【2027年度(令和9年度)最新】山形大学農学部の編入試験を徹底解説|募集人員・試験科目・配点・面接・難易度まで完全網羅
山形大学農学部(食料生命環境学科)への3年次編入を考えているあなたへ。この記事では、令和9年度(2027年度)入学の公式募集要項と、大学が公表している編入学試験の実施状況をもとに、コース構成・募集人員・試験の中身・出願資格・日程・難易度の見方までを、初めての方にもわかるように整理しました。
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山形大学農学部の編入は、筆記試験がありません。代わりに課されるのが「プレゼンテーション(口頭試問を含む)」と「TOEIC®/TOEFL®のスコア提出」という、全国的にもかなり珍しい方式です。しかも試験は7月、出願は6月上旬。秋実施が多い編入試験とはリズムが違うので、気づいたときには出願が終わっていた——という取りこぼしが起きやすい大学でもあります。この1本で、「何を準備して、いつ動けばいいのか」がまるごとつかめます。
【30秒サマリー|令和9年度(2027年度)】
対象:食料生命環境学科(1学科3コース制)の3年次編入。2年次編入や学士入学の別枠募集はなく、大学卒業者もこの3年次編入で受験します
募集人員:若干人(=人数を明示しない少人数枠)
選抜:プレゼンテーション(口頭試問を含む)の成績+TOEIC®等のスコア(点数換算)を基に総合選考。筆記試験なし
プレゼンのテーマは事前公表:「広義の農学」に含まれる分野の中で、これまでに自分が熱意を持って取り組んだ事柄(10分程度・スライドやポスター使用可)
TOEIC®(IPを含む)またはTOEFL®(iBT・ITP)の成績通知書の写しが出願書類として必須。TOEFL iBT® Home Edition は対象外
日程:事前相談 5/18(月)まで → 出願 6/5(金)〜6/10(水) → 試験 7/4(土) 10:00〜17:00(予定) → 合格発表 7/28(火) 11時
検定料:30,000円/会場:山形大学農学部(鶴岡市若葉町1-23=鶴岡キャンパス)
コース希望は第2希望まで記入可。各コースに受入上限があるため、志望コース次第では成績上位でも不合格になり得ます
この記事を書いた人|オンライン編入学院
大学編入試験専門予備校のオンライン編入学院が監修・執筆しています。募集人員・試験科目・配点・日程・倍率は、各大学が公表する募集要項・入学者選抜実施結果を確認したうえで、合格者から寄せられた体験談など編入指導で蓄積した知見もふまえて記載しています。大学が公表していない項目は、推測で補わず「非公表」と明記しています。
山形大学農学部の編入はどんな試験?
山形大学農学部は 食料生命環境学科の1学科制で、その中に 3つのコース(アグリサイエンス/バイオサイエンス/エコサイエンス)があります。学部があるのは、日本有数の穀倉地帯・庄内平野に立地する鶴岡キャンパス(山形県鶴岡市)です。
この学部の編入で、まず最初に頭に入れてほしいのは次の1点です。
筆記試験がありません。 選抜は、公式の募集要項に「プレゼンテーション(口頭試問を含む。)の成績及びTOEIC®等のスコア(点数換算)を基に総合的に選考します」と明記されているとおり、この2つが柱です。志望理由書や成績証明書は、プレゼンテーション(口頭試問を含む)の際の参考資料として使われます。
つまり、多くの大学の農学部編入で必須になる「生物・化学の専門筆記」「英語の筆記」といった当日の一発勝負がない代わりに、
これまでに自分が何に打ち込んできたかを、10分のプレゼンで語り切る力
出願までに用意しておく英語スコア
という、“事前の積み上げ”がそのまま得点になる設計になっています。当日の暗記勝負ではなく、準備期間の使い方で差がつくタイプの試験だと考えてください。
