9割の売主が知らない|REINSの裏側と囲い込み3つのサイン
あなたが「売りたい」と伝えた瞬間から、業者の利益最大化ゲームが始まっている。
売主として損をしているのに、それを知らないまま契約を終えた人が業界の体感で9割を超える。
REINSの仕組みを正しく理解した売主だけが、本来の売却益を手元に残せる。
「なぜ売れないのか」が分からないまま3ヶ月が過ぎた話
30代のAさん(仮名)は都内ワンルームを専任媒介で依頼した。
査定額は2,200万円。業者の担当者は「3ヶ月以内に買主が見つかります」と言い切った。
ところが3ヶ月経っても内見ゼロ。
担当者からの連絡は月に1回、「まだ市場を様子見しています」という一言だけ。
Aさんが自分でSUUMOを検索すると、自分の物件が掲載されていなかった。
レインズ登録証明書を請求すると、登録はされていたが「公開中」になっていなかった。
これが囲い込みの典型例だ。
REINSとは何か — 知らないと丸裸にされる
REINS(レインズ)とは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営するネットワーク。
全国の宅建業者が物件情報を登録・閲覧する、いわば業者専用のデータベースだ。
売主が専任媒介または専属専任媒介を結ぶと、業者には以下の義務が発生する。
専属専任媒介: 契約から5営業日以内にREINS登録、1週間に1回以上の報告義務
専任媒介: 契約から7営業日以内にREINS登録、2週間に1回以上の報告義務
法律上はこうなっている(宅地建物取引業法 第34条の2)。
だが「登録している」と「積極的に他業者に紹介している」は、まったく別の話だ。
REINSに載せるだけで、紹介を止めることは技術的に可能。これが囲い込みのコアだ。
囲い込みが起きる理由 — 業者の利益構造を暴く
不動産仲介の手数料は、売主側・買主側それぞれから最大3%+6万円(税別)。
2,000万円の物件なら、片側で約66万円。
両側から取れば(両手仲介)、約132万円。
他業者が買主を連れてきたら、その約66万円が丸ごと消える。
だから「自社で買主を見つけるまで、他業者に紹介させない」という動機が生まれる。
これが構造的に起きている問題であり、個人の担当者の道徳の問題ではない。
仕組みとして理解しておかないと、何度繰り返しても同じ目に遭う。
囲い込みを見抜く3つのサイン
■ レインズ登録証明書に「非公開」「業者間限定」の文字がある — 専任・専属専任媒介であれば、業者はREINS登録後に登録証明書を売主に交付する義務がある。
この証明書の「公開区分」欄を必ず確認する。
「非公開」「業者間限定」と記載されている場合、他業者の営業担当がREINSで物件を検索しても詳細を見られない設定になっている。
あなたの物件が市場に出ていないのと実態は同じだ。
自分でREINSの売主向けサービス「レインズ・マーケット・インフォメーション」でも登録状況の確認ができる。登録証明書に記載のIDとパスワードを使う。
■ 内見の申込みが「うちの客が動いています」で止められる — 「もうすぐ自社のお客様が申し込みそうで」「内見調整中です」という言葉で、他業者からの問い合わせをはぐらかす手口がある。
これが2週間以上続くなら疑ってかかるべきだ。
正常な市場であれば、都内ワンルームは週1〜3件程度の問い合わせが通常ラインだ(立地・価格帯・築年数による)。
問い合わせ件数と内見件数を毎週書面で報告させる。口頭報告だけを受け入れない。
■ SUUMO・HOME'Sに掲載されていない、または価格が違う — 売主が自分の物件名と所在を知っているなら、ポータルサイトで実際に検索してみる。
掲載がないか、査定額より200万〜400万円高い価格で掲載されている場合は要注意だ。
高値で出して「売れない理由」を作り、売主に値下げを迫りながら時間を稼ぐ手口もある。
価格設定の根拠を数字で説明できない業者とは、即座に媒介契約の解除を検討する。
売主がやりがちなNG行動と、プロが取る回避策
■ NG: 「大手だから安心」で専任媒介を結ぶ — ブランド力と囲い込みリスクは比例しない。
大手は抱える顧客数が多い分、自社顧客への両手仲介を優先する動機も大きい。
媒介契約の種類と業者の利益構造を先に理解してから選ぶ。
■ NG: 査定額が一番高い業者を選ぶ — 「高く売れます」は営業トークだ。
