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舞台感想 ミュージカル「モーツァルト!」

ミュージカル「モーツァルト!」を見てまいりました。


モーツァルトを主人公にしたミュージカル

といえば、
2019年に星組の新トップコンビ礼真琴と舞空瞳のお披露目公演として
フレンチ・ミュージカル「ロックオペラ モーツァルト」を観劇しました。
こちらは、ドーヴ・アチア氏によるフランス発のミュージカルです。
あと、OSKでも見た覚えがあります。
心斎橋大丸の劇場だったかと記憶しておりますが……シラベテミルト……
「Salieri&Mozart~愛と憎しみの輪舞」ですね。

どちらも、モーツァルトとサリエリの対立や葛藤を描いていました。

さて、今回拝見した「モーツァルト!」は違います。
あの名曲「僕こそ音楽」「ダンスはやめられない」などが歌われる、ウィーン発ミュージカル。
まあ、とにかく曲が良い!!!曲が良い!!!

ずっと観たいと思いつつ、観る機会がなかったのですが、私の大好きなまあやがコンスタンツェを演じるとなれば、観るしかないでしょ!!

ストーリー

5才にして作曲したり、目隠しでピアノを弾くヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトは「奇跡の子」としてザルツブルグの貴族の間で大人気。父親のレオポルトは売り込みに熱心です。
だが、成長したヴォルフガングは、自由を求め、コロレド大司教に仕えることに嫌気がさしています。父レオポルトはそんなヴォルフガングと対立してしまいます。
そして、ヴォルフガングは母と一緒にパリへと行ってしまいます。
だが旅先で母は病死し、お金も使いはたし、ザルツブルグに戻ることになりました。
彼の音楽の才能を認めているヴァルトシュテッテン男爵夫人はウィーンで音楽活動ができるように取り計らいます。
彼は、そこで、ウェーバー家の娘コンスタンツェと恋仲になり、大司教の邪魔をものともせず作曲活動に邁進するのでした。
彼のお金を目当てにコンスタンツェの母親は結婚をせまります。
コンスタンツェと結婚したヴォルフガングは、仕事や遊びに忙しく、二人の間には溝ができはじめます。
そして、父レオポルトや姉ナンネールとも疎遠になっていきます。
オペラ「魔笛」の大成功のあと、謎の人物が彼に「レクイエム」の作曲を依頼します。
ヴォルフガングの傍に常に寄り添う才能の化身「アマデ」と共に彼は「レクイエム」の作曲をしようとするのですが……

キャスト

私が観た日のキャストはこちら
ヴォルフガング・モーツァルト 古川雄大
コンスタンツェ  真彩希帆
ナンネール    大塚千弘
ヴァルトシュテッテン男爵夫人 香寿たつき
コロレド大司教   山口祐一郎
レオポルト    市村正親
アマデ      白石ひまり
セシリア・ウェーバー  未来優希
エマヌエル・シカネーダー 遠⼭裕介
アントン・メスマー 松井 ⼯
アルコ伯爵   中⻄勝之
アンサンブル
朝隈濯朗 安部誠司 荒木啓佑 奥山 寛 木暮真一郎 後藤晋彦
田中秀哉 西尾郁海 廣瀬孝輔 港 幸樹 山名孝幸 脇 卓史
彩花まり 池谷祐子 伊宮理恵 樺島麻美 久信田敦子
鈴木サアヤ 原 広実 松田未莉亜 安岡千夏 柳本奈都子

まあやだけではなく、香寿たつきさん、未来優希さん、彩花まりさんが宝塚出身の方ですね。
ご卒業後もミュージカルで活躍なさるOGさんがいらっしゃると嬉しい~

感想

幕開き、モーツァルトの墓を探す男と老いたコンスタンツェが現れ不穏な空気が流れます。
が、一転、物語は5才のヴォルフガングがもてはやされてる華やかな貴族の世界へ転換します。
この華やかさが、ミュージカルの醍醐味って感じですよね。

この5才のヴォルフガングは才能の化身アマデとして、常にヴォルフガングの傍にいて作曲を続けます。
ヴォルフガングにしか見えないアマデを演じるのは子役である白石ひまりさんですが、人ではない存在を見事に演じているなあと感心しました。
感情とか生気を感じさせないけれど、ロボットではない才能の化身。
いやあ、難しい役だと思いますが、大したものです。

そして古川さんのヴォルフガング。
彼だけが現代風のお衣装なのも、面白いですよね。ダメージデニム履いているんですよ。18世紀のオーストリアの物語であるけれど、それくらいぶっ飛んでいたって感じなのでしょうかね。
でも、貴族にしか着れないコートを羽織ってみたり、どこか権威に憧れる部分も持っていたのかしら?と思わせる演出です。
とにかく、いつまでも子供。むしろ大人になりたくないと思っているかのような幼さにあふれています。その明るさややんちゃっぽさがとっても魅力的です。はじけるような反骨心が眩しいくらいです。
歌は素晴らしいですね。正に「僕こそ音楽」です。
彼は、父親も、母親も、姉も、コンスタンツェも、愛しているんですよ。でも、天才ゆえの孤独感も抱えていて、バカ騒ぎで気を晴らしている。周りから見ればめちゃくちゃでも、本人はめちゃくちゃであることにも気づけない。天才ゆえの傲慢さも仕方がないのかもしれません。彼の理解者はアマデだけだったのかも。

