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春になると川が動き出す。──2026年春の大津川レポート

大津川ピカピカ隊|Note #004

5月の大津川は、棚卸しの季節だ。

草が伸び始め、水量が増え、枯れ草の陰に隠れていたものが一斉に顔を出す。

春は美しい季節ですが、大津川の河川敷にとってはもう一つの顔があります。冬の間に溜まったゴミが、一気に現れる季節です。

清掃記録アプリ「ピリカ」の直近1年間のデータを見ると、その実態が数字で見えてきます。

ピリカ比較データ

さらに月別グラフを見ると、

  • 1月に約20,659L

  • 2月に約35,540L

  • 3月に37,613L

と、年明けから春にかけて回収量が急加速していることがわかります。
春の川が動き出すとは、こういうことです。

「冬の間に溜まったものが、春になると見えてくる。ある意味、棚卸しの季節ですね。」

祐仙は今年も、春の大津川に降りています。

1. ゴミには、季節がある。ただし、中身ではなく「居場所」が変わる。

4年間データを積み上げてわかったことがあります。大津川のゴミの中身は、実は季節によってそれほど変わりません。年間を通じて、飲料容器(ペットボトル・缶)が全体の約8割を占めています。

変わるのは、ゴミが溜まる「場所」です。

雨の量、草の茂り方、風の向きと強弱——それらが川底の地形を変え、流れを変え、ゴミの居場所を変える。
橋桁の陰、葦が密生する護岸の内側、川がカーブする内岸。
どこを優先して攻めるかは、その日の川の「顔」を読んでから決まります。

「同じ川でも、春と秋では全然違う顔をしてる。季節を知ると、どこを優先して攻めるかが変わってくる。」

ゴミ拾いに、戦略が要る。そのことを、4年間の積み上げは静かに証明しています。

2. 春の大津川には、鴨の赤ちゃんがいる。

「ゴミ拾いをする人」と聞いて、川面を見つめながら黙々と袋を満たしていく姿を想像するかもしれません。

でも実際の春の現場は、少し違います。

草木の緑が出てきて、きれいな花が咲いている。野鳥の雛が育ち始め、鴨が赤ちゃんを連れて泳いでいる。
ツバメが戻ってきて、雲雀が歌っている。

「春は楽しいですよ。ゴミの内容が違うというよりか、自然の芽吹きを感じます。」

祐仙にとっての春の大津川は、「清掃しなければならない場所」ではなく、「生き物たちが動き始める場所」でもあります。
その景色の中でゴミを拾っている、というのが実態に近い。

003でも書いたように、「朝日や夕日がもったいない」という感覚で川に来ている人間にとって、春の大津川はとりわけ豊かな季節です。

3. 「おっちゃん、いつもありがとうな。」

気温が上がると、河川敷に人が戻ってきます。

野鳥の写真を撮りに来るバードウォッチャー、散歩の常連、川沿いをジョギングする人。春になると、顔なじみが増えます。

「何年も通っている方とは、立ち話したりしますよ。鳥と一緒にオッサンも帰ってきます(笑)」

声をかけてくれるのは、常連だけではありません。

「たまーに雰囲気悪そうなにいちゃんたちにも『おっちゃんいつもありがとうな』と声掛けられることもありますよ。こっちも『おう、お前ら若い世代も頼むで』と。短いながらも、地元の人たちとのやり取りはありますね。」

釣り人が声をかけてくれることもあります。「いつも気になってたんです。ちょっとだけですが手伝わせてください!」と、その場でゴミの運搬を手伝ってくれる人も。

ピリカに届く「ありがとう」は、直近1年だけで1,636回、累計では19,829回。でも、現場で直接かけてもらう言葉は、数字には残りません。

「顔を見て言ってもらえる言葉は、また別の重さがある。」

それでも確かに積み上がっていて、祐仙を次の週末も川へ向かわせる燃料になっています。

4. 「ゴミのことだけ考えてると、精神がやられる。」

取材の中で、こんな質問をしてみました。

「春の大津川を見ていて、何を考えますか?」

返ってきた言葉は、正直で、少し笑えて、そしてとても本質的でした。

「ゴミ拾いをしてますがゴミに対しては何も考えてないですね(笑)今日は暑いから水分補給をちゃんとしようとか、暖かくなってきたら動きやすいよねーとか、汗かいた分ビールが美味しいやろなーとか。」

そして、こう続けました。

「たとえ今日めっちゃ綺麗にしても来週には元の姿に戻ってるので、ゴミのことだけを考えてると精神がやられちゃいます。それよりも『体動かそう』『終わった後のビール』『何歩歩いたかな』とかに意識を寄せてます。」

826袋。
過去1年間で37,578L、累計303,620L。

この数字の裏側にあるのは、崇高な使命感でも、歯を食いしばる努力でもなく——「終わった後のビールが美味しい」という、ごく普通の楽しみでした。

持続する活動の強さは、ここにあると思います。

5. 「清掃する体力」はある。次に必要なのは、届ける力。

道具代・ゴミ袋代・処分費は、市・府のサポートで賄えています。

では、私たちが今必要としているのは何か。

「この川で何が起きているかを、もっと多くの人に知ってもらうためのコスト」です。

  • 春の現場を映像や記事で発信し続ける時間とコスト

  • 地域の子どもや若い世代への環境教育イベントの開催費

  • 泉大津の企業・店舗と連携するための広報素材の制作費

一枚の写真を撮り、一本の記事を書き、一つのデータを整理する。
それを積み上げることで、「大津川で何かやってる人たちがいる」が「大津川を守っている人たちがいる」に変わっていく。

その変化を、私たちは今作っています。

6. 一緒に、春の大津川を守りませんか。

大津川ピカピカ隊では、活動を支えてくれる地域のサポーター企業・店舗を募集しています。

「ゴミ拾いには参加できないけれど、応援はしたい」——そういう関わり方を、私たちは歓迎しています。

サポーターになると、こういったことが起きます。

  • note記事・SNS投稿で「〇〇さんの応援で活動しています」とご紹介します

  • 月次の清掃データ(ピリカ)をレポートとして提供します

  • 貴社のSDGs・CSR活動の実績として活用していただけます

詳細は次号(#005)以降でご案内します。
まずはコメントなどでお気軽にメッセージをください。

読んでくださったあなたへ

春の大津川は、今が一番動いています。

鴨の赤ちゃんと、雰囲気悪そうなにいちゃんの「ありがとう」と、ビールの誘惑と一緒に、祐仙は今週末も川に降ります。

フォロー・スキ・シェアが、その背中を押す力になっています。
ここまで読んでくれて、ありがとうございました。

大津川ピカピカ隊 代表:祐仙 剛志 / 広報:上田 龍毅

活動の記録はピリカでも公開しています。


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