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🏫桜美咲シリーズ【学校編】第5話 揺れる野球部と、学校の選択

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この物語はこの回からでも読める
内容になっております。

第1話〜第3話までは、
完全無料公開でお届けしています。
どうぞごゆっくりお読みください。

※本作品はフィクションです。
登場する人物・学校名・団体名などは、すべて架空のものです。
実在の人物・学校・団体とは一切関係ありません。


前書き


桜美咲シリーズ第5話を読んでいただき、ありがとうございます。

前回、学校では養護教諭の伊藤真央先生の負担を
軽減と悩む生徒のために
新たに週1回のスクールカウンセラー相談会が始まることになりました。
生徒たちの心の負担が少しでも軽くなれば、そんな願いから始まった取り組みです。

しかし、学校という場所は、ひとつの問題が落ち着いたと思ったら、また次の課題が現れます。

今回のテーマは、野球部の問題です。

3年生の不祥事による活動停止、夏の大会辞退。
そして学校側が発表した、来年度以降の厳しい方針。

その決定に対して、強い思いを持つ保護者たちが集まる説明会が開かれることになりました。

「甲子園を目指して入学したのに…」

そんな声が飛び交うことは、誰もが予想していました。

司会を務める西野花音。
誘導係の井川つむぎ。
そして学校側の代表として立つ桜美咲。

それぞれが緊張を抱えながら、説明会は始まります。

学校の決定と、保護者の思い。
その狭間で、美咲たちはどのように向き合うのでしょうか。

それでは、第5話をお読みください。


本文

私立神戸摩耶学園高校に、スクールカウンセラーが週に1回来てもらえることになった。
相談会は、毎週金曜日。

真央先生の机の上から、少しずつ書類が減っていくのを見て、美咲はほっとしていた。
「これで、真央先生の負担も少しは軽くなるかな」

そう思えたのは、ほんの束の間だった。

新たな問題が、すぐに浮かび上がった。

それは、
現在活動停止中の野球部のことだった。

三年生による不祥事の影響で、今年の夏の県大会はすでに辞退が決まっている。
そして、校長から突然、新たな方針が発表された。

・来年度以降、野球部の推薦入学は廃止
・一般入試の生徒の中から部員を募集する
・隣接している野球部専用グラウンドは閉鎖
・新校舎建設のため、現在の野球部グラウンドに仮校舎(プレハブ)を設置
・監督は、自ら退職
・遠征用バスは、今後は学校用として使用

校内は、一気にざわついた。

そして…
もっとも大きく揺れたのは、保護者だった。

「甲子園を目指して、この学校を選んだんです」
「これでは、練習すらまともにできないじゃないですか」
「来年、優秀な部員も入ってこなくなる」
「廃部が目に見えている」
「なぜ監督を辞めさせるんですか」

とくに、一年生の野球部保護者の反発は激しかった。

結局、
野球部の部員と保護者を集めて、説明会を開くことになった。

参加者は、
校長、教頭、美咲。
司会は花音。
つむぎは、会場の誘導係として配置される。

説明会の直前。

控室で、美咲は花音とつむぎに声をかけた。

「花音、つむぎさん。
今日は……たぶん、だいぶ荒れると思う」

少し間を置いて、続ける。

「ほんま、無理せんでな。
次回は私と交代してもええし、つむぎさんも、何かあったらすぐ愛菜先生に言って」

つむぎは、小さくうなずいた。

「それと…」

美咲は声を落とす。

「テレビ局が来る可能性、高いねん。
愛菜先生にはもう伝えてるけど、絶対に入れたらあかん」

花音が、表情を引き締める。

「了解です」

その時の美咲は、誰が見てもわかるほど、緊張した顔をしていた。

それだけ、
野球部保護者の怒りが、はっきりと見えていたからだ。

そして、もうひとつ。

学校は、今のところ
保護者に対して、正式な謝罪をしていない。

校長は、職員会議でこう言い切っていた。

「謝罪をする必要はない」

卒業生からも、抗議の電話は何件も入っている。
だが、そのすべてを、

「部外者ですから」

という一言で、取り合わなかった。

美咲は、その対応に強い違和感を覚えていた。

(この説明会は、ただの説明では終わらへん……)

会場の外では、すでに保護者たちが集まり始めている。

重たい空気の中で、
花音が司会台に立ち、つむぎが入口の誘導に入った。

そして
静かに、説明会が始まろうとしていた。

体育館には、すでに重たい空気が流れていた。

保護者席には、腕を組んでいる人、資料を強く握りしめている人、
明らかに怒りを抑えている表情の人もいる。

野球部の部員たちは、後ろの席に固まって座っていた。
誰も声を出さない。

マイクの前に立った花音は、ゆっくり息を整えた。

「本日は、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。
ただいまより、野球部に関する説明会を開始いたします。」

体育館は静まり返った。

「本日の説明は、校長より学校の方針についてお話させていただきます。
その後、質疑応答の時間を設けております。」

花音は、ちらっと入口の方を見た。

そこには、美咲、校長、教頭が並んで立っている。
美咲の表情は、やはり硬いままだった。

「それでは、校長先生、お願いいたします。」

校長がゆっくり前に出る。

マイクの前に立つと、資料を一度見てから話し始めた。

「本日はお集まりいただき、ありがとうございます。
まず、今回の件に関して学校としての方針を説明させていただきます。」

淡々とした口調だった。

「今回の不祥事を受け、本校では野球部の体制を見直すことを決定いたしました。」

保護者席の空気が、少しざわつく。

校長は続ける。

「来年度以降、野球部の推薦入学は廃止し、一般入試の生徒の中から部員を募集いたします。」

ざわ…ざわ…

「また、新校舎建設の関係で、現在の野球部グラウンドには仮校舎を設置する予定です。」

その瞬間、
保護者席の空気が明らかに変わった。

「えっ…」

小さな声があちこちから聞こえる。

校長はそのまま話を続けた。

「さらに、監督は責任を取り退職することが決まっております。
また、遠征用バスは今後、学校用として使用いたします。」

一通り説明が終わると、校長は静かに言った。

「以上が、学校としての決定事項になります。」

その言葉に

一人の保護者が、勢いよく立ち上がった。

このあと有料ゾーンです。


有料ゾーンへのご案内

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

野球部の不祥事をきっかけに開かれた保護者説明会。
会場には怒りや不安を抱えた保護者が集まり、緊張感のある空気の中で説明会は進んでいきました。

学校の決定事項は簡単に変えることができません。
それでも、美咲は生徒たちのこと、そして野球部のこれからを考えながら、保護者と真正面から向き合います。

新校舎建設計画、仮設校舎の設置、野球部の今後の方針
さまざまな現実が突きつけられる中で、学校としてどのような結論が出されるのか。

そして、野球部の未来はどうなるのか。

この続きは有料ゾーンでお読みいただけます。
ぜひ最後まで見届けていただけたら嬉しいです。

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