#偏見を壊すnote|大人に都合のいい支援― 病児保育という現実 ―
以前勤めていた職場には、
病児保育がありました。
「いい制度だよ」
そんな声も多く聞きました。
登録は当然のように勧められ、
働く以上、備えておくものだという空気がありました。
安全だから。
看護師がいるから。
仕事を失わずに済むから。
たしかに安心材料は並びます。
けれど、それは誰の目線でしょう。
子どもが高熱でぐったりしているとき、
知らない場所で横になることを、
その子は自分で選んだのでしょうか。
「今日はママと家にいたい」
その気持ちは、
どこで尊重されているのでしょう。
この制度は、
子どもの意思を前提にしていません。
前提にあるのは、
親は簡単には休めないという社会の構造です。
仕事は止められない。
代わりはいない。
評価が下がるかもしれない。
その前提を動かさないまま、
子どもを別の場所へ移す。
それを支援と呼びます。
守られているのは、
子どもの安心でしょうか。
それとも労働の流れでしょうか。
子どもは、
いちばん弱っているときに、
いちばん先に調整される存在になります。
親も本当はそばにいたい。
それでも預ける。
子どもも我慢する。
親も我慢する。
その我慢の上に成り立つ制度を、
私は子ども中心とは呼べません。
守るべきものが、
後ろに回されています。
最初に守るべきは、
子どもの安心のはずです。
そのために社会を整え、
そのために親を守る。
この順番で考えない限り、
子育て支援は
大人に都合のいい支援のままです。
それでも私たちは、
「仕方がない」と
受け入れ続けるのでしょうか。
子どもが弱っているその瞬間に、
何を最初に守る社会でありたいのか。
その問いから目をそらさず、
順番を変えるために声を上げる。
そこからしか、
本当の子育て支援は始まりません。
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