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第4回|在宅ワーク時代に露呈した「日本の家」の欠陥


「こどもが独立した後の家を、人生を豊かにする空間に変える」連載です。



家に「働く大人の居場所」がなかった


在宅ワークが広がって、はっきり見えてきたことがあります。
それは、日本の住宅は大人が日中に働くことを想定していないという事実です。

高度経済成長期以降、日本の家はこう設計されてきました。

・昼間、家にいるのは主に子供か高齢者
・働く大人は外に出る
・家は「休む場所」「寝る場所」

この前提が、長い間ほとんど疑われなかった。

ところが在宅ワーク、オンライン会議、副業、リスキリング。
働き方が変わった途端、その歪みが一気に噴き出しました。

静かな個室がない
背景に生活感が映り込む
家族の音が集中力を削ぐ

そして多くの家庭で起きたのが、
使われていない子供部屋があるのに、親は使わないという現象です。

理由は明確です。
「そこは子供の部屋だから」

でも、ここに大きな矛盾があります。



解決策:家は「今いちばん価値を生む人」に最適化する


在宅ワーク時代における家の役割は、
「生活の場」であると同時に
「生産の場」でもあります。

では、今この家で
もっとも集中力と生産性を必要としているのは誰でしょうか。

多くの場合、それは親世代です。

・収入を得る
・仕事の責任を負う
・将来設計を考える

にもかかわらず、
静かで区切られた空間は「元・子供用」として温存される。

これは感情の問題ではありません。
単なる資源配分のミスです。

家という限られた資源は、
「思い出」ではなく
「現在価値」で再配分されるべきです。

子供が独立したなら、
家の中の最適化対象も入れ替わる。

それだけの話です。



なぜリビングワークは疲れるのか

リビングで仕事をしている人は、
こんな経験があるはずです。

・常に誰かの動きが視界に入る
・音に気を遣う
・片づけ途中の空間で集中できない
・仕事と生活の境界が曖昧になる

これは本人の意志の弱さではありません。
環境設計の問題です。

一方で、空いている子供部屋はどうでしょう。

ドアが閉まる
物理的に区切られている
オンライン会議ができる
作業を途中で止めても片づけなくていい

にもかかわらず、
「そこを使う」という判断ができない。

結果として、
親は仕事の効率を落とし、
家全体のストレスも増える。

子供は年に数回しか使わない部屋を、
親は毎日我慢しながら避けている。

これはどう考えても合理的ではありません。



やってみよう:「仮置き」でいいから使ってみる


ここで提案したいのは、
いきなり大改造することではありません。

まずは期間限定でいい。

1か月だけ仕事部屋として使ってみる
机だけ移動してみる
子供の物は箱にまとめて置いておく

この「仮置き」が重要です。

使ってみると、
驚くほど生活が楽になることが多い。
集中できる
切り替えができる
家族関係が穏やかになる

そのとき初めて、
「なぜ今まで遠慮していたのか」
と気づくはずです。

子供部屋を使うことは、
子供の居場所を奪うことではありません。

今の暮らしに合わせて、家を再起動することです。


日本の家は、変わらないことを前提に作られてきました。
でも人生は変わります。
働き方も変わります。

家だけが変わらない理由は、どこにもありません。



次は第5回「50代からの住まいは『広さ』より『使い方』で決まる」について書きます。


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