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常田大希を考察する第二章-Jポップという観点から(前書き2  2010年代に起きた大変化)

1990年代はJポップという言葉が定着するとともに、今も活躍する、或いは今に影響を残す様々なアーチストが出てきたディケイドでした


この続きとして触れざるを得ない年に1998年があります


そこだよねとわかる方が多いと思うんですけど、1998年はaiko宇多田ヒカル椎名林檎浜崎あゆみという、それぞれに強い個性を感じさせるビッグネームがデビューした年として知られています
(アーチストの並びはあいうえお順)

先にタレント活動をしていた浜崎あゆみさんはこの年に歌手としてデビューしています


あくまで由緒正しい邦ロックバンドであるミスターチルドレンの登場以降に多様な展開をしていくJポップに、この4人の女性アーチストが与えた影響もまた無視できるものではありません

が、この4人については別の投稿にまとめることになりました…

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この考察は、始めた当初からオンラインで見つかるサイトや生成AIとのやり取り、自分が蓄えてきた知見や知人との気やすいお喋りで得た気づきと共に、雑誌や書籍なども参照しながら、客観的な事実誤認等の間違いを排するようにやってきてます

自分が10代の頃から毎月購入してきて、今は中身を確認して買うようになった雑誌に『ミュージック・マガジン』という、ややマイナーになってしまったものがあるんですが

昨年の本誌に2000年代と2010年代に分けて、Jポップや邦ロックのベスト・ソングスを決める特集がありました

本屋さんでざっと眺めてみて、2000年代は自分が感じていたそのままに面白みが乏しいように感じ
たものの、2010年代は前半と後半で全然違う音楽となっていて、これも「やっぱりそうなんだよなぁ」という感覚そのままだったので、きちんと紙の本で購入して手元に置いて確認しながらこの投稿を書いています


いつも店頭には限られた冊数しか置いてないのにKindle等の電子書籍では読めないん雑誌なんですけど、この2024年9月号は広くお薦めできる内容になっていると思いました


当たり前のこととして、社会や経済のあり方とともにあらゆる音楽は変わっていくものですが、テクノロジーの変遷が音楽に及ぼす影響も極めて大きなものです

蓄音機の発明と円盤状のアナログレコードの登場からしてそうですし、特に2010年代はスマートフォンでのインターネットの高速回線への接続が個人の手元で完結し、そこに各種のSNSやサブスクリプションサービスがアプリの形で載ってくるとともに、DTMもスマホ一つでやれないものではない時代に入ってきた

各種デバイスのストレージの容量もぐっと増えて、インターネットのコンテンツがテキスト主体からリッチな画像や動画に代わったことも音楽のあり方に寄与しています

そんなテクノロジーの激しい変化が音楽にもそのまま現れていて、2010年代の前半と今に至る後半とでは別世界のような印象すら受けるほどでした


ディケイドの始まりについては、黒うさPの『千本桜』(2011)や

livetuneの『Tell your world』(2012)といった

初音ミクを使ったボカロ曲が二曲セレクトされていたり、ずっとDTMで優れた楽曲をつくってきたtofubeatsがラッパーのオノマトペ大臣をフィーチャーした『水星』(2011)がランキングに残されました




2016年に頻繁に耳にしていた、サチモスの『STAY TUNE』、ラッドウィンプスの『前前前世』、ピコ太郎の『ペンパイナッポーアッポーペン』と、

米津玄師の『Lemon』、『Flamingo』、『パプリカ』やあいみょんの『マリーゴールド』が出てくる2018年に続いて、藤井風の『何なんw』、

YOASOBIの『夜に駆ける』、

Official髭男dismの『Pretender』、米津玄師の『海の幽霊』、そしてKing Gnuの『白日』が

ずらっと並ぶ2019年とを、それぞれの楽曲を当時の個人的な思い出とともに振り返りながら比較すると、明らかに時代の風向きが変わったと感じてしまいます

2025年に多くの人が聴いているJポップは、2018年や2019年の延長線上に発展途上にある延長線上のものと、つくづく感じさせられました


たった2年の違いに過ぎないのに、2018〜2019年と2016年とでは、明らかな断絶があります

この変化には、YouTubeやTikTokの動画配信アプリやSpotifyやApple Musicの他にもたくさんあるサブスクアプリでの音楽体験が影響しているのは言うまでもないこと



あとは、2010年代前半はやはり2011年の東日本大震災の影響が大きかったと感じざるを得ない曲が多い…

NHK朝ドラの『あまちゃん』の劇中で披露された小泉今日子の『潮騒のメモリー』(2013)、AKB48の『恋するフォーチュンクッキー』(2013)、震災と原発事故後にYouTubeにアップされたアーチスト本人の替歌でも知られる斉藤和義の『ずっと好きだった』(2010)、

