雪の音がする、クリスマスの朝

隙間風が障子から漏れてくる。
雪が降る音がする、クリスマスの朝。
目が覚めると枕元にプレゼントがあった。

何度思い出しても、枕元に置いてあったのは、
その一回きり。
飛び起きて、母のいる台所まで走った。

「お母さんがくれたの!?お父さん!?」
サンタさんはもういないと分かってた。
だから、絶対に父か母が買ってくれたと思った。

「え、知らないよ?」母が朝ご飯を作りながら、言った。
父にも聞いたけど、分からないと。

不思議過ぎた。誰も知らない。
知らないふりをしているのか、本当に知らないのか、
未だに分からない。

開けてみて、驚いた。
一度も、誰にも「欲しい」と言葉にした事がなかった、カセットプレーヤーが入っていた。
なのに、クリスマスプレゼントとして、やってきた。
本当にサンタさんがいるのかと思った。

大事に――。
本当に大事にしてた。
散歩に行く時も、寝る時も、ずっとそばに置いた。
イヤホンを耳に着けて、大好きな音楽を流した。

大事にしていたはずなのに。
記憶も感触も覚えてるのに。
もう、現物は手元にない。

成長して捨ててしまったのか、
はたまた見つからないだけでまだ残ってるのか。

いつか、宝探しをしよう。
壊れていても、あのカセットプレーヤーは
子供の頃の最高のプレゼントだ。

あの時の衝撃、戸惑い、感動。
何十年経っても色褪せない。

自分だけの――“特別”。

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