スタートアップは「サムライ」に支えられている
スタートアップは、「鳥人間コンテスト」みたいだと思うことがある。
最初は夢と希望に満ち溢れ、「よし飛ぶぞ!」と意気揚々とスタートする。
しかし、いざ飛び出した瞬間、「あれ?思ったより風に乗らないぞ?」と不安がよぎり、数秒後には「え、ちょっと待って、これヤバくない?」と恐怖に変わる。
気がつけば、機体は不安定になり、湖面が迫ってくる。
そんなギリギリの状況で、ぼくらを支えてくれたのが、「サムライ」たちだ。
彼らは、オシロの未来を信じ、サービスとしてOSIRO導入を推進し、投資家であれば投資を決め、それぞれにある反対意見を押し返しながら「この機体は絶対に飛ぶ!」と応援してくれた。(ちなみに、ぼくはフライト直前「これは絶対に飛ぶ、飛べる!」と確信している)
今日は、そんなサムライたちへの感謝を込めて、彼らの存在の大きさを伝えたいと思う。
本当は直接お礼を言いたいところですが、感極まって滑走路で号泣しそうなので、まずは文章で。
サムライとは「信じる力」と「社内で押し通す力」を兼ね備えた人
「信じる」とは、口で言うほど簡単なことではない。
例えば、ぼくが「この竹とんぼみたいな羽で琵琶湖を横断できます!」と言ったら、たいていの人は「いや、それはムリ」と冷静にツッコむだろう。
でも、サムライたちは違った。「お、もしかしたら飛べるかもしれない」と真剣に考え、さらには「じゃあ、どうすればもっと飛べるのか?」と知恵を振り絞ってくれた。
「オシロは飛べる」と本気で信じてもらえなければ、社内で押し通すことはできない。ある投資家の方は、社内の会議で「オシロ?なにそれ?飛べるの?」という空気の中、ひとり立ち上がり、こう言った。
「この会社は、10年後、いや100年後、世界を飛び回っているかもしれません!」
…会議は静まり返った。(おそらく、その場にいた方々は、一瞬驚かれたかもしれない。)
サムライとはただ信じるだけではなく、その信念を貫き、社内を押し通す力を持つ者のことを指す。オシロ社の可能性を信じていただけているだけではなく、その「信じる力」をもって自ら動き、周囲を巻き込み、実現に向けて「社内を押し通す力」を持ってくださっている方でもあるのだ。
「投資家」と「プロデューサー」の共通点
可能性を信じることは、苦労の始まりでもある。「この会社はいける!」と確信した瞬間から、次々と予想外の向かい風が吹いてくる。
オシロ社の共同創業者であり、元音楽プロデューサーのダイスケさん(四角大輔)は、それを身をもって知っている。
彼はかつて、まだ無名だったアーティストの歌声に惚れ込み、売り出そうとした。
しかし、会議にかけると、30人中29人が「NO」と言った。
「だれかに似てない?」「売れるかなぁ」
何度もそう言われた。でも、ダイスケさんは言った。
「この歌声は、世界を変える。」
…会議室の空気がピリッとした。
けれど、誰もOKを出さない。
すると彼は、最後の手段に出た。
「わかりました。僕が責任を取ります。すべてのリスクを僕が負います。だから、このアーティストをデビューさせてください!」
会議室は静まり返った。
その後、ダイスケさんは社内関係各位を個別に口説いて回り、最終的にGOを取りつけた。
そして、そのアーティストはデビューし、まさかのミリオンヒットを連発。J-POP史に名を残す、素晴らしいアーティストになったのだ。
オシロを信じ、社内を説得してくれた投資家の方も、まさに同じだ。
普通なら通らない提案を、サムライたちは押し通したのだ。
もし、彼らが諦めていたら、オシロ社は今ここにはない。まさに、サムライの名にふさわしい存在だ。
サムライの勇気と行動力に、オシロ社は生かされている
この話は、投資家やプロデューサーだけのものではない。編集者の世界にも、まったく同じ構造がある。
無名の著者を見つけ「この人は面白い」と確信し、最初の一冊を世に出す編集者がいる。一方で、成功した後の著者と組む編集者もいる。
どちらも重要な役割を果たすが、最初にリスクを取って踏み出す人こそが、未来を切り拓く存在だ。そんな編集者のひとりから、こう言われたことがある。
「その著者にとっての一冊目じゃないと燃えない」
つまり、未来をつくることに燃えるタイプだ。ぼくらは、そんな人たちに支えられている。
彼らは、ただの応援者じゃない。
「この会社が未来をつくる」と本気で信じてくれている人たち。
彼らの信念と覚悟も、オシロ社を支えている。
ある投資家の方がこう言われた。
「杉山さん、覚えておいてください。私はサービス自体に投資したんじゃない。あなたたちの未来に、賭けたんです」
その言葉を聞いた瞬間、思わず涙がこぼれた。
「本当に、こんなにも信じてくれる人がいるんだ」
ぼくは、その瞬間、決意した。
この期待を絶対に裏切らない。
どんなに強い向かい風が吹いても、どんなに羽根が揺れても、ぼくは飛び続ける。
