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読書感想文 おれたちの歌をうたえ

ネタバレ、あらすじありの読書感想文です。

タイトル おれたちの歌をうたえ
作者   呉 勝浩
出版社  文芸春秋

あらすじ

元刑事で現在はデリヘルの運転手をしている河辺のもとに幼馴染佐登志の死の知らせが入る。知らせた男はチンピラのような若者茂田。茂田は佐登志が隠し財産を残していると信じ、残された暗号を読み解けばそれが手にはいると思っていた。河辺は茂田と暗号を解き明かすことにする。
河辺と佐登志、キンタとコーショーとフーカ、幼馴染の5人は子供の頃過激派を見つけて「栄光の五人組」と呼ばれていた。だが、彼らが高校生の頃、フーカの姉千百合さんが殺され、父親は犯人を射殺した。だが、射殺された人物は犯人ではなかった。
暗号を解き明かす流れで過去の話が語られ、今はバラバラの幼馴染の真実が明らかになっていく。
暗号を解けるのは河辺だけ。隠し財産にはヤクザもかかわってきて河辺と茂田はヤクザに狙われるはめに陥るが……
暗号は解けて、財産は手に入るのか?

感想

主人公河辺が同年代なので、子供の頃の流行り物や少年たちの遊びには私自身懐かしさを感じた。
なんだかすごいハードボイルドなんですよね。男くさい物語。
河辺と茂田、若き日の河辺とセイさん。年の離れた男同士が友人のような父子のような感情を抱きながら素直になれずに対立する図。
河辺たちは、中学生にいたずらした男たちに制裁を加える乱暴な高校生でありながら、文学に興味を持ち、暗号には文豪の書く文章がかかわっている。
少年少女の頃の恋心が、老年になってもどこかに残り続ける甘酸っぱさ。

魅力的な登場人物ばかりだけれど、「暗号解読して財産見つける」物語としては最後がピンとこないし、そんな訳のわからない話にやくざが本気で関わって来るのも解せないし、若き日の思い出の話だとすれば中途半端だし、男の生きざまを語るというには河辺も佐登志もさんざんな人生だし、最後優雅に登場するフーカの人生は想像がつかないし。
私の頭が悪いせいで、暗号を解き明かされてもあまり意味が解らないし。
分厚くて長いお話を、文章力で最後まで読み進めさせる力業には敬服するけれど、読み終わってあまり残るものがないのは、なぜなのだろう?

私が、女だからだろうか?
ハードボイルドは、女の琴線を震わせないのだろうか?

なんだか煙にまかれたように感じる読後感でした。

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