💡 「筆記がない=ラク」ではありません。むしろ逆算の難易度が上がるタイプです。英語スコアは出願時点(6月上旬)までに手元になければならず、プレゼンの中身は「これまで取り組んだこと」なので、直前に思いつきで作れるものではありません。“今から積む”ことが、そのまま合格材料になる——それがこの試験の本質です。
なお、山形大学農学部が募集しているのは第3年次編入学のみで、2年次編入や「学士入学」という別枠は設けられていません。すでに大学を卒業して学士の学位を持っている人も、同じこの3年次編入の枠(出願資格の1つ「学士の学位を有する者」)で受験します。ここは混同しやすいので、最初に整理しておきましょう。
① 学科・コース構成(3コース+3プログラム)
食料生命環境学科は1学科3コース制です。学部生の場合、1年次は山形市の小白川キャンパスで基盤共通教育と専門基礎科目を学び、2年次に鶴岡キャンパスへ移行するタイミングでコースに配属されます。3年次編入生は、はじめから鶴岡キャンパスに所属して専門教育に入ります。
アグリサイエンスコース:育成する人材像 安全な農畜産物の持続的生産・管理を担える人材 / 学ぶ内容(公式より) 安全な農畜産物を持続的・安定的に生産する理論と技術。さらに、限られた資源(物的資源・人的資源)を有効に使うマネジメント
バイオサイエンスコース:育成する人材像 生命科学・食品科学などに関わる現場で活躍できる人材 / 学ぶ内容(公式より) 植物・微生物・高等動物など多様な生物を対象に、生理機能の解明や有用機能の探索・改良を基礎から応用まで
エコサイエンスコース:育成する人材像 森・水・土を知り、地域・地球環境の問題を解決できる人材 / 学ぶ内容(公式より) 農林業の基盤となる自然環境・生態系のメカニズムと機能を理解し、持続可能な形で管理・保全する理論と技術
それぞれのコースがどんな研究を抱えているのかを、もう少し具体的に見ておきます(学部公式のコース紹介より)。
アグリサイエンス:作物の生理生態・果実の発達と成熟/植物病害の発生生態と防除/スマート農業・作業の省力化/家畜の飼養管理・栄養学/農業経営・フードシステム/分子育種学
バイオサイエンス:嫌気性微生物の生理生態と資源化技術/在来作物の遺伝資源と育種/植物と昆虫の相互作用/食品成分の健康機能・加工技術/動物の生殖・胚発生の分子機構
エコサイエンス:木材組織学・森林資源の材料化学/森林・林業の経済政策/閉鎖性水域の水環境解析・流域環境の保全/森林性哺乳動物の生態と管理/環境保全型農業の技術開発
さらに、3年次からは3つの履修プログラムのいずれかを選択します。編入生はまさに3年次からの入学なので、ここは「入学後すぐに関わる選択」です。
基幹プログラム:各コースの課題を解決する理論・技術を学び、サイエンスを指向する
地域創生プログラム:食や農を核とした地域振興のニーズに応え、地域社会をマネジメントする方法を学ぶ
国際展開プログラム:語学力の向上、留学生との交流を含む演習、海外実習などで国際的な感覚を身につける
💡 プレゼンや口頭試問で「入学後に何をしたいか」を語るとき、コース名だけでなく履修プログラムまで言及できると、下調べの深さが一段違って伝わります。「アグリサイエンスコースの地域創生プログラムで、〇〇に取り組みたい」——この解像度が、志望度の証明になります。
② 募集人員と日程(令和9年度・公式)
学科:食料生命環境学科
募集人員:若干人
編入年次:第3年次(2027年4月入学)
受験上・修学上の配慮の事前相談:令和8年5月18日(月)までに農学部入試担当へ
検定料の払込期間:令和8年5月27日(水)10時〜6月10日(水)16時30分(日本時間・厳守)
出願期間:令和8年6月5日(金)〜6月10日(水)(土日を除く、9:00〜16:30。郵送も6/10必着)
試験日:令和8年7月4日(土) 10:00〜17:00(予定)
