【SS】負けず嫌い
小さい子供のかけっこは面白い。田舎の学校のグランドは広いので、小学一年生のかけっこは直線で設定されることも多い。その時はいかにまっすぐ早く走れるかが勝敗を決めるが、まだ勝ち負けにこだわる子供が少ないので和気藹々としたかけっこが繰り広げられる。
そんな中、運動会で人一倍負けず嫌いの子供がいた。「よーい、ドン」の合図とともに、勢いよく走り出したのはいいが勢いが良すぎて真ん中を過ぎる前に転んでしまった。先生たちもすぐに起き上がって走り始めるだろうと思っていたが、なかなか起き上がらない。一緒に走った子供達が全員ゴールしてしまったので、次の組の子供が走り始めることができず、仕方なく先生たちが駆け寄ってきた。そして、転んでしまった子供のところに駆け寄り抱き上げてゴールに向かい、運動会は継続した。
ゴールについてから先生は転んだ子どもに尋ねた。
「どこか痛いの」
「ううん」
「あれー、じゃあ、どうして起き上がらなかったのかな」
「だって、起き上がったらビリになるもん」
とんだ負けず嫌いな子供だった。
了
p.s これ小学一年生の時の私の実話です(笑
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