【第6回】勝つ身体は食事で仕上がる― 高校球児のための食トレ戦略 ―第2章:身体を作る栄養戦略「炭水化物 ― 身体を守り、動かすエネルギー ―」
前回は、身体を作る材料である
タンパク質について整理しました。しかし、タンパク質だけ摂っても筋肉は作られません。身体を作るためにはエネルギーが必要になります。そのエネルギー源となるのが炭水化物です。
炭水化物とは糖質と食物繊維を合わせたものを指します。このうち、身体のエネルギーとして使われるのは糖質になります。糖質は、分子構造によって吸収速度が変わります。
糖質は主に次のように分類されます。
単糖類
・ブドウ糖
・果糖
二糖類
・砂糖(ショ糖)
・乳糖
・麦芽糖
中間糖質
・マルトデキストリン
多糖類
・デンプン(植物)
・グリコーゲン(動物)
分子構造が単純なほど吸収が速いという特徴があります。
単糖類は血液中にすぐに吸収され即効性のエネルギーになります。しかし、血糖値が急激に上がるとインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは血糖値を下げる働きがありますが、急激に血糖値が下がることで疲れやすくなることもあります。
しかし、この特徴は試合でのエネルギー戦略として利用することもできます。例えば、試合の2時間前はご飯などの多糖類、試合前はマルトデキストリン、試合終盤にブドウ糖。このように吸収速度を考えた補給を行うことで、エネルギーを効率よく使うことができます。
では、高校球児はどれくらいの炭水化物を摂れば良いのでしょうか。一般的に、1日90分以上の運動を行うアスリートは体重1kgあたり8〜10gの炭水化物摂取が必要と言われています。
例えば、
体重70kgの選手であれば560〜700g程度になります。
日本人にとって、炭水化物を最も摂取しやすい食品はご飯です。その他にも、もち、うどん、パスタ、パンなどがあります。特に「もち」は糖質含有量が多く、エネルギー補給として優れた食品です。
また、野菜や果物にも糖質は含まれています。特に果物は果糖を多く含みます。果物を切って置いておくと黒く変色することがありますが、これは糖質が多い証拠とも言えます。果物はビタミンやミネラルも含むため補食として非常に優れた食品です。
炭水化物をしっかり摂るためには食事回数を増やすことが大切です。補食を入れることで1日のエネルギー量は大きく変わります。
また、食事中には温かい飲み物を摂ることもおすすめです。胃も筋肉であるため、冷たい飲み物を摂ると収縮してしまい食事量が減ることがあります。温かい飲み物は胃の働きを助ける効果があります。
最後に大切なことがあります。炭水化物は「太る栄養素」ではありません。むしろ身体を守るエネルギーです。炭水化物が不足すると身体はエネルギー不足を補うために筋肉のタンパク質を分解してしまいます。つまり、身体が削られてしまうということです。身体づくりにおいて、炭水化物は非常に重要な栄養素なのです。
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次回は高校球児に必要なエネルギー量について整理していきます。
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体は、日々の選択の積み重ねでできている。
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※現場での栄養講習を通して、選手の身体づくりをサポートしています。