試験科目:プレゼンテーション(口頭試問を含む)
試験場:山形大学農学部(山形県鶴岡市若葉町1-23)
合格発表:令和8年7月28日(火) 11時(大学HP「入試案内」に受験番号を掲載)
入学手続期間:令和8年8月17日(月)〜8月20日(木)(郵送も8/20必着)
検定料:30,000円
入学料:282,000円
授業料:年額535,800円(半期267,900円/予定額)
ここで押さえておきたい注意点を3つ挙げます。
(1) 出願は6月上旬、試験は7月上旬。 秋実施が主流の編入試験と比べて、数か月早いスケジュールです。「夏休みから本気を出そう」と思っていると、その時点で出願も試験も終わっています。前年の秋〜冬には動き出すのが現実的なラインです。
(2) 検定料の払込には“開始日”がある。 払込は令和8年5月27日10時からで、それより前には払えません。締切は出願締切と同じ6月10日16時30分。支払い後に「収納証明書」を台紙に貼って他の書類と一緒に提出する必要があるので、支払い→書類同封→郵送の手順を逆算しておきましょう。郵送は書留速達指定です。
(3) 「若干人」=人数非公表。 「若干人(じゃっかんにん)」は、あらかじめ合格者数を決めず、その年の状況に応じて少数を合格させるという意味です。定員から倍率を逆算することはできません。ただし山形大学農学部は後述のとおり実施状況を公表しているので、そこから実際の規模感はつかめます。
③ 倍率と難易度の「正しい見方」
山形大学農学部は、第3年次編入学試験の実施状況(募集人員・志願者数・受験者数・合格者数・入学者数)を公式サイトで公表しています。 編入では非公表の大学が多いなか、実数が確認できるのはありがたい情報公開です。公表されている直近2年分は次のとおりです。
令和7年度:募集人員 若干人 / 志願者数 3 / 受験者数 3 / 合格者数 3 / 入学者数 3 / 実質倍率<br>(受験÷合格) 1.0倍
令和8年度:募集人員 若干人 / 志願者数 4 / 受験者数 4 / 合格者数 3 / 入学者数 2 / 実質倍率<br>(受験÷合格) 約1.3倍
この数字の読み方を、丁寧に整理します。
まず、母数が非常に小さい試験です。 志願者は年3〜4人。倍率の数値自体は1倍台ですが、「1人落ちれば倍率が跳ね上がる」規模であり、年度によって大きく振れます。「毎年1.0〜1.3倍だから安全」と読むのは危険です。
次に、「志願者が少ない=誰でも受かる」ではありません。 要項には、コース選択について次の重要な但し書きがあります。
各コースにおいて受入上限があるため、志望コースによっては成績上位者でも不合格となる場合があります。
つまり、総合成績が良くても、志望コースの受入枠が埋まっていれば不合格になり得るということです。だからこそ要項は第2希望まで記入できる仕組みにしており、「第2希望で合格となる場合がある」とも明記しています。志願者が少ないこの試験で、実はコース戦略が合否を分ける隠れた変数になっているわけです。
そして、選抜の中身は“比較”ではなく“到達度”です。 筆記試験がなく、プレゼンテーションと英語スコアで総合選考する以上、評価されるのは「他の受験生より1点高いか」よりも「この学生を3年次に受け入れて、農学の専門教育についてこられるか」という判断に近くなります。令和8年度は志願4人に対し合格3人で、全員合格ではありませんでした。準備不足の受験生は、志願者が少なくても通らないということです。
💡 難易度をまとめると——「倍率の壁は低いが、通過ラインは存在する」試験です。コントロールできない倍率を気にするより、①英語スコアを出願までに確保する、②10分のプレゼンを“語れる中身”にする、③志望コース(と第2希望)を戦略的に決める——この3つに集中するのが、そのまま合格確率を上げる行動になります。
④ 出願資格(社会人・在学中・高専卒は受けられる?)
