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読書感想文 悪魔には悪魔を

ネタバレ、あらすじありの読書感想文です。

タイトル 悪魔には悪魔を
作者   大沢在昌
出版社  毎日新聞出版

あらすじ

将と良の双子の兄弟は性格はまるで違い、弟の将はやんちゃ、兄の良はまじめだった。親を亡くした二人は叔母夫婦に育てられた。良は成績もよくまじめ、将は問題ばかりおこす悪ガキだった。問題を起こした将は高校を退学し家を離れ日本を離れアメリカで軍人として生活していたが、日本に戻ってきた。良とは20年会っていない。そんな将に麻薬捜査官菅下が声をかけてくる。麻薬の潜入捜査に入った良が行方不明になった。殺されているかもしれない。良の行方を捜す為、良を演じて欲しいと言う菅下。
将は、怪我で記憶を失った良として捜査に協力する。麻薬の運び屋ヒデト、良の恋人マイ、やくざの小関、女刑事大仏、ベトナム軍人グエン、怪しげな警察官赤木と青井の間で様々な情報を手に入れながらベトナム人組織「クィー」を探る将は、警察官の中の裏切り者をあぶりだそうと奔走する。

感想

このところデビューしたばかりの作家さんとか、賞をとった作家さんとかの作品を読むことが多くて、こういう「御大」的作家さんの新作をあまり手にしていなかった。この方、以下の記事でも書いたのだけど、「三回応募してダメだったら才能がない」とおっしゃっている方です。

経験豊富、様々な技術もお持ち、様々な賞もとられている押しも押されぬ大作家さんだと思います。
でもこの作品に関して言えば、私は面白くなかった。

主人公の将は戦争で修羅場を潜り抜けている人物で、そこいらのヤクザ相手は余裕のハードボイルド的主人公です。しかし妙に優しい部分がある。
ヒデトやマイに対する感情は柔らかすぎてクールじゃない。
マイに対する気持ちなんて、うぶな少年のようじゃないか。
もちろんハードボイルド的クールな男のやさしさってキュンとするのだけれど、それとは何か違うと思えてしまった。
それに潜入捜査の様子が、大丈夫?って思うほど、会話に頼っている。色々な人物に様々な情報を流しながら情報を得る。色んなことをしゃべるしゃべる。こんなに会話ばかりで捜査していくミステリは珍しいんじゃないかな?もちろん、誰かに聞かれていないか気にはしているのだけれど、巨大な組織に立ち向かう感じで、裏切り者がいる設定なのに大丈夫か?と感じてしまう流れなのです。
牛乳を飲まない良の部屋に残された牛乳パックの裏に書かれた「4301975」これ、普通に見て1975年4月30日って浮かばないだろうか?電話番号ではない?何の数字だ?って途中に何度か出てくるんだけど、最終的にサイゴン陥落の日付でクィーのメンバーであることを証明するパスワードだった。ってオチになんだかなあ?って感じてしまいました。
もちろん、迫力あるアクションシーンなどスピーディに読み進めることができるけど、それは一流作家さんだからね。
キャラクターも個性的で面白い人が色々でてきて楽しいのですが、なんだか読み終わってふーんって感じでした。

多分、沢山のファンを持っておられるのだろうなあ。
ファンの方なら、面白いのだろうなあ……

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