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好きな“邪道な王道”系作品について語る

最近始めたお便り募集に早速お便りが来たので紹介させて頂きます!

ありがとうございます!

王道にも邪道要素があるというのは、実は昔からそうですよね~

例えば『ONE PIECE』の戦闘中に挟まれる回想シーン
当時はワンピース特有の、いわば“邪道”とも言える演出でしたが、時がたった今では多くの作品が取り入れる“王道の一種”になっています

売れる漫画の法則の一つとして、「王道と邪道の両立」があると言えるのかもしれません

そして、その仮説を体現したのが『バクマン。』の主人公たち
自分たちの得意な邪道路線をベースにしつつ、王道路線を取り入れるという“邪道な王道”で成功を掴みました

そしてこのタイプの作品、個人的にはかなり好きなんですよね

というわけで今回は、そんな“邪道な王道作品”の中から、選りすぐりをいくつか紹介していきます!


そもそも「邪道な王道」とは何か?

まず、「王道作品に邪道を取り入れた作品」と何が違うのか、という話になりますよね

結論から言うと、題材が邪道で、それを描くためのテクニックやテーマはあくまで王道。そう言い換えられる作品だと、個人的には考えています

いわゆる「邪道を取り入れた王道作品」は、既存の売れた実績のある題材をベースに、そこへ別の要素を組み込むことで差別化している作品です

それに対して「邪道な王道」は、そもそも題材の時点で見たことがない、いわば邪道な切り口からスタートしている作品です

ただし、その中で描かれる面白さの核
たとえば仲間との協力や、積み重ねてきた謎の解明といった要素は、しっかりと王道に基づいている

つまり、入口は邪道だが、読者を惹きつける構造は王道
これこそが「邪道な王道」と呼べる作品の定義とします

おススメな邪道な王道作品

ここからは僕が好きな邪道な王道作品を紹介していきます!

ハイパーインフレーション

差別階級の少年が、「体から偽札を生み出す能力」を授かり、自分たちの国を“買う”ことを目指す作品です

この手の作品の王道でいえば、主人公の能力はもっと分かりやすい魔法だったり、少し捻っても鉄や食料を生み出す力になりがちで、物語も正面からぶつかる戦記ものに着地しそうな題材です

しかしこの作品では、「偽札を生み出す」という一点から発想を広げ、搦め手や裏工作を駆使して状況をひっくり返していく構造になっています
この時点で、題材としてはかなり邪道と言えます

ただ、その中で描かれるものはしっかり王道です

  • 能力を使って成り上がろうとする“努力”

  • 道中で出会う人々との“友情”

  • そして、それまでの情報がすべて繋がった先にある大逆転“勝利”

こうした“面白さの核”は、まさにジャンプ的な王道そのものです

邪道な題材でありながら、読後感はしっかり王道
そのバランスこそが、この作品の魅力だと思います

経済を扱っているにもかかわらず、驚くほど読みやすい作品なので、気軽に手に取ってみてほしいですね

灼熱カバディ

マイナースポーツであるカバディを主軸にした作品
野球やサッカーといったメジャースポーツではなく、あえてカバディを題材にしている点が邪道ですね

ただし、そのストーリー運びは徹底して王道
むしろ、下手なスポーツ漫画以上に“熱さ”を前面に押し出した試合展開が最大の魅力になっています

さらにこの作品が優れているのは、「カバディがマイナースポーツである」という前提を最後まで忘れていないところです
何も知らない読者に対して、その面白さをどう伝えるかという最も重要な部分を丁寧に押さえているため、非常に読みやすい構成になっています

最初はカバディについて何も知らなかったはずなのに、読み終える頃にはその“灼熱”の世界に引き込まれている
まさに邪道な題材を王道で描き切った好例と言える作品です

個人的にはスポーツ漫画の中で一番好きな作品です

Thisコミュニケーション

謎の生命体の侵略によって人類が滅びかけてる、いわゆるポストアポカリプスものの世界
それに対抗するため生み出された「死ぬと1時間前の状態で復活する」という不死の力を持つハントレスたちと、そんな彼女たちを率いることになった元軍人・デルウハ

そんな彼が理想の部隊を作るために取った手段
それが「隊員達が都合の悪い記憶を持った時、それを殺してリセットすること」という作品です

言うまでもなく、題材は完全に邪道です
それも僕が今まで読んできた作品の中でもここまで振り切ってる作品はそうなかったですね

それだけでなく、そんな主人公がそこまでして部隊を整える動機が「一日三食ちゃんと食べるため」という大義もクソもないものであったり、さらにその過程もどこかギャグめいたテンポで処理されていく
残酷さすら王道的に描かず、あえて軽妙さを混ぜてくるあたりも含めて、徹底して“邪道”の構造になっています

では、どこが王道なのか

それはこの作品の本質が、タイトルにもある通り「コミュニケーション」であるところです

本来、人間関係は失敗してもリセットできないもの
取り返しのつかない積み重ねの上に成り立っていくものです

しかしこの作品では、その前提をぶち壊し「やり直しが可能な関係性」を描いている
もしそんなことができたなら人間関係は本当に円滑になるのか?
そうしたテーマ自体は、現実の私たちにも直結する非常に普遍的で王道なものです

つまり、やっていることはめちゃくちゃなのに、描こうとしている核心はど真ん中の王道。これもまた「邪道な王道」の一例と言えるでしょう

……とはいえ、正直なところ
そんなテーマを建前にしてデルウハ殿が大暴れするドタバタコメディとして読むのが一番楽しい気もしますが

どの角度から見ても面白いことに変わりはないので、かなりおすすめできる作品です

終わりに

以上。邪道な王道作品の紹介でした~

この手の作品は本当に好きなものが多く、前から紹介したいとは思っていたんですが、好きすぎるがゆえにどこを基準に語ればいいのか分からず、なかなか形にできていませんでした
なので今回ちょうど良い機会になりました!グッドな質問に感謝です!!

リクエストの方、まだまだ募集中です!
読んで欲しい漫画や考察系記事のアイデア、雑記用の質問、記事の感想などどしどしお願いします!


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