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読書感想文 店長がバカすぎて

まだ読んでない方に書店の推薦コメント風にお勧めするなら
「店長、小説家、勤務先の社長、出版社の営業、お客様。書店スタッフ京子の周りの人間は、バカばかり。本当にバカすぎたのは、誰だったのか?抱腹絶倒、人前でのケタケタ笑いに要注意」

完全ネタバレ、あらすじありの読書感想文です。

タイトル 店長がバカすぎて
作者   早見和真
出版社  角川春樹事務所

2020年本屋大賞9位の作品です。

あらすじ

 武蔵野書店吉祥寺本店で契約社員の谷原京子は今日も店長の山本猛にイラついていた。
「やる気のないスタッフにホスピタリティを植えつける、できるリーダーの心得77選!」というビジネス書に絶対の信頼をおき、毎日朝礼で訓示を垂れるバカ店長山本の存在は、京子の敵である。
尊敬する小柳先輩の存在だけが、京子が店をやめないでいる理由だ。
だが、社内不倫で小柳はやめてしまい、店長は人気作家大西賢也のサイン会を開くと息巻いている。
が、大西賢也は覆面作家であることも知らないバカ店長なのだ。
 かわりに京子が好きな富田暁先生のサイン会をするという店長。京子は富田先生のデビュー作が大好きだが、先生の作品は徐々に質が下がり新刊「つぐない」はつまらない。だが、サイン会に現れた富田先生は文芸担当のスタッフに感想を聞く。否定的な感想を口にできない雰囲気の中店長は言う。
「思ったままをいって下さい。すべての責任は私がとります」
否定的なコメントを口にしたスタッフに富田先生は怒るが、それに対して店長がとった行動は? 小説家もバカなのか。
 武蔵野書店社長は、本の売り上げが悪いからと売れない雑貨を置くバカ社長だ。酔っぱらってライバル書店に行き万引きを疑われ、京子と店長が呼び出されるが…… 社長もバカなのか。
 出版業界大手の往来館の営業は武蔵野書店を見下している。最年少バイトの木梨さんが往来館に就職した。給料も立場も上になる木梨さんは京子を尊敬しているというが、京子は複雑な気持ちだ。だが、本当は往来館も武蔵野書店も同じ方向を見て良い本を売りたいという気持ちに違いはないことに気づき正社員になりたいと店長に言おうとするが、店長はすべてわかっていると京子の全部を言わせない。そして、会社が協賛するケーブルテレビののど自慢で店長は京子を応援して熱唱するのだった。往来館営業の木梨さんはそんな店長をうっとりと見ていた。 営業もバカなのか。
 お客様は神様です。武蔵野書店に現れる、困った神様に悩まされる京子。顧客のマダムはそんな京子を思いやってくれるお客様だ。マダムと飲むことになり京子の実家の小料理屋に行くと、常連の石野さん、店長と遭遇する。するとマダムは突然泣き出してしまう。 お客である神もバカなのか。
 富田先生は心を入れ替え素晴らしい新作を発表する。そして、覆面作家大西賢也の新作は驚くべき内容だった。
大西賢也の正体は? そして、店長が傾倒していたビジネス書の著者は?真相が明らかになると、結局私がバカすぎたのか?

 抱腹絶倒、笑える楽しい物語です。

感想

 一気読み。ケタケタ笑いながら読んだので、外出先で読む方は要注意です。変な人に思われます。
 いやあ、書店の店員さんって本当に大変なお仕事なのね……
 そして、ほとんどの本は図書館で借りて、たまに買った本も読み終わったらすぐにメルカリにだしてしまう私など、最悪の客ではないですか。
 いやあ、反省しちゃうなあ。でも、収納できないのよ……

 小説教室で小説家になるぞーと息巻いている私に、職業作家である先生達は言います。
 「本が売れない時代ですからねえ。仕事辞めて作家専業とかお勧めしませんから~。コミカライズとか映像とかされないとねえ~」
 いやいや、夢見ている生徒になんちゅうこと言うんだと思いますが、本当にそのようで、なかなか小説だけで生活なんぞできないようです。

 でも、こんなに良い作品を求め、それをお客さんに広めたいと愛と熱意をもった書店員さんのお話を読んでいると、こんな方のお目に留まる作品をいつかは書きたいなあなどと、夢見てしまうのです。

 とても読みやすい文章で、共感できる内容で、最後はどんでん返しもあって、めちゃくちゃ面白い。
 これで本屋大賞9位なのかと思うと、いつかは作家になどという自分の老後の目標があまりにも無謀なものに思えてへこんじゃいますが、私もこんな楽しいお話書いてみたいなあ……と夢見ることもできるのです。

 とても楽しい作品でした。


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