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子どもが「死」について考えたとき親はどう受け止めるべきか

ある休日の夜、畳の部屋で寝転がりながら本を読んでいたときに、人影を感じた。
ふと頭をあげると、そこには9歳の息子が立っていた。
よくよく顔を見ると、目に涙を浮かべてこちらを見ている。

なんだなんだ?
彼が学校へ行っている間に、いただきものの高級チョコレートを食べたことがバレたのだろうか?
あれはチョコの中にお酒が入っているから、どのみちあなたは食べられないのよと、頭の中で言い訳をする。

動揺しながらも、冷静を装って
「どーしたの」
と私が声をかけると、大きな目からボタボタと雫を落として泣き始める息子。
今までこらえていたものが堰を切ったかのように、わんわんと声をあげて泣きだした。

え、チョコでそんなに?と思いつつも、これはちょっと違うかなと思い始める。
私は、息子の背中をさすりながら、落ち着くのを待った。
ぐしゃぐしゃの顔を手で拭って、ようやく少し話ができるようになったので、あらためて何があったのか聞いてみた。

「チョkじゃない……学校で何かあった?」

息子は首を横にぶんぶんふる。

「お兄ちゃんとケンカした?」

また息子は首を横にぶんぶんふる。

うむう……どうしたもんか。
これは何かあったな。

とはいえ、何を聞いても違うとのことなので、本人が話すのを待つしかない。
そう思った1分後に、息子はゆっくりと口を開けて話し出した。

「死ぬのが怖い。お母さんも死んでほしくないよ」

言葉にしたことで不安になったのか、また涙を浮かべて落とし始めた。

突然の告白に驚きを隠せない私。
まさか、「死」という言葉が出てくるとは思ってもみなかったので、一瞬、体も脳みそもフリーズしてしまった。

その「死」はどこから出てきたんだい?
死を身近に感じられる出来事があったのかい?
あれこれ考えてみるが、全くわからない。

なぜ急に「死ぬ」ことを怖いと思うようになったのだろう。

🍫🍫🍫

私は、立っている息子を一旦座らせ、しっかり話を聞く体勢を作った。
軽い気持ちで聞けることではないと感じたからだ。

「なんで死ぬのが怖いと思ったの?」

ゆっくりと、静かなトーンで聞いてみた。
しばらく息子は黙ったままだった。

「誰にも言わないし、どんな話もちゃんと聞くよ」

と言うと、少しホッとしたのか、息子は私の目をみて少しずつ話しはじめた。

「だってさ。もしオレが死んだら、お母さんと会えなくなっちゃう。それにお母さんはオレよりも年をとっているから、オレよりも早く死んじゃうじゃない。そんなの、いやだ。ずっとお母さんと一緒にいたいよ」

おおん……。

これは難しいテーマだな……。

記憶を手繰り寄せてみたら、長男にも同じようなことを言われた時期があったようななかったような。
子どもは、死について考える時があるのかな。

あの時はどうやって話をしたんだっけ。忘れたな。

人生何が起こるかわからないから、いつ死ぬかなんて誰にもわからない。
それに、老衰を迎えることができれば、早く生まれた人間の方が早く死ぬのは当然のことだ。
私と息子は30年以上の差があるから、私の方が早く死ぬ確率は高い。

しかし、それらが今の息子には涙をこらえきれないほど辛く悲しいことらしい。
だから、きっと正論を投げかけたところで、なんの解決にもならない。

そこで私は、少ない脳みそをギュギュッと絞って、こう伝えた。

「そうだね、確かに死ぬって怖いよね。お母さんも息子といつかさよならするのは辛いけど、お別れする日まで、楽しい思い出をたくさん作れたらいいと思う」

息子は黙ってじっと聞いている。

「なんのアドバイスもできなくてごめんね。お母さんも息子とずっと一緒にいたいと思うよ。」

なんと言ったらいいのかわからないので、正直に謝ることにした。
いつかお母さん以外にも大切な人ができるから大丈夫だよ、と言おうかと思ったけれど、それも違う気がしてやめた。
彼は、いつか「お母さん」と死に別れることが怖いのだ。

ここで死を誤魔化すのもなんか違うなーと思い、「死なない」とは言わないでおいた。いっときの安心にはなるかもしれないけれど、それは絶対ウソになってしまう。

こんなとき、なんと言ってあげるのが正解なのだろう。
子育て、難しいわ。

息子は、しゃくりあげながら「わかった」と言った。

本当は理解も納得もできていないだろう。
だって、私もできていないもの。ただ気持ちに寄り添うことしかできなかった。

🍫🍫🍫

結局、なぜ「死」ついて考え始めたのかはわからないまま。
彼曰く「なんとなく思いついた」んですって。
でも、きっと何かきっかけがあったのだろうな。
言いたくないのか、忘れてしまったのか、そこはわからないけれど。

死に対する不安はこんな感じなのかな?

  • 死んだらどうなるかわからない

  • 痛みを伴うかもしれない

  • 大好きな人と離れるのが嫌だ

これらは私の力ではどうにもできない。
息子には、また不安になったら話を聞くよと伝えた。
不安な気持ちを受け止めるしかできない。

子どもが死を怖がったとき、あなたならなんと言ってあげますか?

▼この記事を書いた人

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