サザンオールスターズの『ピースとハイライト』(2013)、BRAHMANの『霹靂』(2011)ときて、

アニメ映画『すずめの戸締り』(2022)の公開に際して、監督の新海誠さんが『君の名は』(2016)

からの3部作が完結したということで総括した中で「東日本大震災のことがずっとテーマだった」と語っていたのを読んだ記憶があり、となるとラッドウィンプスの『前前前世』もそうした影響下にあった楽曲だったと断言してもいいでしょう

(この投稿の前に触れた、Jポップを華やかに彩るアーチストが次々と出てきた1994年は、阪神・淡路大震災やオウム真理教による地下鉄サリン事件が今も記憶に残る1995年の前年なんですよね…)



一方で、ディケイド半ばにリリースされたサチモスの『STAY TUNE』あたりから、海外で評価されたシティポップが見直されはじめたこともあって、元々「洋楽」志向が強かったアーチストたちによってサウンドの質がグッと上がっていく印象もありました
ceroの『Orphans』(2014)、

星野源の『恋』(2016)、山口一郎が率いるサカナクションの『新宝島』(2015)、川谷絵音を中心にしたメンバーからなるゲスの極み乙女の『私以外私じゃないの』(2015)あたりには、それを特に強く感じました

このラインナップをもって、洋楽と邦楽という区別が意味を失った時期としたいですね


また、UNISON SQUARE GARDENの『シュガーソングとビターステップ』(2015)や

2012年にアーチストとしてのキャリアをスタートさせた中村佳穂の『きっとね!』(2018)と共に、

BAD HOPの『Kawsaki Dorift』(2018)は、

それぞれに2020年代の音楽や世相を予期させる楽曲だな…と感じさせてくれます


個人的にはメジャーシーンでヒット曲を連発していた当時から最後のミスチルチルドレンのように感じられたセカイノオワリは、過酷な前半生を背負ったメンバーたちの世界観とそれを反映した歌詞に現在との確かな繋がりもあります

ただ、このグループの全盛期の代表作となると『Dragon Night』(2014)あたりだよな…となりますよね


ミスチルが登場してJポップがすっかり定着してから20年近い歳月が続き、敢えて「洋楽」を聴く人たちは激減していきます

それまでの歌謡曲と近しい邦ロックと比べても、クオリティの高いサウンドに乗せた親しみやすいメロディと共感できる日本語の歌詞があるのだから「それで充分だよね」となるリスナーさんの気持ちはわからないでもありません

坂本龍一さんは「ミスチルや他のバンドのメンバーたちが多感な頃に聴いてきた洋楽にも興味を持ってほしい」という趣旨の発言を残していますが、2010年代半ばからはJポップそのものがドメスティックな志向から、洋邦関係なく全部横並びに変わっていく光景をまざまざと感じさせてくれるこのランキングをもってしても、「良くも悪くも」と個人的には思うものの、坂本さんが指摘した聴きて側の傾向はKポップを除いてあまり変わっていません

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邦ロックがずっと中心であり続けたJポップが大人気となって日本人に定着した20年ほどの間、アメリカのヒットチャートを席巻していたヒップホップやネオソウルやジャズに至るまでの音色を決定づけて今なおその影響の残すのが、1995年に"Braun Suger”でのデビューを経て2000年の"VooDoo”で圧倒的に高く評価されたディアンジェロです

彼がつくったネオソウルとはほぼ無縁だったJポップのシーンとの乖離は甚だしいものがありました…


デイアンジェロがやったことは、1970年代のマーヴィン・ゲイの"What's Going On”に匹敵する途轍もなく大きなソウルミュージックの革新だったんですけど、Jポップの主流なマーケットにこの潮流が反映していくのは2020年代に入って以降です

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一方で、少し古ぼけてしまったかのように感じられるミスチル流の邦ロックをポップ寄りに振りながらアップデートさせ、極めて完成度の高い音楽を届けてくれる人たちも出てきていて、あくまで「洋楽」が好きだった自分でもそのまま受け入れられるほどに、今のJポップはクオリティが高くて多様性に富んでいるとつくづく思うものです

この感じは自分好みですね🙂


現在では当たり前となっている海外展開の先駆けとなったグループが現れ始めたのも2010年代のアーチストの特徴で、かつての海外単独ツアーで4万人を集めたラッドウィンプスもそうですし、彼ら以上の観客動員を記録しているのが24年のツアーで19万人の動員を記録したONE OK ROCKや、23年にフェスへの参加を除いた単独ツアーで24万人以上の集客を誇るベイビー・メタルが思いつきます