対する山口祐一郎さん演じるコロレド大司教。
こちらは、権威と支配欲の権化のような存在です。
もう魔王のような存在感で、人間でありながら支配欲の化身でもあるかのように感じました。

市村正親さん演じる父レオポルト 。
こちらは、人間っぽいですね。金や名誉も欲しいけれど下品になりきれない。でも、自己中心というわけではない。息子のことが心配で仕方がない愛情深い父親なのに、息子の気持ちによりそうことはできない。
命じることで息子が危機を回避できると信じていて、対立を生んでしまうのです。
昭和の愛情表現の下手ながんこ親父みたいな、不器用な父親です。

山口さんと市村さんは初演からずっとなんですね。驚き!
手慣れたベテラン感が、あまりにも安定していて、なんか大味に感じたのは私だけでしょうか?
私は今回が初見なので、ずっと見ておられる方は色々な変化を感じておられるのかもしれません。

香寿たつきさん演じるヴァルトシュテッテン男爵夫人。
この作品では、母親がさらっと死んでしまうので、男爵夫人が母性の象徴のように感じました。
ヴォルフガングの才能を見つけだし、素晴らしい音楽を生み出すことを応援する存在。朗々たるお歌が感動的でして、さすがの貫禄です。

大塚千弘さん演じる姉のナンネール 。ヴォルフガングを案じるいちばんまともな人間って感じのナンネール。とっても可愛いお声の方で、とっても可憐に見えました。

未来優希さん演じるウェーバー家のお母さん。
こちらは、欲と金目当ての下品さがお見事です。ウェーバー家は貧乏ではなくて、贅沢するお金に困っている家らしいです。じゃらじゃらと身にまとっていても、まだまだ足らない。物欲の権化のような存在が、もう、清々しいくらいです。

そして、そして、私の贔屓
真彩希帆さん演じるコンスタンツェ ですよ。
先日、東京の公演が機材トラブルで中止になった日に、まあやはインスタライブをして下さいまして、ちょっとだけコンスタンツェの役作りについて話して下さいました。
この話が本当に面白くてですね、もう「ダンスはやめられない」で号泣ですよ。嗚咽!
怒りの歌かと思っていたら、こんなに悲しい気持ちを歌っていたなんて……
もちろん、演者によって役の解釈は色々だと思いますが、私はまあやの演じたコンスタンツェがめちゃくちゃ好きでした。
天才の妻として、夫のミューズでありたいと願う気持ちが、行きたくもないダンスに行ってしまうんですよ。そんな行為が夫との間に溝を作っていることに気づきながらもやめられない。そして、帰ってくると夫は仲間たちとバカ騒ぎをして部屋を散らかしたままどこかに行ってしまっている。
まあやのコンスタンツェは、夫が好きで好きで、でもその気持ちが空回りしてしまう悲しさや怒りでいっぱい。
もう、その切なさ、激しさ、やるせなさ。
すっごく良い! もう、体震わせて嗚咽です。
まあやが演じると役が生き生きとして、立体感を持って見えるのが素晴らしいです。

初めてヴォルフガングに出会った時の表情も素敵ですよ。「母と来た」っていうヴォルフガングに「うわあ、素敵~」って顔を輝かせるまあやの表情が可愛い。金と欲にまみれたウェーバー家では感じられない母と息子の関係に憧れてしまったコンスタンツェの脳裏にヴォルフガングの存在が刻み込まれた瞬間を一瞬で演じてしまうまあや。
一座で演じるまあやのお衣装も可愛いし再開を喜ぶ姿が愛おしい。
でも、愛しあうようになって、妻になって、彼女の可憐さが闇をまとっていく変化がね、見事です。
女の影に嫉妬するコンスタンツェとヴォルフガングの間の溝が悲しいけれど、やけに納得してしまったりもします。
老いたコンスタンツェの中に、ヴォルフガングへの想いが残り火のように存在しているようにも感じられました。

本当に見ごたえのある作品で、楽しめました。

わからなかった部分

でも、一回ではよくわからなかった部分もありますね。
男爵夫人にもらったというアマデが持っている小箱。
これは、何かの象徴なのでしょうが、何なのでしょう。
「音楽」そのもの?

アマデが作曲をするときに羽ペンを使うのですが、白い羽根ペンと赤い羽根ペンがあるのですよね。どんな違いがあったのかしら?

これは、二度目の観劇の時に、もう一度しっかり観たいなあって感じました。

次回は、涼風真世さんが男爵夫人をされるので、その違いを観るのも楽しみです。

海外ミュージカルはストーリーを説明しないので、自分で色々想像して観ることができて、楽しい~

過去の舞台感想はこちら

宝塚OGさん出演の舞台感想はこちら
宝塚OGさん出演 舞台感想まとめ|おとぼけ男爵 (note.com)

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宝塚歌劇 舞台感想まとめ|おとぼけ男爵 (note.com)

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