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『蝶たちは今・・・ 冥土からの手紙 死者からの電話』(1979年/土曜ワイド劇場) <2時間サスペンス感想>

監督 石井輝男
脚本 日下圭介、七条門
原作 日下圭介
出演 田中健、樋口可南子、松尾嘉代、林寛子、高橋昌也

<あらすじ>
 旅行先でカバンを取り違えた大学生の康雄。持ち主を訪ねると、その人物は旅行前に心中事件を起こし、すでに亡くなっていた。それが殺人ではないかと疑う康雄は友人らと調査を始める。

〇 ドラマがボリューミー

 あらすじだけ見ると、よくある素人探偵モノだが、特徴的なのは容疑者と探偵側が交わる事なく展開していくという点だろう。
 容疑者は謎の脅迫者に怯え、主人公たちは本人に接触することなく、犯行を立証していく。この両者がバラバラに同時進行する様はふたつのドラマをザッピングしているようなボリューム感があり、かなりの見応え。
 探偵側のドラマが明るく爽やかなのに対し、容疑者側はドロドロしているのも良い対比となっている。さらにこれがいつ交わり、どうなってしまうのかは非常に期待させられた。

〇 衝撃の展開

 そんな視聴者の期待を、作品は大きく上回ってくる。むしろ、本作の真価はここからと言ってもいい。
 作品後半、ふたつのドラマが交わり始めると、その双方を巻き込んだまったく別の真相が明らかとなり、そこからさらなる衝撃の展開へとなだれ込んでいく。はっきり言ってなにも書けない、ネタバレ厳禁。
 素人探偵モノであることを逆手に取ったこの展開はそれまでのドラマを根底からひっくり返し、「2時間サスペンスとは普通に事件が解決するもの」という視聴者の固定観念を破壊する。
 シリーズ化を狙っていては絶対に作り得ない作品だろう。



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