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舞台感想 宝塚歌劇 雪組 オデッセイ~The Age of Discovery~

ドラマシティの「心中」中止、東京「巡礼の年」の初日延期と暗いニュースが続く中、それなりに覚悟を決めてムラに向かった二日前。
JRの中で、ライン通知が……
「ああ、きたか」きっと悪いお知らせだと思いつつ、
「ギャツビー」の中止案内を茫然と眺めました。
結構覚悟はしていて、万一の場合は大阪市立美術館のフェルメールか、中之島美術館の岡本太郎でも、鑑賞して帰ろうと計画を立てていたので、さて、行き先変更をすればいい……はず……
でも、「覚悟」と「現実」って違うものですね。
気持ちがなえてしまって、行く気がしない。
結局、そのまま帰宅しました。
そして、必死に祈りました。
「明日のオデッセイ、無事出航しますように」
そう、翌日はオデッセイ鑑賞予定だったのです。

そして、昨日つまりオデッセイ当日。朝から、ライン通知がないということは、11時半公演は無事に始まっている。
よし! ソワレに向かって出航だ!
JRの中で、ライン通知が……
ぞわわわわわ……
絶望的な気持ちで見たら、「心中」の文字
よかったああああああああ
あー、よかった! あー、ほっとした!

心から安堵して……ん? 心中?
ツイッターを見ると、「心中」を待ち望んでいた方の嘆きが……

ああああ、ごめんなさい、ごめんなさい。
こんな私を叱って下さい。
自分のことしか考えていませんでした。

でも、「今後はグループ内に感染者が出ましても公演を実施する場合がございますので、何卒ご了承賜れますと幸甚に存じます」としたジャニーズ事務所のようにエンタメの公演基準も変えていかなければ、エンタメの灯は消えてしまう。本当に、見直すべき時期にきていると思います。

さて、前置きが長くなりましたが、オデッセイの感想を!

これは東京国際フォーラムで上演予定だったものが、コロナで中止となり、今回梅芸で上演できることになった作品です。
なので、退団なさった綾 凰華さんや「心中」出演の和希そらさんや諏訪さきさんがいらっしゃいません。
なので、彼らの役は他の出演者に割り振ったのでしょうね。

まず、全体としてはもりだくさんなショーで、とても楽しかったです。

スクリーンにオデッセイの文字が写され、時折水しぶきが見え、波音がする。いざ、航海へ!
もう、ワクワクがとまりません。
そして、幕が開くと、女たちのシルエット。
中央にライトが当たると
美穂圭子様!
美穂様の美声に美女たちが踊る。くわああ、たまらん。
そして、咲ちゃん登場。
役名ブルーム。咲くってことね。

なんか、スター感がすごくって。オーラがすごい!

「おらあ~」って田吾作な夢介から、こうなるのか?
タカラジェンヌの偉大さを改めて感じさせてくれる、咲ちゃん。

今回は、眞ノ宮るいさん、縣千さん、華世京さんの三人がかなりポイントとなる役どころを演じています。きっと、あやなちゃんとかそらくんとかの役だったのかなあと想像しますが、私はフォーラム版のプログラムを持っていないのでわかりません。でも、これから期待の方々ですから、とても良い経験をしていると思います。

ジェンヌさんがみんな出てきて、歌い踊る頃には始まったばかりなのに、
胸アツ
ああ、よかった、幕が開いて本当によかった。
皆が元気に演じていて本当によかった。

コロナのせいで、幕が開いたことだけで、こんなに胸が熱くなって、泣きそうになるって……当たり前のことなんて何もないのだなあって思います。

そして、「皆さんも一緒に踊りましょう!」
客席のライトもついて、皆でフラッグを持って踊ります。
おばちゃんだって、踊りますよ。スカステ観ながら練習したからね。(夫に何してんの?と不審がられながら)
グッズを持って、皆で踊るの好き! ほんと、楽しい!

そして、船はニューヨークに。
クラブの入り口に、ドアボーイ(縣さん)がいて、ノバボサっぽいやり取りが繰り広げられます。
そして、ニューヨークのクラブ。三井聡さん振り付けのこのシーンは見どころの一つでしょう。
海賊のロン毛を無造作に束ねた咲さまのタキシード姿が素敵。
群舞の素晴らしさ、美穂様のお歌の素晴らしさ、大満足のシーンでございます。

そして、船は中国、スペイン、アラビアへと航海を続けます。
中国では眞ノ宮君演じる美女、スペインでは縣君演じるカルメン、アラビアでは華世君演じる囚われの王妃が出てまいります。
三連続、男役の演じる女役。

男役の女役ってなんだか、背徳感があって好きなんですよ。
でも……
がっつり女で踊るし歌うってシーン、わりと濃いめの絡みもあるのが3シーンも続くと……なんか、もう、いいかな……