次のいずれかに当てはまれば出願できます(令和9年3月までに該当する見込みの人を含む)。
⑴ 学士の学位を有する者 ← 大学卒業者・社会人の学び直しはここ。学位授与機構から学士を授与された人も含みます
⑵ 短期大学もしくは高等専門学校を卒業した者 ← 高専・短大からの王道ルート
⑶ 他の大学に2年以上(休学期間を除く)在学し、一般教育科目23単位および英語2単位を含む65単位以上を修得した者 ← 四大2年生からのルート
⑷ 外国の短期大学を卒業した者、および文部科学大臣が指定する外国の短期大学相当課程を日本国内で修了した者
⑸ 専修学校の専門課程のうち、文部科学大臣の定める基準を満たすもの(修業年限2年以上・総授業時数1,700時間以上)を修了した者
⑹ 学校教育法施行規則附則第7条に定める従前の規定による学校の課程を修了・卒業した者
ポイントを噛みくだくと——
高専卒・短大卒は当然に対象。編入で想定されているメインの層です。
四年制大学の2年生からでも受験できます。ただし単位要件が独特なので、次の枠を必ず読んでください。
すでに大学を卒業した社会人も、学士の学位があれば⑴で出願できます。この大学には別枠の「学士入学」がないため、学士を持つ人もこの3年次編入を受験するという整理になります。
在学中の大学生が受ける人へ:単位要件が「65単位」です
多くの大学の編入で使われる要件は「2年以上在学+62単位以上」ですが、山形大学農学部は「一般教育科目23単位および英語2単位を含む65単位以上」と定められています。総単位数が3単位多く、しかも“一般教育科目23単位”“英語2単位”という内訳の指定まで付いているのが特徴です。
つまり、専門科目ばかり取っていて教養科目や英語の単位が薄い人は、単位数は足りているのに要件を満たさないという事態が起こり得ます。出願を考えているなら、今すぐ自分の成績表で「一般教育科目が23単位あるか」「英語が2単位あるか」を数えてください。 足りなければ、2年次の履修登録で埋めておく必要があります。
なお、この⑶で出願する人は卒業(見込)証明書の代わりに在学証明書(休学期間がある場合は明記されたもの)を提出します。
入学手続を終えても、要件を満たせなければ入学取消し
要項には「入学手続完了者が、令和9年3月までに所定の出願資格を満たすことができない場合は、入学を取り消します」と明記されています。見込みで受験する人は、単位の取りこぼしがそのまま入学取消しに直結します。3年次前期・後期の成績が出るタイミングを含めて、逆算しておきましょう。
⑤ 試験科目と配点(ここが一番大事)
山形大学農学部の編入は、筆記試験を課しません。選抜方法は要項に次のように定められています。
プレゼンテーション(口頭試問を含む):内容 指定テーマについて10分程度の発表。発表スライドやポスター等を使用可。その後、発表内容や出願書類の内容について質疑応答 / 扱い 選抜の柱その1
TOEIC®等のスコア:内容 TOEIC® TEST(IPを含む)/TOEFL® TEST(iBT・ITP)のいずれかの成績通知書の写しを出願時に提出。点数換算して評価 / 扱い 選抜の柱その2
志望理由書・成績証明書等:内容 プレゼンテーション(口頭試問を含む)の際に参考とする / 扱い 参考資料
ここで、初心者がつまずきやすいポイントを整理します。
(1) 配点の内訳は公表されていません。
要項の表現は「プレゼンテーション(口頭試問を含む。)の成績及びTOEIC®等のスコア(点数換算)を基に総合的に選考します」です。「プレゼン何点・英語何点」という配点は公表されていませんし、TOEICの点数換算式も示されていません。したがって、「TOEIC◯点あれば合格」という合格ラインは、公式情報の範囲では存在しません。確実に言えるのは、英語スコアが評価に直接組み込まれている(点数換算される)という一点です。だからこそ、出せる範囲でスコアを上げておくことに意味があります。
(2) 英語は「外部スコアの提出のみ」。当日の英語筆記はありません。
提出できるのは TOEIC® TEST(IPを含む)または TOEFL® TEST(iBT・ITP)。ここで見落とされやすい条件が3つあります。
TOEIC® IPテストが認められています。 多くの大学の編入では「IP不可・公開テストのみ」とされることが多いなか、山形大学農学部はIPを含むと明記しています。所属する学校でIPテストが実施されているなら、そのスコアも使えます(受験機会が増えるのは大きな利点です)。
