「安全保障」の名のもとで、曖昧な法律が次から次へと増殖・・・今こそ“憲法31条”を読め。
このところ、「数の力」を利用して次々に「悪法」が作り出されようとしています。
そうしたなか、また新たな「悪法」が芽吹こうとしています。今日はまずこちらの記事を読んでください。
「自民党のインテリジェンス戦略本部(本部長・小林鷹之政調会長)が政府に近く提出する第2次提言の概要」として明らかになったのは、「安全保障上の目的で行政機関が裁判所の令状なしに通信情報を収集する「行政傍受」制度の導入が柱」とされています。
この報道が出てすぐさまXでは、批判と懸念の声が上がりました。
これは本当にまずいです。本当に戦前に逆戻りです。そもそも完全な憲法違反です。
— 小西ひろゆき (参議院議員) (@konishihiroyuki) July 9, 2026
高市政権は暮らしも社会も国家も破壊し続けていることに気付いて頂きたい。 https://t.co/cnJJhQ80BN
この小西議員の「完全な憲法違反」というのは、おそらく憲法21条が保障する「通信の秘密」を行政が裁判所の令状なしでフリーハンドで侵害することを指しているものと思われます。
まさにその通りであるわけですが、今日の記事ではこの「憲法違反」について、別の視点、別の条文にフォーカスして分析していきたいと思います。
そしてこれは、この「通信傍受」だけではなく、昨今積み上げられてきた他の法律、法案にも共通している問題であると同時に、今後じっさいに運用された場合に、私たちの生活に多くの混乱をもたらし、まっとうな自由が大きく制限されかねない大きな問題をはらむものです。
その別の条文とは「憲法31条」です。
昨今、立法化が急がれている法案のうち、少なくないものが、この憲法31条の観点から、とても大きな問題を含んでいるのです。
では「憲法31条」とは、いったいどのようなものでしょうか。
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第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
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これは、ひと言でいえば「国家が人を処罰したり、重大な不利益を与えたりするときは、あらかじめ法律で決められた、きちんとした手続によらなければならない」という原則です。
そしてこの原則には、大きくわけて3つの要点があります。
① 何が犯罪で、どんな刑罰が科されるのかは、国会の定めた法律で、具体的かつ明確に決められていなければならない・・・・罪刑法定主義
② 処罰や強い不利益を与えるなら、知らせる、反論させる、弁明の機会を与える、独立した判断を経るといった手続が必要である・・・・適正手続
③ 法律の文言が曖昧であってはならない・・・・明確性の原則
つまり「何が対象で、誰が判断し、どこまででき、どう争えるのか」を明確に規定せよ。もっと端的にいえば、「国家は曖昧なルールで人を縛るな」という憲法の規定です。
この憲法の規定に、ハッとした方も少なくないのではないでしょうか。
そうです。「国旗損壊罪」です。
これも、どこまでやったら罰せられるのか、アウトとセーフの境界がきわめて曖昧な法案です。こういう曖昧な法律は、統治する側にとっては非常に都合がいい。「ここまでやったらヤバイんじゃないか」と勝手に国民の側が萎縮してくれることが期待できるからです。
こうした権力側が恣意的判断がいつでもできる余白を作っておくことが、彼らの「狙い」なのです。逆に言えば、私たちにとってはいわば「空気の条文」、法律の行間にたちこめている「空気を読んで忖度、差し控える」という行為をもたらすものと言えましょう。
さて、今回の「令状なし傍受」についてはどうでしょうか。これは先述したように「安全保障上の目的で、行政機関が裁判所の令状なしに通信情報を収集する制度」です。
まずこの制度を分析するまえに、このような流れはじつは、まったく突然ではないことを、過去のインテリジェンス関連法の成立過程をさかのぼることで、思い出しておきましょう。以下のインフォグラフィックをご覧ください。
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