ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム from 1989
漫画、アニメ、ゲームという、いわゆる「おたく文化」の産物について、紹介した本です。
一九八九年から、二〇一五年現在に至る作品を、取り上げています。漫画、アニメ、ゲーム、合わせて約150点の作品が載っています。
なぜ、一九八九年からかといえば、その年は、漫画の神さま、手塚治虫先生がなくなった年だからです。昭和が終わった年でもありますね。日本にとって、大きな時代の区切りとなる年でした。
自分が「おたく」であると自覚している人にとっては、本書は、有用でしょう(^^) 懐かしいあの作品や、今まさに楽しんでいるこの作品などが、客観的に紹介されているからです。
本書を読むことは、自分が、何を好んできたか、どういう時代とともに歩んできたかを、振り返る機会になります。
巻末の「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム*テクノロジー*社会*文化の60年史」は、必見です。この年表は、「おたく文化」研究において、たいへん貴重な資料ですね。
この年表のためだけにでも、本書を買う価値はあります。
本書に載っている作品は、誰もが知る有名作品ばかりではありません。
中には、「えっ? これを取り上げるの?」と驚く作品もあります。
けれども、丁寧な解説を読めば、その作品が取り上げられた理由がわかります。
本書は、国立新美術館で、二〇一五年六月現在、開催中の『ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム』展の関連書籍、ということになっています。
展覧会の図録ではありません。あくまで、関連書籍です。
私は、展覧会にも行きました。展覧会で紹介されている作品と、本書で紹介されている作品とは、必ずしも、一致しません。ことに、漫画作品は、差が大きいです。
とはいえ、展覧会を見て、本書を読めば、より楽しめることは、間違いありません(^^)
以下に、本書の目次を書いておきますね。
はじめに
MANGA[マンガ]
マンガ史1989-2015 中野晴行
CONTEXT_01 手塚からの継承、発展
CONTEXT_02 「記号」から「絵」への回帰
CONTEXT_03 ジャンルが細分化される流れ
CONTEXT_04 00年代の新しいヒーローたち
CONTEXT_05 ゲームやアニメからの影響
CONTEXT_06 女性作家による表現の深化
CONTEXT_07 テクノロジーの影響
CONTEXT_08 現実と虚構のあいまい化
CONTEXT_09 海外マンガ表現との融合
CONTEXT_10 社会世相の影響
ANIME[アニメ]
アニメ史1989-2015 氷川竜介
CONTEXT_01 マンガ的創造力の拡張
CONTEXT_02 作家性の深化
CONTEXT_03 SF的創造力
CONTEXT_04 美少女の変化――戦闘から日常へ
CONTEXT_05 デジタル手法とテクノロジーの深化
CONTEXT_06 ネット発アニメと個人制作アニメ
CONTEXT_07 同人アニメ――送り手から受け手へダイレクトに
CONTEXT_08 ゲーム的要素の導入
CONTEXT_09 現実との相互影響
CONTEXT_10 現実を先取りするアニメ
GAME[ゲーム]
ゲーム史1989-2015 さやわか
CONTEXT_01 対戦――コミュニケーションツールとして
CONTEXT_02 シミュレーションゲームからデータベース的なキャラ物語へ
CONTEXT_03 3D表現の展開と完成
CONTEXT_04 ステージになったゲームセンター
CONTEXT_05 物語性の到達点
CONTEXT_06 ネットゲームの拡散
CONTEXT_07 カジュアルゲームの台頭
CONTEXT_08 同人、二次創作ユーザーに開放されていくゲーム
CONTEXT_09 プラットフォームとしてのスマートフォン
CONTEXT_10 生活空間と同調するゲームへ
COLUMN
01 マンガからアニメへ
マンガ的/アニメ的の区別を越えて――描き文字と画面分割 三輪健太朗
02 アニメからマンガへ
アニメのセル画的彩色の系譜 渡邉大輔
03 ゲームからマンガ・アニメへ
「勇者と魔王」をめぐる関係性、その他の定型 石岡良治
04 キャラクター
キャラクターの越境/キャラクターの分裂 岩下朋世
ESSAY
日本のCGアニメーションは、なぜ独特なのか? 大口孝之
メディアの横断と物語の変容 大橋崇行
インターネット以降のマンガ*アニメ*ゲーム 宇野常寛
ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム*テクノロジー*社会*文化の60年史
巻末付録 ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム from 1989_人名一覧+作品年表