TOEFL iBT® Home Edition は対象外、TOEFL iBT® MyBest Scores も活用されません。自宅受験のスコアや、複数回のベスト合算スコアは使えないということです。
スコアの有効期限は、成績に明記された受験年月日が出願書類提出期限から遡って2年以内。つまり令和9年度入試(出願締切=令和8年6月10日)なら、令和6年6月11日以降に受験したスコアが対象になります。
(3) スコアが出願に間に合わないときの救済措置があります。
「出願書類提出期限までに受験した試験のスコアが未到着のため、出願時にスコアを提出できない場合」は、大学指定の様式の理由書を出願時に提出したうえで、試験当日までに提出すればよい、と要項に定められています。ただしこれは「すでに受験は済ませたが結果が届いていない」場合の措置です。「これから受ける」は対象になりません。出願締切までに受験そのものを終えておくのが大前提です。
(4) プレゼンのテーマは、出願時点から公表されています。
これがこの試験の最大の特徴です。テーマは要項に明記されています。
『「広義の農学」に含まれる分野の中で、これまでに自分が熱意を持って取り組んだ事柄』
そして「広義の農学」の定義まで、要項が丁寧に説明しています。
「広義の農学」とは、農林水産業と直結する学問をはじめ、衣食住との関わりをベースとし、人類の生存、生活に貢献することを目標とした生物・生命に関する学問、環境科学、生活科学、社会科学等の生物生産と人間社会との関わりを基盤とする学問等、幅広い分野を含む総合科学を意味しています。
ここはとても重要です。「農学=作物栽培」と狭く読んでしまうと、自分の経験が使えないと思い込んでしまいます。環境科学・生活科学・社会科学まで含むと大学自身が定義しているのですから、食品、栄養、環境、地域、流通、経営といった切り口の経験も、堂々とテーマにできます。
(5) 出願書類そのものが「対策」です。
出願時に、次の2つを自分で書いて提出します。どちらも当日の口頭試問で深掘りされる前提の資料です。
志望理由書:①志望する理由、②希望しているコースに入学した場合どのような分野の勉強をしたいのか(分野名とその理由)、③卒業後どのような職業に就きたいか(現時点) の3項目を、各400字以内
プレゼンテーション概要:自らが行うプレゼンテーションの概要を 1,000字以内
つまり、「志望理由・学びたい分野・将来の職業・プレゼンの中身」の4点セットを、出願の時点で言語化し終えている必要があるわけです。ここが固まっていない状態で6月を迎えると、そもそも書類が書けません。
⑥ 対策のポイント(プレゼン・英語・口頭試問)
プレゼンテーション(10分程度/スライド・ポスター可)
テーマは「これまでに自分が熱意を持って取り組んだ事柄」。過去形である点がポイントで、架空の研究計画ではなく、実際にやったことが求められています。高専の卒業研究、短大の実習、ゼミ活動、農業体験、フィールドワーク、food系のアルバイトから生まれた問題意識——どれも素材になり得ます。
構成は、次の4ステップに落とすと安定します。
背景と目的:なぜそれに取り組もうと思ったのか(きっかけと問題意識)
自分が何をしたか:方法・自分の担当・工夫した点を具体的に(ここが最も見られます)
結果とそこから学んだこと:うまくいかなかった点も含めて誠実に
山形大学農学部でどう発展させたいか:志望コース・履修プログラム・学びたい分野につなげる
評価されるのは、成果の派手さではなく“接続”です。 ①〜③で語った過去と、④で語る未来が、一本の線でつながっているか。ここが説得力の正体です。「立派な研究がないから不利」ということはありません。小さな取り組みでも、深く考え抜いた跡がある人のほうが、口頭試問で強くなります。
準備の実務としては——
時間管理:10分程度と指定されています。スライドを作り込みすぎて時間超過するのが典型的な失敗。声に出して測る練習を最低5回は。
使用できる物品の確認:プレゼンで使える物品等の詳細は受験票発送時に知らされます。受験票が届いたら真っ先に確認し、そこから準備を最終調整してください(発送前に「PCは持ち込めるのか」を自己判断で決め打ちしないこと)。
プレゼン概要(1,000字以内)との整合:出願時に提出した概要と、当日の発表内容がずれると、質疑で必ず突かれます。概要を書いた時点で発表の骨格を確定させ、その後は肉付けだけにするのが安全です。
英語(TOEIC®/TOEFL®スコア)
英語は点数換算されて評価に入ると要項が明記しています。当日の筆記はないので、「出願までに、出せる最高のスコアを確保する」の一点に尽きます。
