伝わっていた。何も言わなかった、あの日から。
何を話せばいいのか、わからない。
息子との会話は、少ない。
うまく話せないまま、時間だけ過ぎた。
誕生日に、
ユニフォームを渡したことがある。
自分の好きな選手の、背番号。
似合うと思った。
それだけだった。
多くは話さなかった。
「これ」
それくらいだったと思う。
しばらくして。
今度は、息子から渡された。
同じように、ユニフォーム。
何も言わずに、渡された。
少しだけ、笑っていた。
ああ、と思った。
伝わっていたのかもしれない。
何を話せばいいのかは、
今もわからない。
でも。
何も伝わっていなかったわけじゃない
父親は、難しい。
でも、悪くない。
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