の限界」や「能力主義の見直し」といった観点から議論されることが増えています。
ポストメリトクラシー(能力主義後)とは、従来の能力主義(メリトクラシー)の限界を認識し、それを超えた新しい評価や組織運営の考え方を指します。特にソフトウェア開発業界において、従来の能力主義的な評価基準の限界を指摘し、多様な能力や貢献の形を適切に評価・活用するための人間中心の価値観を提唱するものです。
▼能力が生む社会問題
ある日、お客様先で作業中に、こんな言葉が聞こえてきました。
「もう少し効率的にできないかな?」
その言葉を聞いた社員は、困った表情をしていました。彼は決して怠けていたわけではありません。長時間働き、精一杯頑張っている様子でした。しかし、その成果は上司の期待に届かず、作業も予定より遅れがちでした。
上司は最初、指導を試みました。でも、同じミスが繰り返されるうちに、だんだんイライラを隠せなくなりました。そしてある日、冷たい口調でこう言いました。
「もう君には任せられない。他の人に引き継ぐから、これ以上は関わらなくていい。」
その社員は一瞬戸惑いましたが、静かに立ち去りました。そして、彼が職場に戻ることはありませんでした。
もちろん、「仕事なんて頑張らなくていい」「所詮は仕事だし」という考えの人も多くいます。それ自体は間違いではなく、人それぞれの価値観です。
しかし、現代社会では仕事の能力がその人の社会的な評価を左右することが多く、仕事で失敗すると自分自身の価値を否定されたように感じることもあります。これは大きな社会問題につながっています。
ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の本『実力も運のうち 能力主義は正義か?』では、成功した人は「自分の努力の結果だ」と思いがちですが、実際には努力だけでなく、恵まれた環境や周りの人のサポート、さらには「運」によって成功できたのだ、と述べています。この本では「能力主義(メリトクラシー)」というシステムが、かつてはうまく機能していたものの、今では失敗した人に屈辱を与え、社会の格差を広げていると指摘しています。
能力だけで人を評価すると、多様な才能を見逃してしまう危険があり、社会全体にとっても良くありません。「お前は無能だ、お前のやる仕事はない、お前の頭は悪い」と言われ続ける屈辱は、冒頭の話に通じるものがあります。
能力主義の基本的な考え方は、「個人の能力や実績によって報酬や地位が決まるべきだ」というもので、一見公平に思えます。でもその一方で、異なる能力を持つ人をさらに追い詰め、社会の格差を広げるリスクも持っています。
IT技術が進化し、AIが多くの仕事をこなす時代だからこそ、人間の多様な特性を活かすことがますます大切になっています。
▼企業の果たすべき役割「人を用いる能力の強化」
私たちの祖先は、学歴や生まれた家庭に関係なく、自分の力で未来を切り開こうと頑張ってきました。今の時代は、家柄や学歴に左右されず、実際の能力が評価される社会になりました。これは間違いなく大きな進歩です。
しかし、能力主義にも問題点があります。例えば、ある社員が「能力が足りない」と評価され、転職先でも同じように評価されてしまうと、その人は働き続けることが難しくなってしまいます。こういう人たちを救う方法はあるのでしょうか?
サンデル教授は「このつらい状況を見過ごしていいのだろうか?」と私たちに問いかけています。
このような人々の価値を認めない社会は、どこかおかしいと感じてしまいます。
しかし、個人の力だけでは限界があります。企業のマネジメントこそが、この問題の解決策を持っていると考えます。
企業には、ただ優秀な人材を採用するだけでなく、異なる能力や特性を持つ人々も活躍できるようにする責任があります。経営学者のピーター・ドラッカーが言うように、苦手なことを無理に改善しようとするのではなく、その人の強みを活かすことが大切です。企業が人を活かす力を持つことで、組織全体が成長します。
ここで強調しておきたいのは、組織を成長させるために必要なのは、従来の基準での「優秀な人材」の採用だけではないということです。むしろ大切なのは、多様な能力を持つ人たちが活躍できる環境を作り、彼らの可能性を伸ばしていくことです。
AIやテクノロジーが急速に進化する今だからこそ、「人を活かす能力」を企業が強化し、すべての社員がそれぞれの特性を活かして活躍できる環境を整えることが求められています。
すべての社員がそれぞれの特性を認められ、活躍できる職場づくりは、個人の幸福だけでなく、企業の持続的成長と社会全体の豊かさにつながるのです。そして、それは企業が社会の一員として果たすべき責任でもあると考えます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いしましょう。
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