逆算:出願締切は6月10日。スコア到着に数週間かかることを考えると、遅くとも4〜5月には受験を終える必要があります。理由書による猶予はありますが、それは「受験済み・結果待ち」の人だけの措置です。
複数回受験を前提に:TOEIC®はIPテストも使えます。学校でIPが実施されるなら、公開テストと合わせて受験機会を増やすのが賢い戦略です(提出するのは最も良いスコアの成績通知書)。
有効期限のチェック:受験年月日が出願締切から遡って2年以内かどうか。手元に古いスコアがある人は、まず日付を確認してください。
TOEFL派の注意:iBTでもITPでも構いませんが、Home Edition は不可、MyBest Scores は不可です。
💡 「合格に必要なTOEICの点数」は公式に示されていません。ここは正直にお伝えします。示されているのは「点数換算して評価に使う」という事実だけです。したがって現実的な戦略は、「◯点を取れば安心」ではなく、受験までの残り時間で自分が到達できる最高点を、確実に取り切ること。1回の受験で終わらせず、複数回のスケジュールを最初から組んでおきましょう。
口頭試問(プレゼン後の質疑応答)
要項には「発表内容や出願書類の内容等について質疑応答を行います」とあり、さらに「志望理由書及び成績証明書等については、プレゼンテーション(口頭試問を含む。)の際に参考とします」と明記されています。つまり、質問の射程はプレゼンだけではありません。
想定しておくべきは次の3方向です。
プレゼンの深掘り:「なぜその方法を選んだのか」「別のやり方は検討したか」「その結果はどう解釈できるか」。“やったこと”の背後にある判断を説明できるように。
志望理由書の3項目:志望理由/学びたい分野/卒業後の職業。書いた内容は全部聞かれる前提で、それぞれに具体例を1つずつ用意しておきましょう。
成績証明書:在学中の成績も参考資料です。伸び悩んだ科目があるなら、「なぜそうなり、そこから何を学んだか」を前向きに語れる状態にしておくと安心です。
そして、「なぜ山形大学農学部なのか」への答えは必ず準備してください。ここは、庄内平野という立地、附属のやまがたフィールド科学センター(FSC)を活かしたフィールド教育、3コースの研究内容、3つの履修プログラムといったこの学部固有の材料で答えるべきところです。公式サイトのコース紹介や教員紹介、2026年度開講科目のシラバス(=授業計画)まで見て、「3年次でどの科目を履修したいか」まで言えると、志望度の高さがはっきり伝わります。
⑦ コース選択と志望理由書で差をつける
この大学の編入で、意外と軽視されがちなのに合否を左右するのがコース選択の設計です。要項の記載を、もう一度確認しておきます。
入学願書の所定欄に、希望するコース名を記入する
コースの希望は第2希望まで記入できる
第2希望を記入した場合、第2希望で合格となる場合がある
各コースに受入上限があるため、志望コースによっては成績上位者でも不合格となる場合がある
ここから導かれる実務的な結論は3つです。
(1) 第2希望は、原則として書いたほうがよい。 第1希望のコースが埋まった場合、第2希望が「拾ってもらえる可能性」になります。空欄にすると、その可能性を自分から捨てることになります。
(2) ただし、第2希望は“辻褄が合う”コースを選ぶ。 プレゼンと志望理由書で語る関心が、第2希望のコースとまったくかみ合わないと、口頭試問で「では第2希望ではどんな勉強を?」と聞かれたときに答えられません。自分の関心の“隣”にあるコースを選ぶのが鉄則です。たとえば食品の機能性ならバイオサイエンスが第1、農産物の生産・流通に軸を寄せてアグリサイエンスを第2、といった具合です。
(3) 志望理由書は「コース名」を軸に組み立てる。 志望理由書の第2項目は、そのまま「希望しているコースに入学した場合どのような分野の勉強をしたいのか、分野名とその理由」です。ここでコース内の分野名を具体的に挙げられるかが問われています。「農学を学びたい」では400字が埋まりません。「アグリサイエンスコースの植物病理の分野で、〇〇の防除について学びたい。理由は……」というレベルまで踏み込んでください。
💡 志望理由書は各項目400字以内、プレゼン概要は1,000字以内。短いからこそ、抽象論を書く余白がありません。 「熱意があります」と書くのではなく、「何に、どれだけ、どう取り組んだか」という事実で熱意を証明する。これが、この学部の書類で一番効くアプローチです。
⑧ 合格までのスケジュール例(7月本番から逆算)
試験は7月4日、出願は6月5日〜6月10日。前年の秋から逆算すると、こうなります。