根拠のない高値査定で媒介を取り、3ヶ月後に「相場が落ちた」として値下げを迫る手法を釣り上げ査定という。
比較すべきは査定額ではなく、過去の成約事例と成約にかかった平均日数だ。
複数業者から根拠付きの比較査定を取ること。
■ NG: 媒介契約の解除を「悪いこと」だと思い込む — 専任媒介・専属専任媒介は3ヶ月の更新型が一般的で、期間内解除は原則可能だ。
ただし、業者側の宣伝費・調査費を実費請求される場合がある。
事前に「解除条件と実費の範囲」を契約書で確認しておく。
口頭で「大丈夫です」と言われても、書面に記載がなければ効力はない。
実際に起きた査定額の落差 — 同一物件で600万円差
都内・築13年・ワンルーム(19㎡)の実例(匿名化済み)。
A社(専任媒介を強く勧めた業者): 査定額 1,950万円
B社(別途依頼した独立系業者): 査定額 2,300万円
C社(売主側仲介専門の相談経由): 実際の成約価格 2,280万円
差額330万円。手数料を引いても200万円以上、手元に残る金額が変わった。
A社が低い査定を出した理由は後から判明した。
自社保有の買取在庫として安く仕入れ、リノベ後に転売する計画があったためだ。
「売却」と「買取」は似て非なるもので、売主にとって有利な方法は状況による。
REINSの外側で動く買主を引き寄せる方法
囲い込みを回避するには、一般媒介への切り替えか、売主側に立つ専門家の活用が現実的な手段だ。
一般媒介は複数業者に同時依頼できる形態で、各社が競い合う構造になる。
ただし業者の「本気度」が下がるリスクもあるため、3社以内に絞り、報告義務を個別に取り決めるのが有効だ。
売主側専門の仲介サービスを利用する場合、業者が売主・買主の両方から手数料を取る構造がなくなる。
買主探しに集中する動機が生まれる。
まとめ — 知識が手数料より大きな資産になる
REINSは売主のためにある制度だ。
だが仕組みを知らなければ、業者の利益確保ツールとして機能してしまう。
登録証明書の確認・ポータル掲載の確認・問い合わせ件数の書面報告要求。
この3つを契約前に業者に伝えるだけで、囲い込みのリスクは大幅に下がる。
投資用ワンルームは、売り方を間違えると数百万円単位で損をする。
それは「運が悪かった」ではなく、「構造を知らなかった」結果だ。
匿名で相談できる場所がある
物件名・名前・電話番号は一切不要。
「売った方がいいのか」「今の査定は正しいのか」だけでも聞ける。
LINE: @874gqomt(投資マンション売却 匿名相談)
急かさない。売り込まない。売主側の立場で事実だけを伝える。
囲い込みの疑いがある・査定に納得がいかない・サブリース付きで売れるか不安——
どんな状況でも、まず状況を整理するところから始められる。
FAQ - よくある質問
Q1. 専任媒介と一般媒介、どちらが売主に有利ですか?
A. 一概にどちらとは言えない。囲い込みリスクを嫌うなら一般媒介、業者との連携を深めたいなら専任媒介だが、専任の場合は必ず登録証明書と報告義務の履行を書面で確認する。
Q2. レインズ登録証明書はどうすれば受け取れますか?
A. 専任・専属専任媒介契約を結んだ業者に請求すれば交付義務がある。宅建業法第34条の2に明記されているため、拒否した場合は国土交通省または都道府県への通報案件となる。
Q3. 媒介契約期間中に他業者に乗り換えることはできますか?
A. 原則として3ヶ月の契約期間内でも解除は可能。ただし業者が負担した広告費・調査費の実費を請求される場合があるため、契約前に解除条件を書面で確認しておくことが重要だ。
Q4. サブリース付きの投資ワンルームは売却できますか?
A. サブリース契約が付いた状態でも売却自体は可能。ただし買主がサブリースの承継を嫌がるケースがあり、成約価格や成約までの期間に影響する。状況に応じた媒介戦略が必要になる。
Q5. 査定額が業者によって大きく違うのはなぜですか?
A. 意図的な高値査定(釣り上げ査定)と、実態に即した根拠ある査定の2種類がある。差額が200万円以上ある場合は、高い方の根拠を必ず数字で説明させる。説明できない業者の査定は信用しない。
Q6. 売却を検討していることを今の管理会社に知られたくない場合はどうすれば?
A. 売却の相談は管理会社を通さず行うことができる。匿名相談窓口を活用し、状況を整理してから動くのが最もリスクが低い。
