見出し画像

レントロールの読み方——入居者情報の確認ポイント

名古屋でサラリーマンをしながら、愛知県内で収益物件を複数棟保有しているオスカー不動産です。

今回は「レントロールの読み方」について書きます。

物件の売買資料の中でレントロールは最も重要な書類のひとつです。正しく読めると「この物件の本当の収益性」が見えてきます。


レントロールとは

レントロールとは、物件の各部屋の賃貸状況を一覧にした書類です。次の情報が記載されています。

部屋番号・間取り・専有面積
入居者の属性(個人・法人)
現在の賃料・共益費 入居日 敷金・保証金の有無と金額
契約の種類(普通借家・定期借家)
空室の場合はその旨


レントロールで最初に確認すること

① 入居日が古い部屋の家賃

入居日が5〜10年以上前の部屋は、現在の相場より低い家賃で入居している可能性があります。

例えば2015年に入居した部屋の家賃が52,000円でも、現在の相場が55,000円であれば、退去後の次の入居者からは55,000円で募集できます。

逆に言えば、現在の家賃が相場より高い場合は、退去後に家賃が下がるリスクがあります。レントロールの賃料と周辺相場を必ず比較してください。

② 入居者の属性

個人入居者と法人入居者では、退去リスクが異なります。

個人:転居・転勤・結婚・離婚など様々な理由で退去
法人:社宅利用が多く、企業の方針変更で一斉退去のリスク

法人入居者が多い物件は一見安定して見えますが、企業の業績悪化や社宅廃止で複数戸が同時に空くリスクがあります。

③ 直近の入居日

売却前の直近3〜6ヶ月に入居者が集中しているケースは注意が必要です。

売主が売却を意識して「満室に見せるために」入居条件を緩めた可能性があります。フリーレントを長期に設定したり、本来断るべき入居者を通したりするケースがあります。

直近入居の部屋の賃料・条件を特に詳しく確認してください。

④ 定期借家契約の有無

定期借家契約は契約期間が終了すると自動更新されません。満了時に退去を求めることができる一方、入居者も期間満了後は退去できます。

レントロールに定期借家の記載がある場合、その満了時期を確認します。取得後すぐに複数戸が満了を迎える場合、空室リスクが高まります。

⑤ 敷金・保証金の承継

入居者から預かっている敷金・保証金は、売買時に売主から買主に承継されます。

例えば総額100万円の敷金がある場合、将来入居者が退去したときにその分を返還する義務が買主に移ります。売買契約書と照合して敷金の総額を確認してください。


実際のレントロールでの発見事例

私が取得前に発見した問題点の実例を紹介します。

事例①:相場より15%高い家賃設定
全6戸のうち4戸が入居から8年以上経過していました。現在の賃料は平均58,000円でしたが、周辺相場を調べると50,000〜52,000円でした。

退去が発生すると家賃が下がり、表面利回りが6.9%から約6.0%に低下することが判明。取引価格の再交渉を行い、200万円の値下げを引き出しました。

事例②:売却前3ヶ月に3戸が新規入居
レントロールを見ると全6戸のうち3戸が売却前3ヶ月以内の入居でした。管理会社に確認すると、3戸すべてにフリーレント2ヶ月が設定されており、実質的な入居率は「見かけ上の満室」でした。

この物件は条件の再確認を求め、最終的に見送りました。


レントロールのチェックリスト

物件検討時に使えるチェックリストです。

各部屋の賃料と周辺相場を比較したか
入居日が古い部屋の賃料水準を確認したか
直近3〜6ヶ月の入居者の入居条件を確認したか
法人入居者の比率と企業名を確認したか
定期借家契約の有無と満了時期を確認したか
敷金・保証金の総額を確認したか
空室の期間と理由を確認したか


まとめ

レントロールで確認すべきポイントをまとめます。

入居日が古い部屋:現在の相場と賃料差を確認
入居者属性:法人集中は一斉退去リスクあり
直近の入居:売却前の満室工作の可能性を確認
定期借家:満了時期と退去リスクを確認
敷金承継:総額を把握して将来の返還義務を理解

レントロールは「現在の収益を示す書類」であると同時に「将来のリスクを読む書類」でもあります。丁寧に読み込むことで、表面利回りだけではわからない本当の収益性が見えてきます。


詳しく知りたい方へ

物件分析の実録・レントロールの読み方・購入判断チェックリスト50項目をKindle本にまとめています。

「現役大家の物件分析全記録」(不動産投資実践シリーズ 第2弾)

▼ Amazonで購入する
現役大家の物件分析全記録
https://www.amazon.co.jp/dp/B0H3CRJ3HC

▼ シリーズ全作品はこちら

Amazonで「オスカー不動産」または「不動産投資実践シリーズ」で検索していただくか、プロフィールのリンクからご覧ください。


本記事は著者の個人的な経験に基づくものです。投資判断はご自身の責任で行ってください。

いいなと思ったら応援しよう!