前年9〜11月(約8か月前):TOEIC®/TOEFL®の学習を開始。同時に、プレゼンの素材(これまで取り組んだこと)を棚卸しする。研究・実習・活動の記録や写真、データを掘り起こしておく。素材が乏しいと感じるなら、この時期から意図的に取り組みを作る(卒業研究のテーマ設定、地域活動への参加など)。在学生は、出願資格⑶の単位要件(一般教育科目23単位・英語2単位を含む65単位)を成績表で確認し、足りなければ履修登録で埋める。
前年12〜2月:英語スコアを1回受験して現在地を測る。志望コース(第1・第2)を仮決めし、コース紹介・教員紹介・シラバスを読み込む。プレゼンのテーマを1つに絞る。
3〜4月:英語スコアを本命の回で受験(複数回受けるならここが中心)。プレゼンのスライド/ポスターの初稿を作成。志望理由書の3項目(各400字)を書き始める。5月18日までの事前相談が必要な人は、この時期に準備。
5月:プレゼンを声に出して通し練習(10分の時間管理)。想定質問への回答を整理。プレゼン概要1,000字を完成させる。5月27日10時から検定料の払込が可能になるので、支払い→収納証明書の貼付まで済ませておく。英語スコアが未着なら、理由書の様式を確認。
6月5日〜10日:出願(郵送は書留速達・6/10必着)。書類は締切の数日前に発送する。
6月下旬〜7月:受験票が届いたら、使用できる物品等の案内を必ず確認。それに合わせて発表の最終調整。前日までに鶴岡入りできると安心(試験場の下見は前日午後、建物外からのみ可)。7月4日本番(10:00〜17:00予定・開始30分前までに到着)。
7月28日:合格発表。8月17日〜20日が入学手続期間。
💡 この試験で一番もったいない失敗は、「英語スコアが出願に間に合わない」です。プレゼンは直前でも詰められますが、英語スコアだけは時間を買えません。受験日程を、先に年間カレンダーへ書き込むところから始めてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 筆記試験は本当にないのですか?
A. ありません。試験科目はプレゼンテーション(口頭試問を含む)のみで、選抜はプレゼンの成績とTOEIC®等のスコア(点数換算)を基に総合的に行われます。志望理由書と成績証明書は、当日の参考資料として使われます。
Q. TOEIC®のIPテストのスコアは使えますか?
A. 使えます。 要項には「TOEIC® TEST(IPを含む。)」と明記されています。TOEFL®はiBT・ITPが対象で、TOEFL iBT® Home Editionは対象外、MyBest Scoresも活用されません。
Q. TOEICは何点あれば合格できますか?
A. 合格に必要なスコアは公表されていません。 要項に書かれているのは「スコアを点数換算して総合選考に用いる」という事実のみで、換算方法も配点も公表されていません。目標点を外から決めるより、出願までに自分の最高点を取り切ることに集中するのが現実的です。
Q. スコアが出願に間に合わなかったらどうなりますか?
A. 出願書類提出期限までに受験は済ませたがスコアが未到着という場合に限り、大学指定様式の理由書を出願時に提出したうえで、試験当日までにスコアを提出できます。「これから受験する」は対象外なので、受験自体は出願締切までに終えておく必要があります。
Q. 倍率はどのくらいですか?
A. 大学が実施状況を公表しています。令和7年度は志願3・受験3・合格3(1.0倍)、令和8年度は志願4・受験4・合格3(約1.3倍)です。ただし母数が数人規模のため年度による振れが大きく、またコースごとの受入上限があるため、成績上位でも志望コース次第で不合格になり得ると要項に明記されています。
Q. 募集人員「若干人」は何人ですか?
A. 人数は公表されていません。実施状況では、令和7年度・令和8年度とも合格者は3人でした。
Q. 2年次編入や学士入学はありますか?
A. 山形大学農学部が募集しているのは第3年次編入学のみです。「学士入学」という別枠はなく、学士の学位を持つ人も、この3年次編入の出願資格⑴で受験します。
Q. 四年制大学の2年生ですが受けられますか?
A. 「他の大学に2年以上(休学期間を除く)在学し、一般教育科目23単位および英語2単位を含む65単位以上を修得」を満たせば出願できます(見込み含む)。一般的な「62単位」より要件が細かいので、教養科目と英語の単位を必ず数えてください。なお、見込みで合格・入学手続をしても、令和9年3月までに要件を満たせなければ入学は取り消しになります。
