【宝物3割・黒歴史7割】①:事実しか言えない「大須」の悲劇
日曜日のお供に、ちょっと特別な企画をご用意しました!普段は日々のレッスンでの失敗談をお届けしていますが、6月は【日曜限定】で私の「過去ノート」を大公開する、全4回の連載をスタートします。宝物であり、黒歴史でもある私の予習ノートの数々を、一緒に楽しんでください!
50代になり、少しずつ身の回りのものを断捨離しています。そんな中、本棚の奥から「あるもの」を引っ張り出しました。

これは、私が英会話を始めた頃に書いていた「予習ノート」です。オンライン英会話のレッスン前に、言いたいことや単語をびっしりと書き込んでいた、私の努力の結晶なのです。

久しぶりにこの分厚い束の中身を読んでみて、思わず一人で笑ってしまいました。 今の私にとって、このノートたちは「宝物30%、黒歴史70%」です(笑)。
今日は、そんな私の黒歴史ノートの中から、英会話歴2ヶ月頃のページを少しだけ公開しちゃいます。

教材にあった「あなたの地元の好きな場所はどこですか?」という質問に対する、当時の私の回答メモがこちらです。
My favorite place is Osu. There are a lot of shop and restaurant. I often go to shopping. (私のお気に入りの場所は大須です。お店やレストランがたくさんあります。よく買い物に行きます。)
……いや、事実の羅列!!
過去の私に全力でツッコミたい。 「お店がたくさんある」って、どんなお店だよ!美味しいの?珍しいの? 「買い物に行く」って、何を買ってるんだよ! これじゃあ、情景も感情も全く相手に伝わらない、「教科書通りのロボット」です(笑)。
当時の私は、「英語で正しく答えること」に必死で、会話を楽しんで情景を共有するという余裕が1ミリもありませんでした。
■ 私を変えた、2人の同い年ティーチャー
そんな「台本ガチガチ・事実報告マシーン」だった私を救ってくれたのは、当時習っていた2人の同い年ティーチャーでした。
一人は、日本人の女性講師。英会話歴2ヶ月の頃だったので、当然ですが日本語でこんな目から鱗のアドバイスをくれました。
「1つ質問されたら、3つ文章を考えて答えなさい。そして最後に『あなたはどう?』って聞き返しなさい。それが会話というものだよ」
もう、雷に打たれたような衝撃でした。ただ質問に答えるだけじゃダメなんだ。言葉のキャッチボールをして初めて「会話」になるんだ、と。
そしてもう一人、イギリス人の女性講師からの言葉が、私の「台本ノート」にトドメを刺しました。多分英会話を始めて1年ぐらい経った時のある日のレッスンのことです。
「ディスカッションの答えを事前に紙に書くのはやめなさい。だっておかしいでしょ?カフェで友達とおしゃべりするのに、メモ持参で話すなんて。その場のノリでいけばいいのよ。文法とか発音なんて気にしないの。熱意でどうにかしなさい!」
これは、英語でのアドバイスでした。ちゃんと英語で理解できたことが嬉しい反面、痛いところをつかれたな、恥ずかしいな、という感情でいっぱいでした。
それにしても万国共通、同い年の女性は遠慮がありません(笑)。でも、この愛のある一刀両断で、私はハッと目が覚めました。
「間違えないように」と握りしめていたこの重厚なノートは、実は私が会話を楽しむための「足かせ」になっていたんです。この日を境に、私は教材に事前に回答を書き込むのをやめました。
もちろん、予習自体は今でもしっかりします。レッスン前は知らない単語を調べたり、デイリーニュースの記事を音読したり、記事に関することを色々とネット検索したりして準備を整えます。ただ、「台本を作る」ことは手放したのです。
■ 「熱意」だけで語り合える現在地
それから数年。ケビン先生とのレッスンも1200回を超え、今も日々脳がパニックを起こしながら、等身大の失敗図鑑を更新し続けています。
実は今でも年に1回、あの「熱意で話しなさい!」と喝を入れてくれたイギリス人の先生のレッスンを受けています。 お孫さんが7人もいるパワフルなおばあちゃんなのですが、コーヒーや音楽フェス、舞台観劇が好きなど、私と共通点がたくさんあるんです。
最近レッスンを受けた時、彼女は私が選んだ教材を見るなりピシャリと言いました。 「あなた!なんでこんなレベルの低いデイリーニュース選ぶのよ!」
昔の私ならタジタジになっていたでしょう。でも今の私は、手元のメモを一切見ずに、笑いながらこう言い返せました。 「だって、このニュースで話したかったんだもん!」
「なら、いいわよっ」と笑う彼女と、お互いが大好きなミュージカルの衣装や歌について、ロックフェスティバルのことなどを台本なしで、熱意だけで語り合う時間。
あの「大須にはお店があります」と棒読みしていた私が、間違えながらも自分の感情を乗せて、先生と言い合いをして笑い合っている。
文章は長く複雑になったのに、伝えたいことは昔よりずっとシンプルに、相手の心に届くようになっている。それが何よりも嬉しい成長の実感です。
だからこれからも、完璧は目指しません。 「カフェで友達と話すように」、熱意とノリで英語を楽しんでいこうと思います。
【次回予告】
次回は、B5ノートに言いたいことが収まらなくなった「餃子の秘密編」をお届けする予定です。

あふれ出る表現欲求と戦った記録を、どうぞお楽しみに!
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