後悔しない住宅選び|建築目線の基礎知識① ピロティ住宅の注意点
中古住宅を選ぶとき、多くの人が最初に不安に感じること、それは
「この住宅は、壊れないの?」
ということではないでしょうか。
耐震診断やプロのチェックが最終的には重要なのは間違いありません。
しかし実際の住宅購入では、たくさんの物件の中から、ある程度当たりを付けて選んでいく必要があります。
そのための基準として、私が重視しているポイントをこの「後悔しない住宅選びシリーズ」でお伝えします。
今回は、「ピロティ」のある住宅についてです。
■ この記事で言うピロティ住宅とは?
本記事では、
1階部分にピロティ(車庫スペースなど)
その上(2階・3階)を居住空間
という形式の住宅を指して記載します。
土地が狭かったり、住宅密集地で駐車スペースが確保しにくい都市部などで人気の形式です。
■ なぜ構造的に注意が必要なのか?
ピロティ住宅の構造で特に注意したいのは、
1階に大きな開口(車が出入りするスペース)があることで、支えるべき壁や柱が減ることです。
建物は地震の揺れに対して、
壁がある場所で支える
壁がない部分は揺れに弱くなる
という特性があります。
そのため、1階の壁量が少ない住宅は、1階が揺れのエネルギーを受け止めにくくなります。
これは、新耐震基準以前の木造住宅でよく見られる「1階が弱い」現象と同じ帰結を持つため、注意が必要です。
■ 中古住宅ならではの落とし穴
特に中古住宅では、
構造計算書が残っていない
壁量や耐震性能の根拠が不明
築年が古く、経年劣化が進んでいる
といったケースが多くあります。
ピロティ住宅は、耐震性に余裕がない状態で設計されていることも少なくありません。専門家による耐震診断でも、
1階の壁が少ない住宅は
「ギリギリで基準をクリアしているだけ」
ということもあります。
つまり、中古住宅の場合は、
・築年
・図面・計算書の有無
・耐震診断の履歴
これらを意識して選んでいくことが、後悔を減らすコツです。
■ 新築でも注意が必要
もちろん新築の場合でも、ピロティは構造的に設計の難易度が高い形式です。
大きな開口部を支えるためには、
柱や梁を太くする
補強金物を増やす
設計に高い構造計算が必要になる
などの対応が必要になりがちです。
その結果、構造コストが上がる傾向があり、総工費にも影響します。
つまり、
車の駐車場所分土地が安くなっても、
建築部分で余計にお金がかかる
ということです。
■ 住み方の視点も大切に
構造の話と同じくらい大切なのが、
いつまでその家に住むのか?
という視点です。
例えば、
1階にガレージ
2階がLDKや主寝室
という間取りの場合、日常的に階段の上り下りが必要になります。年齢を重ねると、この階段が大変になってくるケースがあります。
実際に、
エレベーターを後付けした
家を売って賃貸に住み替えた。
という選択をする人もいます。
住宅を選ぶ際は、「人生の時間軸で住む場所を考える」ことも大切です。
■ まとめ:構造と暮らしの両方で選ぶ
ピロティ住宅は便利で魅力的な形式です。雨の日でも濡れずに車に乗れる、室内への動線が楽、というメリットもあります。
しかし、
壁量が減りやすい構造
中古では構造の見えにくさ
新築でも構造強化コストがかかる
将来の暮らし方を考える必要がある
という点は、住宅選びの重要な判断材料になります。
これらを踏まえて、住宅選びの基準としておくと、後悔しない選択がずっと増えると思います。
以上です。
みなさんがより良い家選びが出来ますように。
ちょこ旅でした!
▼今あなたが住んでいる方を高める方法も書いています。ぜひ読んでみてください。
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