Q. 社会人で、すでに大学を卒業しています。受けられますか?
A. 学士の学位を有する者として出願できます。学位授与機構から学士を授与された人も対象です。短大卒・高専卒の人も出願資格を満たします。
Q. コースはいつ決めますか? 希望どおりになりますか?
A. 出願時(入学願書)に希望コースを記入します。第2希望まで記入可能で、第2希望で合格となる場合もあります。各コースに受入上限があるため、必ずしも第1希望どおりになるとは限りません。
Q. 試験はどこで、何時から受けますか?
A. 山形大学農学部(山形県鶴岡市若葉町1-23)で、7月4日(土)10:00〜17:00(予定)です。試験開始時刻の30分前までに到着してください。試験場の下見は前日午後に可能ですが、建物内には入れません。宿泊施設の斡旋は行われていないため、宿は早めに自分で確保しましょう。
Q. 前の学校で取った単位は引き継げますか?
A. 出身校で修得した単位のうち、山形大学で開講する授業科目に相当するものは本学の単位として認定されます。卒業要件は2年以上在学して所定の単位を修得すること(4年を超えて在学することはできません)。ただし、単位認定の状況によっては標準修業年限2年を超える場合もあります。専修学校の専門課程修了見込者は、修了までに英語を含む外国語4単位以上を修得しておくことが望まれる、と要項に記載されています。
Q. 自分の点数は後から分かりますか?
A. 成績開示制度があります。 令和9年5月1日〜5月31日(消印有効)に、受験者本人が農学部入試担当へ請求できます(代理人不可)。受験票の原本と返信用封筒が必要です。
Q. 病気や障害があり、受験や修学で配慮が必要です。
A. 令和8年5月18日(月)までに農学部入試担当(TEL 0235-28-2808)へ相談することになっています。出願直前ではなく、出願期間の3週間近く前が締切なので、早めに連絡してください。
まとめ|「英語スコア」と「10分のプレゼン」を、いつ仕込むか
山形大学農学部(食料生命環境学科)の3年次編入は、筆記試験のない、全国的にも珍しい方式です。整理すると——
選抜はプレゼンテーション(口頭試問を含む)+TOEIC®等のスコア(点数換算)の総合。配点の内訳は非公表
プレゼンのテーマは事前公表:「広義の農学」の分野で、これまでに自分が熱意を持って取り組んだ事柄を10分程度で発表
英語は外部スコアの提出のみ。TOEIC® IPも使えるが、Home Edition・MyBest Scoresは不可、有効期限は出願締切から遡って2年以内
実施状況は公表されており、令和7年度1.0倍・令和8年度約1.3倍。ただし母数は数人規模で、コースの受入上限により成績上位でも不合格になり得る
出願は6月上旬、試験は7月4日。秋実施の編入より数か月早い
在学中の学生は、出願資格の単位要件が「一般教育科目23単位・英語2単位を含む65単位以上」である点に要注意
この試験は、当日の一発勝負ではなく、準備期間の使い方がそのまま点数になる設計です。裏を返せば、早く動いた人が確実に有利ということでもあります。英語スコアを積み上げる時間、プレゼンの素材を育てる時間——どちらも、今日から確保できます。
「自分の経歴だと出願資格はどれに当たる?」「一般教育科目の単位が足りているか不安」「プレゼンのテーマに使える経験がこれで大丈夫か見てほしい」「志望コースと第2希望をどう組むべき?」「TOEICはいつ・何回受ければいい?」——そんなときは、オンライン編入学院の無料相談をご利用ください。あなたの状況に合わせて、7月本番までの最短ルートを一緒に設計します。煽るつもりはありません。まずは気軽に、現状と疑問を聞かせてください。
この記事を書いた人
オンライン編入学院(大学編入情報局)
この記事は、大学編入試験専門予備校のオンライン編入学院が監修・執筆しています。
大学編入は、募集する学科も試験科目も出願資格も大学ごとにばらばらで、しかも年度によって変わります。だからこそ、記事に載せる募集人員・試験科目・配点・日程・倍率は各大学が公表する募集要項および入学者選抜実施結果で必ず確認し、そのうえで合格者から寄せられた体験談など、編入指導で蓄積した知見もふまえて記載しています。大学が公表していない項目は、推測で補わず「非公表」とそのまま明記しています。
*※本記事は「令和9年度山形大学農学部第3年次編入学学生募集要項」(令和8年4月)および山形大学農学部が公表する「農学部 第3年次編入学試験 入学者選抜試験 実施状況」にもとづきます。募集人員・試験方法・日程・会場・費用・実施状況は年度により変わることがあります。出願前に必ず最新の公式募集要項でご確認ください。*
*出典:山形大学農学部「令和9年度山形大学農学部第3年次編入学学生募集要項」(PDF)、農学部 第3年次編入学試験 実施状況(PDF)、山形大学農学部 入試案内、山形大学農学部 コース・プログラム紹介、山形大学農学部*
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