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小説3,000作品以上読んだ人間がオススメする名作20選③

皆さんこんにちは
今回は今まで読んだ小説の中で個人的にオススメの作品を紹介します。
※この記事ではamazonアソシエイト・楽天アフェリエイトリンクを利用しています。


1.アルケミスト

読み終わったあと
今自分が本当に何をしなきゃいけないかってハッとさせられました。

使命感と導きを教えてくれる寓話
イマの自分が何をすべきか それらに向き合わないとどうなるか
はじめは力も知恵も持っていない少年が
多くの教えや失敗、導きから成長していく物語

少年の一連の体験も
後々の導かれ始めたあたりの
今の使命を追いかけずにするとどうなるかなどの説得力も増す。
物語なのにものすごく教訓としても刺さる

最後の100ページくらいは止まらないほど読み進めたくなるほどスケール感が壮大になっていく。
最後はまさに物語の締めとしてちゃんと完結してくれて感無量でした
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2.重力ピエロ

主人公の兄弟の名は、「泉水」と「春」。
両方とも英語にすると「スプリング」。
春も泉も、閉ざされた事象から一気に噴き出す感じがあるから、英語では“spring”なのでしょうか?
ラスト近く、春の気持ちが、ようやく、暗く、長かった閉塞感から開放され、スッキリしたように書かれていましたが、作者は、もちろん、その辺りも織り込み済みで二人の名を付けたのだろうな……作家というのは、やっぱりすごいなぁ、と感心しました。

「春が二階から落ちてきた」
この書き出しに魅かれ、一気に読みました。
どんなものにでも意味を見つけようとする兄・和泉と、それを否定する弟・春。
でも、父の回復を願い、一見何の意味もなさない外国の偉人の名をノートに繰り返し書いた春は、それを意味ある行為だと言い、和泉は無意味だと否定する。
春の行為は、良くて、悪いこと。
うまく感想を伝えることができず、もどかしいですが、世の中は、白か黒で割り切れない灰色の部分が大半で、意味がありそうで無意味なこと、そして、無意味なことのようで、意味があることが交錯しているのではないでしょうか。
人間は重力に支配され、ピエロは、その重力を忘れさせるために、空中ブランコで優雅に空を飛ぶ。
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3.イノセント・デイズ

普段ニュースを見ていて、凶悪事件やその犯人、被害者の話を聞く度に、憤り、同情、悲しさ、つらさといったシンプルな感情を抱く。どうかこれからも自分とは無縁の世界でありますようにと願う。
その一方で、この人たちの人生は本当にこんな内容なんだろうか?とも考える。別の角度から見れば全く違う見え方をするのに、決して報じられない‪(悪意があって伏せているわけではなく、単に知らない・情報がない)面も存在しているんじゃない?とも。

結局は実際のことなんて分からないから受け流すし、ニュースは毎日変わっていくけど、そう考えることだけでも、受け取る情報をすべて鵜呑みにしないことだけでも大切にした方がいいんじゃないか?…と、日々なんとなく感じていたものが具現化されたようなお話でした。私にはとても迫り来るものがあった。

例えば身近な人間関係でも、一つの事象に対する捉え方が人によって真逆で、またどちらも嘘ではない場合がある。
例えば戦争はどちらも自分が正義と疑わずに始まる。
物事は立体的であり、平面的な情報は物事のごく一部を表すものでしかない。
どんなに悲しいニュースを見聞きしようと、安易に「いかにも」なんて思わないように、これからも生きていきたい。
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4.ツバキ文具店

古都鎌倉にあるツバキ文具店。
先代である祖母のあとを継いだ鳩子。ポッポちゃん。同時に、代書屋も引き継ぐ。自分で手紙を書くことができない人々は、当然のことながら様々な事情を抱えている。メールで済ませることはできない、大切な用件。
しかし、自分では書けない。代書を頼むしかない人々の心の動きまで手紙で表現しようとする鳩子。そして鳩子をとりまく心優しい人たち。それは、隣家に住む老女バーバラ夫人であったり、小学校教諭のパンティーであったり、幼稚園児のQPちゃんであったりする。

まったくの他人の方が優しかったりするのはよくあることだが、記憶にある数少ない肉親である祖母とはうまくいかなかった鳩子。しかし、周囲の人々から昔の話を聞くにつれて、祖母に対する反感がすこしずつやわらいでいく。鎌倉の美しい四季を背景に、そこに住む人々と心を通わせる鳩子がうまく描かれている。

