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会社員と自営業、どちらが向いているの?|私は会社員に戻ることを選んだ(前編)

はじめに

「会社を辞めたい」

そう思ったことがある人は、少なくないと思います。

毎日の仕事に追われ、 このままでいいのだろうかと考える。

独立したら自由になれるのではないか。
好きなことを仕事にできるのではないか。

私自身も、約10年前、 一度会社員を辞めました。

でも今は、会社員という働き方を選んでいます。

それは独立に失敗したからではありません。

自営業という働き方を経験した上で、
「自分には会社員という働き方が向いている」 と納得したからです。

今日は、そのきっかけになった頃の話を 書いてみたいと思います。


✦1|会社を辞めるしかないと思った日

私は新卒で入社した会社に、 13年間勤めていました。

社員数も多くない、小さな会社でした。

仕事の内容は好きでしたし、
一緒に働く仲間にも恵まれていました。

だから、できることなら 辞めたくありませんでした。

でも、会社の状況は少しずつ変わっていきました。

給与の遅配が起きるようになり、
会社の業績が悪くなると、
その責任を社員に求めるような空気も 出てきました。

もちろん、会社を維持する苦労があることも 理解していました。

だからこそ、「みんなで頑張ろう」と 思っていた部分もあります。

けれど、ある日、社長からこう言われました。

「来月から給料を半分にする」

一瞬、耳を疑いました。

驚いたというより、
頭が真っ白になったことを覚えています。

もちろん、会社が苦しいことは 分かっていました。

でも、生活があります。

家賃も払わなければいけない。
食べていかなければいけない。

社員にも、それぞれ人生があります。

そのとき初めて、「もう無理だ」と思いました。

夢を追いかけるために辞めたのではありません。

もっと自由になりたかったわけでもありません。

限界だったのです。


✦2|失業保険が、くれた時間

会社を辞めたあと、 幸いだったことが一つあります。

失業保険を比較的長く 受け取れる状況だったことです。

もちろん、ずっとそのまま いられるわけではありません。

でも、「すぐに次の仕事を決めなければ」と 焦らなくて済む時間がありました。

その時間が、私にはとても大きかったと思います。

「今しかできないことをやってみよう」

そんな気持ちになれたのです。

退職後は、それまでお世話になった取引先へ 挨拶に回っていました。

その中で、ある方から声をかけてもらいました。

「専門学校で教えてみない?」

まったく想像していなかった話でした。

人に教える仕事など考えたこともありません。

でも、「せっかくだから、一度やってみようかな」

そのくらいの軽い気持ちで 引き受けたのが始まりでした。


✦3|講師という仕事との出会い

最初は、本当に少しだけでした。

週に2コマ。

副業のような感覚です。

ところが、実際に教壇に立ってみると、
とても面白かったのです。

学生たちと専門分野について話す時間。
企画を考える時間。
悩みながら作品を作る姿。
少しずつ成長していく様子。

これまでの仕事とはまったく違う 面白さがありました。

自分の手で何かを作り上げて 、
世の中へ送り出す仕事も好きでした。

でも、人が育っていく過程を見ることにも、 同じくらい魅力を感じたのです。

翌年には担当コマ数も増え、
講師の仕事が生活の中心に なっていきました。

「ああ、この仕事は 自分に向いているのかもしれない」

そう思えるようになっていました。


✦4|楽しい仕事と、生活は別だった

講師という仕事は、本当に楽しかったです。

今でも、あの経験は 私の人生の大きな財産だと思っています。

でも、生活を続けてみて 初めて分かったことがありました。

学校には長い休みがあります。

夏休み。
春休み。

学生にとっては嬉しい休みですが、
講師にとっては授業がありません。

授業がなければ、収入もありません。

もちろん、学校によって契約形態は違います。

私の場合は、授業を担当した分だけ 報酬が発生する形だったため、 休みの期間はそのまま 収入が減ってしまいました。

ここで初めて、
「仕事が好き」ということと、
「生活が成り立つ」ということは、
別の問題なのだと実感しました。

好きな仕事だからこそ続けたい。

でも、現実には生活も守らなければいけない。

この二つをどう両立させるか。

それが、次の課題になりました。


まとめ

会社を辞めたことは、後悔していません。

あのとき辞めなければ、
講師という仕事にも 出会えなかったでしょう。

これまでの仕事だけでは 知ることのできなかった楽しさも 経験できました。

それは、今の仕事にもつながる 大切な時間だったと思っています。

一方で、

「好きな仕事だから続けられる」

というほど、現実は単純ではありませんでした。

生活を支えること。
将来を考えること。
働き続けること。

そのすべてを含めて、 働き方を考える必要があることを、 この時期に学びました。

次回は、講師業とアルバイトを 掛け持ちしながら生活した経験を通して学んだこと…
私が「会社員の方が向いている」と 考えるようになった理由、
そして40〜50代で独立を考えるときに、 私自身が大切だと思う準備について 書いてみたいと思います。

深鈴

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