読書感想文 空貝
まだ読んでない方に書店の推薦コメント風にお勧めするなら
「大祝家の姫である鶴は、巫女でありなが弓の名手。海賊に赤い巫女と恐れられる美女である。正体を隠して鶴に近づく軍師安成は鶴を弄ぶつもりが本気の恋に落ちる。だが、鶴は安成の仇の娘だった。二人の恋の行方は? 巨大な敵大内家との戦いはどうなる?」
ネタバレ、あらすじありの読書感想文です。
タイトル 空貝
作者 赤神諒
出版社 講談社
以前、小説教室の公開講座で赤神諒さんのお話を聞いたので、どんな作品か読んでみようと買ったまま、図書館本の返却締め切りに追われて全然読めていなかった。やあっと、読めました。
あらすじ
瀬戸内で争い続ける大内家と大三島水軍。数では大内家が完全に有利だ。だが、大三島水軍を率いる大祝家には、優秀な軍師越智安成がいた。
大祝家の姫である鶴は、巫女でありながら弓の名手。女でありながら戦いにでる。海賊には赤い巫女と恐れられている。だが、鶴の尊敬する兄安房は大内家との戦いで命を落とした。軍師の安成を責める鶴姫は、安成を謹慎させ軍を率いる。しかし、勝利の為には安成の戦略が必要だった。
徐々に安成を頼りとする鶴姫。戦いを通して二人は恋に落ちる。周りの反対を押し切って結婚しようとする二人だが……
だが、安房を死に追いやったのは安成だった。安成は親の仇、大祝家に復讐しようとしていたのだ。
正体が明らかになった安成は捕えられ、処刑される。
だが……
感想
村上水軍とかって聞くと、以前読んだ「村上海賊の娘」が頭に浮かびます。いや、景はかっこよかったなあ。それはおいといて……
こちらは、大三島の鶴姫伝説を元にしたお話です。とにかく、鶴姫と安成が、絶世の美女と美男に描かれているので、恋物語的には、きゅんなのですよ。美男で遊び人、抱いた女は数知れずの安成、最初は復讐の為に鶴姫を弄んで傷つけようと近づくのに、本気の恋に落ちてしまう。気が強いが初心な姫君は、かわいい嫉妬もします。身分違い、仇の娘、鶴姫の政略結婚など、二人の間には壁が立ちはだかり、まさにロミオとジュリエット。
一方、勝ち目のない大内家相手の戦いは、和睦か戦いか? 近しい人物の裏切りと策略。そして、安成の処刑……ま、残りのページを見ると死んでないよね。でも……ハッピーエンドにはなりませんわね。
どうも赤神諒さんのブログを読んでおりますと、越智という伊予の神官の出らしく、安成はご先祖様?!ってことです。
なるほど安成のスーパーヒーローっぷりに納得ですね。
ただ、恋愛小説? 歴史小説? 戦闘物? なんか混ざりすぎていて全体の印象が薄くなってしまった気がします。
でもね、ヅカオタとしては、宝塚の舞台原作にしたら面白いんじゃない?って勝手に思っておりましたが……だって美男美女の主人公に、登場人物が多いからお役に困らない。敵の寝首を搔く為に遊女に変装した鶴を安成が潜り込ませ、相手に逆襲されて鶴が危機一髪!なんてシーンはヅカオタ大好きじゃないかと勝手に想像してニタニタしております。
でも、小説教室の生徒としては思うんですよ。
これくらい書けなきゃ、小説家になんぞなれないんだなあ……
私にそんな日は来るのかな……?って