それよりも心に残ったのは、作中に出てくる食べ物だ。
なんとおいしそうに描かれているのか。どうやら、登場するレストランや食堂は、名前は違っていても実在するらしい。私も鎌倉に行って食べてみたい!と思ったら、『ツバキ文具店の鎌倉案内』という本が出ていた。きっと、ポッポちゃんが男爵と食べたうなぎが食べてみたいと思ったのは私一人ではなかったのだろう。バーバラ夫人のおみやげのマカロンも食べたいなあ。
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5.塩狩峠

何のために生きているのか
何のために死んでいくのか
人生の意味をふと考えて
身動きが取れなくなった時にはまたここに立ち返ってきたいと思える作品

作中、キリスト教の教義がいくつか出てきますが
押しつけがましいものではなく、どう捉えるかは読み手次第。
昨今、日本では宗教離れが進んでいます。私自身、信じている宗教はありません。
しかし、宗教により救われる人や、よりよい人生を生きるに至った人が、存在するのは事実でしょう。信じるか信じないかの2択ではないという意味で、現代人には現代人なりの宗教への向き合い方があるのではないでしょうか。と、本を読む中でそんなことを考えたりしました。
宗教に疎遠な人ほど一度読んでみるとよい小説かもしれません。

また、宗教うんぬんは別にして、魅力的な登場人物・繊細な心理描写・心うたれる言葉や行動・など、小説としてこれらを十分堪能できました。
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6.ジヴェルニーの食卓

作者の経歴が存分に生きた「画家」をめぐる短編集です。
扱っている画家は、マティス・ドガ・セザンヌ・モネの四人の画家なのですが、物語の中にはその他にもピカソやゴッホなど多くの著名な画家が登場します。19世紀後半の印象派以降の大きく動く情勢の中で、画家は画材の調達にも困りながらも自らの意思を通して絵を描いてゆきます。ただ、そうは言っても、そこにはパトロンや理解者の存在があります。この四編の短編は、画家の傍にいた人間という第三者の目を通して見た画家の日常生活です。

まだ売れていない画家たちは、日々の暮らしも大変で、多くの援助者の手が必要でした。
第三作の「タンギー爺さん」は、若い画家たちの溜まり場となり、画材を売れない絵と交換に提供します。タイトルの絵も、ゴッホがお金の代わりに肖像画を描いて置いていったものです。この話を聞いて初めて、美術の教科書でよく見かけるこの絵の意味が分かりました。

その他の作品も同様で、どこまでが史実に基づいた話で、どこからがフィクションなのか分かりませんが、実在する人名が次々に登場し、当時の画家たちの状況がしっくりと胸に入ってきます。
彼らの日常は、一般の人とは若干違うかも知れません。でも、この本を読んでいると、そこにある人の心の通い合いは確かなものであり、画家という孤独な職業であるからこそ、「家族」を求めている気持ちがある様なきがしました。
心を洗われる素晴らしい短編集でした。
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7.沈黙

キリスト教迫害が続く日本で棄教したと噂されるフェレイラ神父。彼の弟子、ロドリゴはその真偽の程を確かめるため、そして日本の信徒を救うべく日本に渡る。地下組織として潜伏しながらも布教活動を続けていたが、ある日当局に日本の貧しい信者たちとともに逮捕される。拷問にかけられ、ロドリゴの目の前で何人も殉教していく。

殉教とは強い感動を伴なうもの、と思っていたロドリゴが愕然としたのは、その前後で何も変わらなかったこと。神はなぜ黙っているのか?いったい神とは?神に対する疑いすら抱き、師フェレイラと再会する。変わり果てた姿になったフェレイラ。そしてロドリゴが最後に出した結論は・・・棄教。踏絵を踏むこと。自らのアイデンティティかつ自分の一部たる神を足蹴にする行為で痛みを感じた時、始めて神からの語りを聞く。

「踏むがいい。私はお前たちに踏まれるためこの世に生まれ、お前たちの痛みを分かち合うため十字架を背負ったのだ」

神とは何か?生きとし生きる全てに等しく愛を授ける。それは強きもの、弱きものに等しく授ける。信仰を貫き通して死んでいった人たちにも愛を授ける。彼らは彼等で自分の運命と苦痛を納得して死んでいった。信仰を貫くことが出来ずに己を曲げて生き続ける者たち。彼らは生き続けることで、葛藤を持ち続け、苦痛を持ち続ける。体の痛み、心の痛み、そのすべてを受けとめる。それが神。そして神により我々の苦痛はいずれ癒され昇華される。

たとえ神を否定したとしても、自分自身の中に生き続ける。神は我々一人一人の中に存在し、かつ我々自身でもある。神を愛する行為とは、自分自身を愛することに他ならない。そして、それは人を愛することでもある。それがたとえどのような人であっても。

