短編猫小説 「心のこもったクリスマスプレゼント」
今日も天気だ、おひさま気持ちいい~!
ぼくはキジトラねこのさん太。
こっちは子分のハチワレのごん太。
ふたりはママにゃと暮らしている。
毎日、最高なんだにゃ。
ふたりのママにゃは人間という仕事をしているらしい。
いつも忙しくしているけど、ぼくたちのこととなれば
何をおいても「最優先」
と~ってもやさしいママにゃのだ。
「あにぃ、そろそろクリスマスがくるけど?」
「あ~、いつものヤツな。キラキラ光るおもちゃがぶら下がる
クリスマスツリー。今年もダイブしたいにゃ!」
「あにぃ、去年もそれでたっぷり叱られたの、忘れたの?」
「…あ、そうだったにゃ」
「ところで、あにぃ。
ママにゃへのクリスマスプレゼント、どうする?」
「そうだな。おれのなまえもさん太だしな…。
ってそれは関係ないか…」
去年のクリスマス…。
人間たちはクリスマスにならって、さん太はごん太と
ママへのプレゼントを考えた。
考え抜いて、決めたのが冬眠前に動きがトロくなった「ヤモリ」。
ふたりでがんばって、つかまえて、ママにゃへのプレゼントにした。
「ふんぎゃーーー」
天をつんざく悲鳴にふたりは固まった。
「ママにゃ、おれらのプレゼントきらいだったのか?」
ママにゃは固まったまましばらく動かなかったけど、
何かを決心したような顔になって
ほうきとちりとりをもってプレゼントを片付けてしまった。
去年の記憶をふたりでにがにがしく思い出して、
今年のプレゼントを考えた。
「あにぃ。そういえば、ママにゃは佐藤健が大好きだにゃ」
「お、おまえもきづいていたか・・・」
「だって、いつも佐藤健が出てくるとぼくたちを見る時と
同じ目になっているよ」
「いや、おれらよりも・・・。決めた!
この前ママにゃが佐藤健の写真を
なくしたといっていたからそれを探そう!」
「さすが、あにぃ!」
そんなこんなで、ふたりは、部屋のあらゆるところを探した。
毎日、毎日探した。
そして、机の横の隙間に落ちているのを見つけた。
「あにぃは器用だから、とれる?」
「おう!まかせろ!」
ところが……。
うっかり、写真にさん太の細い爪がひっかかってしまい、穴があいてしまった。
「あにぃ…」
「どうするよ?またママにゃが固まってしまうよな?」
「そうだね。もっと悲しむかも?」
「元に戻しておく!」
そういういと、さん太は写真を口にくわえて机の隙間にそっと写真を戻した。
ママにゃの悲しむ顔は最悪だ。
だから、ふたりでなにもしないでツリーの前で寝転がることにした。
また、いい考えがおもいつくかもしれないし。
「あらまあ、ふたりともかわいい。この寝顔こそが最高のプレゼントね」
ママにゃがそっとふたりをやさしくなでた。
「むにゃむにゃ・・・」
「ツリーにダイブは最高だニャン」
浅い眠りの中で、遠くでトナカイの鈴の音が聞こえたような気がした。
「ママにゃ、メリークリスマス!!」
~お読みいただきありがとうございました~
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