【ファンタジー】ケンとメリーの不思議な絆#12
第二章 見知らぬ旅行者
友人へのメール
ケンは、余計なことは書かずに要件だけを書いてメールを送信した。いつものことだからキヨシも分かってくれるだろうと思っていたのだ。
ーーー キヨシへのメール ーーー
『今、南フランスのワイン工場にいます。ここで作られたワインは大量出荷は厳しいけど5%弱程度の低アルコールのワインで飲みやすいのが特徴なんだ。キヨシのところで輸入して販売なんて可能性はないかな。今は低アルコールブームもあるんじゃないかと思ってメールをした。とっても飲みやすいワインだっていうことは僕が保証する。検討をおねがいします。ケン』
送信した後、思った以上にレスポンスが良くすぐに返事が来た。
ーーー キヨシからの返信 ーーー
『ケン、相変わらず旅してんだな。いいよなお前は気楽で。ワインの件だけど面白そうだからちょっと扱ってみるよ。まぁ、お前の保証はなんの役にも立たないけど(笑 試しに五十本くらい送ってくれるように言ってくれ。赤でも白でもいいから。決済の仕方なんかも取り決めないとダメだけど、その前に現物確認しないとな。 キヨシ』
どうなるかわからないのでメリーに内緒でメールしてみたけれど、内容は嬉しい返事だったので、すぐに横にいるメリーに話をした。
「メリー、実はね、日本の友達で酒屋さんを経営してる友人がいるんだよ。今そいつにメールしてみたんだ。キヨシっていう名前なんだけどね。ここのワインを扱うことはできないかなって聞いてみたんだよ。そうしたら、試しに五十本くらい送ってほしいって返事がきたよ。メリー、これで日本とのコネクションができるよ。挑戦してみない」
「ケン、何をしているのかと思ったら、そんなことをしてくれていたのね。旅のブログをネットに上げているだけかなと思っていたのに。わー、びっくり。すごくいい人なのねケンは。ありがとう。じゃあ、ケンを信頼して日本にワインを送ってみるわ。なんだか急に未来が開けてきたって感じね」
まだ結果は出ていないが自分のために動いてくれたケンにメリーは感謝していた。そして、ワイン工場の未来にほんの少しの明かりが灯ったことを体中で喜びを感じていた。そして、ちょっぴり心もケンの優しさに引かれているかもと感じ始めていた。ほんの短い時間の中でこんな気持ちになったのはメリーにとって初めての経験だった。とても不思議な気持ちになっていたが、まだ何も決まっていない状況だということを自分に言い聞かせていた。
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