「たとえあの人は沈黙していたとしても、私の今日までの人生があの人について語っていた」
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8.夏物語

心の奥の奥までさらけ出したような心理描写がズッシリ重く響きます。
思春期の緑子の日記、主人公夏子の生きる事に対する独白は苦しいくらいに鮮烈で、川上さんの独特で繊細な表現力の凄さを存分に味わえます。

子どもを産む側、生まれる側、それぞれの視点から問題を投げかけられるので、この答えのない問いかけに対峙せざるを得ません。
いちいち嫌悪感が伴うのはそれほど生々しいからなんだとも感じます。

暗い人物だったとしても明るい気持ちになる事もあるわけで、
夏子にはこれからも現実的に幸せに生きていってほしいなと思いました。
緑子がしっかりと成長していた姿も良かったです。

何かにつけてジェンダーレスと言われる時代ですが、この作品はやっぱり女性の真理をついているというか、秘密をばらされたような、知られたくなかったなぁという恥ずかしい気持ちにもなりました。
この作品を読み終えた男性の感想を是非聞いてみたいと思いました。
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9.光の帝国

本作は「常野」とよばれる、ある一族を描いたシリーズの記念すべき第一作目となっています(第二部:蒲公英草子 第三部:エンド・ゲーム)

三冊はどれも独立したお話として読むことができますが、こちらは、短編をいくつかまとめた形になっているため読みやすいかと思われます

不思議な力を持つ一族がその能力のために、迫害を受けたり 捉えられて殺されたり・・・
とにかく悲しくなる悲劇の歴史がちりばめられています

もちろん、フィクションのお話ですし常野一族はいません
しかし、実際にこんな一族が 日本にはいたのかもしれない
そんな気がしてなりません

悲しいような、暗いような
話の筋やオチはわかったんだけれど なにか釈然としない
もやもやとする・・・そんな なんとも言い難い気持ちになる小説ですが
これが恩田陸ワールドです!
これにはまったら、もう抜け出せません

彼らの苗字や持ち備えた能力から関係図を整理しながら読むとおもしろいですよ!
第二作からは 明治から戦後まで時代が飛んだり、かと思えば第三作は現代を舞台にしたり、と一族の歴史が バラバラのパズルのピースを一つずつ見ているような感覚に陥ります

私はこの小説で恩田さんの世界にはまった読者です
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10.透明な夜の香り

美を志した主人公一香(いちか)の視点で語られる調香師・朔(さく)との物語。緑陰にたたずむ清雅な洋館に住む朔はするどい嗅覚の持ち主。
相手の発する匂い(香り)を意識したとたん、その香りにまつわる思い出や色や光、空気の流れさえも連想する。
のみならず相手の体調や隠された心の奥底までも推察。
著者はフレグランスの蘊蓄にとどまらず、人物の心象風景をもていねいに時に強烈に描いている。特に朔と一香の距離感が何とも言えず、爽やかであり、切なくもある。それが読む者の心に響いてきて,読了後のラストノートも忘れられない。

朔と一香のあの距離感がたまらなく好き。
読んでいると心が揺さぶられ、傷付き、安堵し、涙が自然に出てくる物語です。
読了後は、ぼーっとしてしまいました。
明日から、朔のような丁寧な暮らしをしてみたいなと憧れながら…。
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11.地球星人

私たちは、常識、周囲の人のことば、世の中で良いとされていることに沿い従い、自分の内なる本当の声にフタをしている。
湧き上がってくるその声に鈍感に生きているのではないかと思いました。
その声に気づかないふりをし、なかったことにしなければ、辛くて生きていけないのかもしれない。
みんなができるように、うまく鈍感になれない登場人物の苦しみ、痛みを感じました。

すべての人が、自分勝手に自分だけのことを大切にして、自分の内なる声に従って生きていくとき、それは相反するようだけれど、もっと自由で軽く澄んだ愛に包まれた世界になるのではないかと感じました。

この本を読んだことで、何か小さな種を植えられたような気がします。
これから小さな花が少しずつ咲いていくように感じます。
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12.カラスの親指

ふとしたことから借金をつくり闇金融と係わりをもつ詐欺師、タケ。
そのアパートへ転がり込んでくるカギやのテツさん。
ミステリーと思いきやハードボイルドでサスペンスな勢いで物語は走り出します。

カラス>玄人、親指>お父さん。
おもわせぶりなタイトル「カラスの親指」の意図するところは会話のなかで何度か語られますが読者は納得した気分でそのじつ、まんまと何度も騙されます。

