【ファンタジー】ケンとメリーの不思議な絆#02
第一章 不思議な街
住民になる人たち
亡くなった人の街ではあるが、亡くなったからといって、この街に一人でやってくることはできない。「案内役」と呼ばれる黒いスーツを纏った男が迎えに来てこの不思議な街に連れて来てくれるらしい。それ以外に亡くなったからといってこの街にやってくることはできない。
案内役は世界中を駆け巡って連れてくるので、移動手段も普通ではない。案内役は、抵抗が少ない空気の密度がうすくなっている場所を縫って、夜中に人間の目に触れないように空中を素早く飛んで迎えに行く。たまたま目撃した人はムササビと思ってしまうらしく、そのこと自体がニュースになったこともない。
亡くなった人が自分の住んでいるところと遠く離れた場所で亡くなるケースの方が多いので、亡くなった場所で街への入り口を開けるわけにもいかない。そうするとゆかりのない人が迷い込んでしまう可能性があるからだ。そのため案内人によって空を飛び、人間が入ってこれない入り口から街に入っているのだった。そのための案内役だったのだ。
当然、案内役は人間ではない。表情ひとつ変えることなく世界中どこへでも飛んでいけるのだから。それに誰もがこの不思議な街にくることができるわけでもない。生きているうちに、いいことをたくさんしていたにも関わらず、予期せぬ事故で若いうちに死んでしまった人だけが、「案内役」が迎えに行く対象となる。
本来ならもっと長く「生きている生活」を楽しめたはずの人たちだけが、この街に住める。そして、その亡くなった人が不慮の事故にあわなかったとした時の寿命が尽きるまでを限度として、この不思議な街で生活することができる。やがて時が過ぎ本来の寿命をまっとうした年月を過ごしたら、天国からの迎えがやって来て、この街からは静かに姿を消してしまうことになる。天国でも魂ごとに番号が付与され魂管理が実施されていて、全ての魂としての寿命が管理されている。しかし、なんらかの不慮の出来事により、寿命を全うできなかったときは、天国での魂の場所確保が困難となるため、この不思議な街が神様によって創造されたのだった。なんとなく現代の制約が天国にまで影響しているような話だ。
それにしても、この不思議な町での普段の生活というのは一体どうなっているのだろうか?
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