ただし、特定のジャンルに特化したベイビー・メタル以外は、メインのマーケットは今もあくまでドメスティックなものとも感じます


ONE OK ROCKはその構造を打破するべく懸命な活動を続けているものの、YOASOBIのAyaseさんが2022年の大晦日に残したXのポストに綴られた決意は並々ならぬもので、

「今年も素敵な出会いに恵まれ
自分自身と向き合える場面に恵まれ
音楽を創造する時間に恵まれた良い一年でした。いつも応援してくれてる皆のおかげですありがとう

来年の抱負は健康と挑戦

20代ラストイヤー、ここまでの人生一、
頭も体もフル回転させていきます
来年もどうぞよろしく

良いお年を🌃」

実際に翌2023年に『アイドル』をリリースして大ブレイクを果たし、海外人気ではるかに先行しているKポップの水準を目指していきますし、


その試みがある程度までは成功したとの自信と、まだまだやり切れていないという悔しさがあるからなのか、近頃のAyaseさんは多くの日本人にはあまり好ましくなく感じるほどのとても目立つタトゥーをいれてます

その強烈な「覚悟」のほどを見せつけるように感じていた自分は一言「気合い入ってんなー」とずーっと変わらず好意的に見ていますよ


彼らの海外単独ツアーは40万人規模という成果となり、続くADOさんや藤井風さんの海外ツアーの規模は観客動員数が50万を超えるとされ、最新のテクノロジーをフル活用している点で一世代前のアーチストとは異なるとはいえ、メジャーデビューしてからの短期間にも関わらず、その規模感は先輩アーチストを大きく超えてきています

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Kポップはもはや完璧な見た目のアイドルがヒップホップに乗って完璧なダンスを魅せるだけのものではなくなってきており、その多様性は日本のJポップを凌ぐと思わされたのが、つぶやきでも軽く記録しておいた


Kim Areum
という女性アーチストの音楽で、日本のシティポップとほぼ時期を同じくしてアメリカの「ブラック」ミュージックの主流となったブラックコンテンポラリーというジャンルを取り込んだ、一歩先を行く感覚は「スゴいね…」と聴き惚れてしまうほどでした

今やすっかり定番として定着したシティポップのテイストも含ませたりもして、とにかくセンスがいいんです


ブラックコンテンポラリー(略してブラコンと呼ばれます)はそれまで人力で演ってきたバックの演奏をデジタルに置き換えた音楽で、その当時はまだアンダーグラウンドな存在だったヒップホップやハウスと比較すると音つくりがリッチなのが特徴です

テクノポップに対応する、新しいテクノロジーを取り入れたブラックミュージックとも言えるかと

古くからのソウルやR&Bを愛好してきたマニアの人たちからはこんなものはブラックミュージックじゃないと激しく非難されるほどの異論もありながら、結果的には今のネオソウルに至るまでの流れを決定づけた、そんな音楽です


これぞブラコンという人ならば、ルーサー・ヴァンドロスのこの曲はずっと好きでしたねー

もう一方の雄であるフレディ・ジャクソンは甘いバラードを得意にしています

ただ、このジャンルの先駆者は、ココでもマーヴィン・ゲイになってくるんですよね


この流れからホイットニー・ヒューストンからホビー・ブラウンらのニュージャックスウィングへと連なります

イギリスのシャーデーを含める人もいますが、個人的にはちょっと違う感覚かな…


むしろ、少し時代は降りますがシャニースを代表する、今でもFMでヘビープレイされることも多いこの曲の方が相応しいと感じますし、端的に言って最初に耳に飛び込むや否やという勢いで即12inchのシングルヴージョンを買ったほど好きな曲でした😌


Kポップは、DJのNight Tempoがシティポップの伝道師のようになって世界に広めたように、目のつけどころがいち早くて、どのジャンルのどこに目新しさがあるのかとはっきりさせて、キッチリ狙っていくセンスも「抜けている」と思います

現在のJポップアーチストが追うものは限りなく高いところにあるんだという傍証にはなるか…な


ランキングに戻ると、少女時代の『Gee』(2010)が入ってました

ピチカートの小西康陽さんが悔しがっていたとのエピソードが添えられていて、確かに聴き直してみるとNJSにも通じるポップなテイストが曲にも日本語詞にも溢れており、今だからこそ聴いてみるのは確かに大アリです

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