仕掛けが大きいので、映画を観ているように場面が二転三転し
深く考える間もなくどんどん物語に取り込まれ.....
いつのまにか作者の術にハマっていた自分を妙なすがすがしさと透明感のあるラストのなかに見つけます。
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13.食堂かたつむり

栄養がある食べ物というものは、命があるものを前提としなければならない、ということでしょう。煮干しやかつお、それに大豆や麹といったものが、命のあるものの代表格となるでしょう。
そうなってくると、作中での飼っていた豚や、ガラスの窓にぶつかって死んだ鳩も同様のものとなるのかもしれません。豚は母親の結婚式のごちそうとして、そして鳩は母親の死を無駄にしないためのごちそうとして。

倫子は、母親が死んでからはインスタントのものしか食べなくなってしまいます。たしかに、生き物を殺すことはないので、精神的にはいいのかもしれませんが、それでいいわけではないように思われます。
精神的にも、なおかつ、肉体的にも、栄養をもたらしたいのであれば、やはり生きたものを口にしなければならないのです。つまり、野菜や果物といったものや、魚にくわえて、ニワトリや豚や牛などといったものを殺さなければならないのでしょう。

そういうふうに、生き物の命をいただくために、「いただきます」という言葉というか挨拶があるわけですから、食べるために命を落とした生き物のためにも、きちんと味わって食べていくほかないのかもしれませんね。
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14.ことり

この世界観、じっくり読み進みたい本です。
小鳥のおじさんと、お兄さん。
兄弟の不思議な世界。
最後のカタルシス。
小鳥のさえずりに対する愛。
世俗的な欲望と、対局な生き方。
人生のアナザーワールドを、考えさせられる作品です。
自閉症的な人の中に伺われる真実と、普通の人の冷淡さ。
図書館司書への報われぬ愛。
報われぬ小鳥への愛。
すべからく報われぬ小鳥のおじさんだが、読後には、奇妙な共感と安堵かんが与えられる。
「はぁー」と言う読後感を与えてくれる一冊です。
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15.許されようとは思いません

人の心の暗部を見つめ、えぐり出すかのような短篇が五つ。
イヤな汗が背中を伝うような肌寒さを覚えつつ、ぞくぞくする気持ちで頁をめくってました。

一等強烈なインパクトを受けたのは、最後に置かれた表題作「許されようとは思いません」でした。
「村八分て、本当にヤなことするよな。虫酸(むしず)が走るわ」と憤慨しながら読んでたのですが、話の最後のほうに来て、そこまで人を追い詰める酷(むご)い仕打ちと、そんなにも暗い情念を抱くよりほかなかった人物の思いに触れて、打ちのめされましたわ。

一つのごまかしが悪いほうへ悪いほうへと転がっていき、悪夢のような事態に直面する主人公。その恐怖に、私も冷や汗をかかされた「目撃者はいなかった」。
ラスト二行の台詞に、ぐさりと胸を突かれた「ありがとう、ばあば」。
第一の傍点(ぼうてん)のくだりで明らかになる、転倒した思いの異様さにぞくりとした「絵の中の男」。
じわじわと泥沼にはまっていくかのような、ある人物の疎外感、強迫観念、被害妄想じみた思いに、ぞわぞわと肌が粟立(あわだ)つ恐怖を覚えた「姉のように」。
いやあ、どれも心理的にぐさぐさ来る短篇ばかりで、心臓に悪かったっすね。読んでるあいだ、血圧がだいぶ上がってたんじゃないかなあ。

誰にでも身に覚えのある人間の心の〝黒い闇〟〝暗い情念〟が、まるで黒曜石(こくようせき)みたく結晶化したみたいな短篇集。
いやあ、怖かったっすね。
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16.さいはての彼女

自分に強く自信を持って今を生きてきた登場人物が、大きな、自分だけじゃ立ち直れないような穴ができて挫折をしてしまった時、かろやかで、まっすぐな風のような、誰しもの味方でいてくれるような女の子と出会い、見たことのない景色を目にして、人と出会い、また進んでいく物語です。

生きていれば大小問わずいろんな挫折があるけど、それも進むために、何か気づかせてもらえるきっかけとして必要なものだったのかな、と、そう思わされた物語でした。
そして、人と自然や景色との出会いの大切さを、改めて伝えていただきました。
私も、明日を見て、この風を止めずに歩んでいこうと思います。
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17.旅をする木

