ダイモーン
気がつけば、前回の更新から2週間が過ぎていた。
昔、「更新が不定期なブログほど読者をがっかりさせるものはない」と誰かが言っていたけれど、それが本当なら私は今ごろ「がっかりの師範代」を襲名しているはずだ。
加齢の進む自分にとっての2週間なんて、感覚的には「昨日」である。
けれど世間から見れば、「あれ? この人、もしかして人知れず骨にでもなったのかな」と思われてもおかしくない時間なのかもしれない。
期待されていないのは重々承知の上で、言い訳をふたつだけさせてほしい。
ひとつは単純に、文章がさっぱり出てこなかったこと。
「職員室からの風景」とか「妖怪が見える同僚」とか、色々書き始めてはみたものの、どれも途中で「……で、だから何?」となってキーボードを叩く手が止まる。
警察時代の話も、前回重くなりすぎた反省があるし、どこまで書いていいかのボーダーラインが絶妙に難しくて、どうにも乗ってこない。
ふたつ目は、日常にこれといった刺激がないこと。
家と職場を往復し、誰の命も脅かさない、ドキドキのない仕事をこなす。
ある意味、それはこの上なく平和で幸せなことなのだが。
思えば、私は昔から文章が書けるときと書けないときの差が激しい。
乗っているときは冷えた炭酸水の泡みたいに言葉が湧いてくるのに、ダメなときは完全に「気の抜けたぬるいコーラ」だ。
ドス黒くてベタベタして、底からなにも浮かんでこない。
おまけに鉛筆を持とうがシャープペンを持とうが、キーボードに向かおうが、どうも手が動かない。
困り果ててAIに相談してみたら
「病気の可能性は極めて低いです。ライターズ・ブロックと呼ばれる自然な心理現象です」
と、思いのほか優しく慰められてしまった。
AIに励まされる60代というのも、なんだか味わい深い。
こうなったら、古代ギリシャの説を借りるしかない。
「インスピレーションとは人間から生まれるものではなく、神聖なスピリット(霊)が降臨するものだ」というアレだ。
要するに、この2週間は神様がちょっと多忙で、私のもとに降りてこなかっただけなのだ。うん、そういうことにしておこう。
そう考えると、来る日も来る日もエベレストのような壁を越えて、山登りの経験もない観客(世間)からあーだこーだ評価されるプロの作家や漫画家、ブロガーは、本当にすごい。
それに比べたら、私の記事なんて大した話じゃない。
タンスの奥に眠る「錆びた勲章」を引っ張り出してくるのは控えめにして、神様がまたひょっこり降りてくるのをのんびり待つとしよう。