これは個人的な意見ですが、若手の男役には、男役としての経験をつませてあげて欲しいって感じます。
男役のする女役って、若手にとっては難しいのではないでしょうか。どこかに、「照れ」が見え隠れしてしまう……だから、もっと男役として完成してから、させてあげて欲しいなって思います。
いえ、三人ともそれぞれに好演なんですよ。でも、私はもっと彼らの「漢」な姿が見たかったです。
でも、男役として完成された上級生がなさる女役っていうのは、一周回って素晴らしい!今回も、男役が演じる女役なら二幕で久城あすさんがなさったリオの女が一番好きでした。

そして、船は地中海に到着し、華やかに一幕終了。

二幕も、幕開きは、美穂様、きわちゃんの綺麗どころ。美穂様の存在は、もう、本当に偉大でございます。
カンツォーネのメドレーのあと、じゃじゃーん!!!

咲様のだるま!!!
白い羽つけた、ハイレグの脚長だるまご降臨!!!
こ、こ、今回は、4列目という良席で、目の前の咲さまが挑発なさる。
鼻血と過呼吸で倒れてはなるまい。咲さまのお姿を目に焼き付けようと息をするのも忘れガン見しておりました。

この麗しきダルマ姿が、少し後には、りりしい軍服姿ですよ。
きっと、ヅカオタじゃない人が見たら、同一人物だとは絶対にわからない。
妖精だからこその、変態(変な意味の変態じゃなくて昆虫とかが形を変える方の変態ね。羽根のはえた妖精だから)なのだなあと感心しちゃいます。

それから、美穂様のお祭りマンボ。
さすがだ。余裕の抜け感がたまらない。ひばりさんも真っ青よ。

それから東京力車の唯我独尊SOULを、若手が歌い踊ります。
皆、楽しそうで、煽ってきます。

そして、リオ。
ここで久城あすさんが、女役で歌われるのですが、上手い。
さすがです。

そして、リオでは、きわちゃんが、ダルマに。
トップとトップ娘のダルマが拝めるなんて、なんて素敵なショーでしょう。

それから、ファンファンと言われた映画俳優のジェラール・フィリップ
(岡田眞澄もファンファンと呼ばれていたなあ……)に咲ちゃんが扮して、色々なお役で登場するシーン。
何故に突然、映画?とちょっと違和感のあるシーンではありましたが、
様々な咲ちゃんを見られて幸せです。
それに、あーさのメフィストフェレスの美しさといったらもう……
朝美絢と悪魔って相性最高だと思います。

そして、カリブ経由で、宝塚に到着。
そうだよね、最後の港は宝塚。
シルクハットとケーンで宝塚らしく。

そして、パレードは皆でフラッグ持って一踊り。
楽しい!

いやー、盛りだくさんで、楽しいショーでした。

私は見ていないけれど、美穂様のお役を音彩唯ちゃんがなさったというのだから、それはまたすごい抜擢ですね。若いジェンヌさんへの期待も高まります。ビジュアルもかわいいしね。

娘役さんでは希良々うみさんと有栖妃華さんが表情ゆたかで私は好きだったな。それと、アラブの子供をしていた麻花すわんちゃんがかわいいって思いました。

ただ、ちょっと不満に思ったこともあります。

私、久城あすさん好きなんですよ。独特のムードのある男役さんで、いつも上手いなあって思って観ているのですが……今回、あまり登場シーンが多くないし、一番の見せ場は女役? なんだかちょっと残念。
野口先生、若手推し推し大放出!!!って感じで、上級生の存在を忘れているのではないかしら?って感じちゃいました。
もちろん、若手に色々な経験をさせることも先生の使命でしょうが、若手が上級生を見て学ぶっていうのも宝塚の伝統。

私は、番手とか羽飾りとかは気にしないのですが、作品を通しての配役のバランスというのは気になります。
今回は、やたらと男役の女役が多い。
咲さまのマーメイドの美女はファンサービスとしても、中国美女、カルメン、囚われの王妃、リオの女、モディリアニの恋人の5つの役は、娘役さんが演じても良いようなお役。どんな目的があって男役にやらせたのかが、わからない。結局、男役がやたらと女を演じてしまったせいで、トップ娘役であるきわちゃんの印象が薄く感じられました。もちろん、デュエットダンスとかで存在感はあるのだけれど、なんだかバランス悪く思えたのは私だけでしょうか?こんなに男役が女役を演じる必要があったかしら?とか、モヤモヤするわけです。

やり方次第で若手も、上級生も、男役も娘役も、トップコンビも、バランスよく魅せるってことはできたんじゃないかと思うのですが……

野口先生は流行りものを取り入れたり、グッズを販売して観客を煽ったりする工夫はとてもお上手なんですけれど、なんとなく気働きが足らんなあといつも感じます。

とにかく、オデッセイ号が千秋楽まで無事航海を続けられることを心から祈っています。
千秋楽は配信で見させて頂いて、この感動を再び蘇らせたいです。
フラッグもテレビの前で振るぞ!!!





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