「働かないふたり」というニートの兄妹を描く漫画があるのですが、読書家である兄の守くんが大切にしているのがこの本です。
漫画の中で登場した本として、軽い気持ちで購入させていただきました。
内容はアラスカでの生活であり、難しい内容ではないはずなのに、不思議と飲み込むのに時間がかかり、珍しく読み終わるまで数ヶ月かかりました。
自然の描写が美しく、あたたかい言葉で丁寧に生活が描かれており、アラスカという地も、星野さんの姿も全く知らないのに、身近に感じます。
自分の存在や、家族との距離、大切な人との時間を見失いそうになった時に読むお守りとして側においておこうと思いました。
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18.夜空に泳ぐチョコレートグラミー

表題作の他、「カメル-ンの青い魚」、「浪間に浮かぶイエロー」、「溺れるスイミー」及び「海になる」の5つの短編から構成される"弱者が抱く未来への希望と自由への憧憬(束縛からの解放)"をテーマとした連作短編集。
魚や海関連の名称が多い各編の題名から窺える通り、例えば、金魚鉢中の熱帯魚を不自由の象徴として主人公(ヒロイン)との対比として散りばめている点が印象的。
一方では、ウツボを"憧憬"の対象としている短編もあったり、(未来において)水槽の中で"共生"する事が"希望"の証という短編もあったりする自在さもこれまた印象的。

各編の詳細には触れないが、着想外な冒頭からテーマへと着地させる構成が巧緻で感心した。また、全体として多彩な工夫が凝らしてある。
舞台は地方都市で、その地方都市が寂れて行く様子のさりげない描写。
主人公(ヒロイン)とその関係者を児童養護施設出身者やシングル・マザーの子供(あるいはシングル・マザー自身や死産した母親)としている徹底振り。愛しい人の"匂い"に対する拘り。
生の営みでもあるセックス・(DVを含む)暴力シーンの赤裸々な描写を厭わない気概。"おばあちゃん"の存在感。
雨、雲、雪及び草木を中心とする風景描写による"しめやかな"雰囲気の醸し出し。
LGBTを積極的に扱うジェンダー・フリー風味(雄性先熟も言及される)。
その雄性先熟に代表される"色"に対する拘り。
(連作短編集だから当然とは言え)因果の連鎖とその因果を容易には悟らせない巧みな全体構成力。

多彩な工夫と巧みな全体構成力とで"弱者が抱く未来への希望と自由への憧憬(束縛からの解放)"というテーマを浮き彫りにした傑作連作短編集だと思った。
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19.キッチン常夜灯

人生に起こること全てに意味がある。人生で出会う人全てに役割がある。
仕事に奮闘する主人公を軸に、キッチン常夜灯で静かに進むそれぞれの物語に、その場にいるような感覚に陥り、ほっと温まる優しいお話でした。
夜から朝にかけて開くビストロ、都会の路地裏で疲れた人や終電に乗り遅れた人に癒しと活力を与えてくれる。シェフもソムリエも温かく、こんなお店があったらいいなと思う。

実際にこの場に行ってシェフの作る料理と、温かい人たちに囲まれた雰囲気を楽しみたいなと思える作品でした。仕事で疲れた時、迷った時に改めて読み直したいと思います。
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20.テミスの不確かな法廷

主人公の安堂清春は、幼い頃に発達障害の自閉スペクトラム(ASD)及び注意欠如多動症(ADHD)と診断され、自身の障害を周囲に隠しながら裁判官として働く日々を送っている。主人公が持つ自閉スペクトラム症(ASD)特有の強いこだわりときめ細かい観察力が事件の真相を明らかにしていく。
この作品は3つの短編で構成されている。2番目の短編『恋ってどんなものかしら』では、これで一件落着かと思っていると、最後の最後に「まさか?」のどんでん返しが待っていて驚かされた。3番目の短編『擬装』では。主人公安堂清春に「女性に恋をする」という感情が初めて芽生え、最後にほっこりした気持ちで読み終えることができる。

主人公の日々の行動を通して、「人の表情や気持ちを読み取ることが苦手」「自分の意志と関係なく脳が勝手に支配してじっとしていることを許さない」など、自閉スペクトラム(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)について少しだけ理解でき勉強になった。
発達障害を持つ苦労がありながらも、自分の特性を理解し障害と上手くつきあいながら、裁判官として前向きに生きる主人公の姿が素晴らしい。
文章が平易で読みやすく、内容も面白いので、テンポ良くどんどん読み進めていくことができる。司法ミステリーでありながら、人への優しさと温かさを感じる作品で、読み終えると気持ちがほっこりする。
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おわりに

いかがでしたでしょうか?
どの本もオススメなので良ければご一読ください。
その他書籍も紹介しております。
宜しければご覧ください。


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